みんなが好きな、中華の定番。自炊料理人のプライドを保つためには、干し椎茸のもどし汁を使うのがおすすすめなのだ。
中華の定番料理、木クラゲと卵炒め。シャキシャキとした木クラゲとふんわり卵のコントラストがたまらないという企画。
ここに言うまでもなく豚肉と、きのうは彩りと味出しでニラを加えた。だからこれは、「ニラ玉の木クラゲ入り」ともいうことができるわけだ。
やはり彩りとして、ここに細く刻んだニンジンも入れようと思っていたが、きのうは泥酔していたために忘れたのである。
さらにここに、干し椎茸を加える。
中華屋などでこの料理をつくる場合、最後に鶏がらスープを加え、そこに味つけをしてトロミをつける。この味がついてトロッとしたのが木クラゲと卵にまとわりつくと、食べ応えがまたいいわけだ。
家庭に鶏がらスープはないから、ここで顆粒の鶏がらスープの素を使う人も多いと思う。それはもちろん、悪くはない。
でもそれだと、家庭でつくる木クラゲと卵炒めが、中華屋でつくる木クラゲと卵炒めの「不完全な形」ということになってしまう。ほんとは鶏がらスープがあればいいのに、それがないから、仕方なく顆粒を使うということだからだ。
それは癪に触るではないか。
中華屋は、職業として料理をする。家庭料理は、生活の一部として料理をする。それは単に「別のもの」なのであって、べつに中華屋がつくる料理が上で、家庭料理が下というわけではない。
もちろん中華屋は、他人からお金をとって料理を食べさせるわけだから、それなりの工夫は必要となるだろう。
でもそのことは、自分が「うまい」と思える料理を毎日自分でつくることより、特段立派なわけではないのである。
なので鶏がらスープがないのなら、中華屋の猿マネをして顆粒などを使うのではなく、鶏がらスープを代用できる別のルートを模索すべき。それこそが、「自炊料理人のプライド」というものだ。
そこで登場するのが、「和風だし」。削りぶしにせよ煮干しにせよ、和風だしは、鶏がらのように何時間も煮込む必要はなく、ものの10分も煮出せばできてしまう。
特にこの場合なら、干し椎茸を使うのがおすすめというわけなのだ。
味も肉や卵とよく合うし、戻すのも、木クラゲと一緒にやってしまえば手間も増えないからである。
木クラゲと卵炒めは、まず卵だけ炒めて取りだし、最後に合わせるようにする。卵を炒める場合には、油は多ければ多いほどふんわりと仕上がるわけなのだが、そこはカロリーとのトレードオフの関係だ。
味つけは、ニンニクと赤唐辛子で炒め、オイスターソースと醤油を加える。醤油は淡口を使うのが、色が黒くならないのでおすすめだ。
まずは木クラゲと干し椎茸をもどす。
- 木クラゲ 10個
- 干し椎茸(中) 2個
を、1+2分の1カップの水に入れ、フタをして中火にかけ、煮立ってきたら火を止めてそのまま冷ます。
こうすると、木クラゲも椎茸も15分くらいで戻る。
次に、卵を炒める。
フライパンにサラダ油・大さじ1を引いて中火にかけ、溶き卵・3個を流し入れる。あまりガチャガチャかき混ぜないようにしてじっくり炒め、大きめにまとめる。
フライパンに、
- サラダ油 大さじ1~2
- みじん切りのニンニク 1かけ
- 種を出してちぎった赤唐辛子 1本
を入れて中火にかけ、1~2分じっくり熱して味を引き出す。
- 豚うす切り肉(きのうは肩ロース) 150グラム
- 水気をしぼった木クラゲ
- 水気をしぼり、うすく刻んだ椎茸
を入れ、豚肉に1つまみ(小さじ2分の1)の塩をふって、豚肉の色がほぼ変わるまで、ひきつづき中火で炒める。
とり出しておいた卵を加え、ひと混ぜしたら、
- 椎茸のもどし汁 1カップ
- 酒 大さじ1
- オイスターソース 大さじ1
- (淡口)醤油 大さじ1
- みりん 小さじ2
- コショウ 2~3ふり
を入れ、1~2分、サッと煮る。
ざく切りにしたニラ・2分の1把を加え、ひと混ぜしたら、
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ2
の水溶き片栗粉をスプーンで少しずつ入れては混ぜしながらトロミをつけ、ゴマ油・小さじ1を加えて、ひと混ぜし、火を止める。
これがうまいのは、知れた話だ。
酒にもご飯にも、死ぬほど合う。
あとは、わかめスープ。
頭とワタを取った煮干しとつぶしたニンニク、乾燥わかめを10分くらい煮て、酒と、みりん・ほんのちょびっと、淡口醤油、塩、コショウで味をつけ、焼麩を入れてお椀によそい、青ねぎとゴマをふる。
それに、白めし。
酒は、焼酎水わり。
きのうは夜、面白いネットのテレビ番組があったため、それを酒を飲みながら、1時間半にわたって見たら、そのあいだに飲んだ酒が、いつもより余分だったのだ。
そのためグラングランに泥酔し、食事の後半から記憶がないのだが、考えてみたら記憶がないのは毎日のことなのだから、べつに問題はないのである。
「ひどすぎだね。」
ほんとだな。