厚揚と豚肉、季節の野菜をマーボーの汁で煮込んだ家常豆腐。マーボー豆腐より家庭での使い出があるから、覚えておくのはおすすめだ。
家常豆腐(ジアチャンドウフ)は、中国の家庭料理なのだそうだ。もともとは四川料理だが全土で食べられていて、無数の作り方があるとのこと。
これが日本で、ほとんど知られていないのは、不思議なことだ。クックパッドに登録されているレシピも28品。陳建民は、なぜこれを日本に紹介しなかったのだろう。
標準と思われる作りかたをものすごく単純に言ってしまえば、マーボーの汁で、揚げた豆腐と豚肉、季節の野菜を炒め煮したもの。
揚げた豆腐は、日本には厚揚があるから、それを使うと簡単だ。
マーボーの汁だから、味的にはマーボーなのだが、具がゴロゴロと食べ応えがあるから、食べた感じはマーボー豆腐とまったくちがう。
野菜が入るから栄養バランスを考えやすい。その野菜も季節によってとっかえひっかえ、違ったものを入れてもいいわけだから、家庭では、マーボー豆腐よりこちらのほうが使い出があるのではなかろうか。
きのう入れた野菜は、ピーマンと玉ねぎ、それに干し椎茸。
ピーマンと玉ねぎは煮込まずに、最初にそれだけ炒めておいて、最後に加えるようにする。
干し椎茸は、いうまでもなく戻し汁もだしに使う。干し椎茸のだしは、こういうピリ辛の料理にとてもよく合うと思う。
炒め煮だから、味を見ながらゆっくりと作ればいいし、失敗することもないと思う。
肉は今回は初めに加えたが、肉のやわらかさを重視したい場合には、トロミをつける直前に入れるようにしてもいい。
まずは干し椎茸を戻す。
干し椎茸は、冷たい水で一晩かけて戻すのが、一番うまい。でも一番早くやる方法は、5分くらい煮てしまうこと。
干し椎茸(中)4個を1カップ半くらいの水で煮て、1カップのだしが取れるようにする。
だしを取っているあいだに、ピーマンと玉ねぎを炒める。
2センチ大くらいに切った玉ねぎ・2分の1個を、サラダ油・大さじ2分の1を入れ、中火にかけたフライパンで炒め、玉ねぎがバラけてきたら、同じくらいの大きさに切ったピーマン2個をサッと炒めて、シャキシャキ感を残して皿に取り出す。
あらためてフライパンに、
- サラダ油 大さじ1~2
- ニンニクみじん切り 1かけ
- しょうがみじん切り 2センチ大くらい
- 豆板醤 大さじ1
- 八丁赤だしみそ 大さじ1
を入れて中火にかけ、みそはスプーンでつぶしながら、1~2分じっくり炒める。
- 2~3センチ大に切った厚揚 5センチ大くらいのを2個
- 食べやすい大きさに切った豚こま肉 100グラム
- 水気を絞って2センチ大くらいに切った干し椎茸 4枚
を加え、厚揚はひっくり返したりなどしながら、豚肉の色が変わるまで、中火のままさらに炒める。
- 椎茸のもどし汁 1カップ
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ2
- しょうゆ 大さじ1(味を見ながら)
- コショウ 2~3ふり
を加え、フタをして10分くらい、厚揚が煮汁から顔を出したら途中でひっくり返したりなどしながら、コトコトと弱火で煮る。
中火にして、
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ2
の水溶き片栗粉を、全部だと多いかもしれないから、様子を見ながら少しずつ入れてトロミをつけ、
- ゴマ油 小さじ1
- 酢 小さじ1
- 皿に取り出しておいたピーマンと玉ねぎ
を入れて、サッと混ぜて火を止める。
好みで粗挽きコショウを振ってもいいと思う。
これは、ウマイ、、
マーボーの味を吸った厚揚が、たまらない。
食感が、やわらかいのやらシャキシャキしたのやら、色々あるのもまた楽しい。
あとは、昼に食べるのを忘れて残してしまった、おとといのワカメスープ。
焼麩を入れた。
それに、白めし。
酒は、焼酎水わり。
きのうは風呂屋でビールを飲むところから始まったので、いつもよりさらに余計に飲み過ぎたのだ。
それで食事の中盤以降の記憶がないのだが、どうせ「ウマイ、ウマイ」と一人でわめいているだけなのだから、何も問題はないのである。
「脳がやられるよ。」
そうだよな。