毛玉がついたものを着ているのは、人間としてどうかと思うのだ。
特に僕のような50をすぎたバツイチのおっさんが、毛玉がついたセーターなどを着ていた日には、あまりにわびしさをかもし出してしまって一発アウトといっていい。
それでこれまで、僕はダイソーで買った100円の毛玉とり機を使っていた。
毛玉とり機の存在をはじめて知った日、僕は「こんな便利なものがあるのか」と、心の底から感動した。自分の人生は、毛玉とり機を知る以前と知る以後の、2つにわけられるとすら思った。
なにしろセーターにはつきものの、セーターと一体化した存在であると思い込んでいた毛玉が、いとも簡単にきれいにとれる。それにより、「毛玉のないセーターを着る人生」がスタートする。
毛玉とり機を知る以前には、考えられなかったことである。
ところが最近、毛玉とり機にかんして僕はある知見を得た。昔からの友人と酒を飲んだときのことである。
彼女も毛玉とり愛好家で、毛玉とりの素晴らしさについて語り合ったわけなのだが、その際彼女は、自分の毛玉とり機を「毛玉とるとる」と呼んでいた。
「毛玉……とるとる……?」
はじめはそれは、彼女が勝手に自分の毛玉とり機につけた名前なのだろうと解釈した。しかしあまりに何度もそれを連発するのを見て、どうやらそれは商品名であるらしいことがわかってきた。
そこで家に帰ってアマゾンを検索してみたところ、「毛玉とるとる」は存在した。
1,326円の、僕が持っている毛玉とり機の10倍以上の値段がする毛玉とり機なのである。
ちょうどそのころ、僕は毛玉とりにかんしてある壁にぶち当たっていた。
パジャマとして使用しているスエットについた毛玉がとれないのだ。
紺色のスエットになぜ白っぽい毛玉がついているのかといえば、僕はフカフカとした毛足の長い冬用のシーツで寝ていて、その毛がスエットの毛玉にからみつくからなのだ。
シーツの毛はフワフワとしているから、毛玉とり機のカッターをすり抜けてしまうらしい。
僕はこのスエットの毛玉をとるのを、半ばあきらめかけていた。僕の毛玉とり人生で、はじめての敗北だ。
しかし世界には、僕の持っている毛玉とり機の10倍の値段がする毛玉とり機・毛玉とるとるがあるのである。
10倍の値段がするのだから、当然、性能もいいだろう。
「それならこのスエットのしつこい毛玉も、毛玉とるとるならばとれるのでは……」
そう思うと、もういてもたってもいられなかった。すぐにアマゾンから注文し、3日後にそれは届いた。
到着した毛玉とるとる。
震える手で箱からとり出し、乾電池を装着する。
早速スエットの毛玉をとってみる。
とれた……。
ものの5分もかからなかった。
足元のほうの毛玉も……、
とれた……。
これはスゴイ。
そうなるともう、楽しくて仕方ない。
ジャンパーの裾の部分とか……。
トレーナーの襟のとことか……。
目下、服という服の毛玉をとりまくっているのである。
毛玉とるとるの特徴は?
特徴1 強力
というわけで、この毛玉とるとる。
まず第1の特徴は、やはり「強力」なことなのだ。
カッターの切れ味が、100円のものとは雲泥の差があるうえに、52mmの大口径。
100円の毛玉とり機の2倍近くあるために、毛玉とりに要する時間も短い。
特徴2 ふわふわな風合いはきちんと残す
毛玉とり機は、電気シェーバーと仕組みはおなじ。電気シェーバーがへたをすると肌がカミソリ負けするように、毛玉とり機も衣類の生地をいためかねない。
そこで毛玉とるとるには、「ふわふわガード」がついている。
これにより、生地のフワフワとした風合いはきちんと残し、毛玉だけとれるようになっている。
さらにスイッチが、「normal」と「care」の2種類ある。
生地の風合いを残したい場合は「care」を選ぶことができるなどし、生地をいためないよう徹底的に配慮されている。
特徴3 着たままでも毛玉がとれる
毛玉とりは本来、平らなところに服を広げておこなうのが正しいやり方。一般に毛玉とり機は、「着たままで使ってはいけない」となっているようだ。着たままだと、たぶん生地をいためやすいのだと思われる。
でも時間がないときなどには、やはり服を着てから毛玉がとれると便利であることはたしか。
毛玉とるとるは、生地をいためないように設計されているために、服を着たままでも毛玉がとれる。
毛玉を、より手軽にとれるようになっている。
毛玉とるとるの製品ラインナップは?
毛玉とるとるの製品ラインナップは、大きく分けて5種類ある。
1 毛玉とるとるブラウン
62mmの超大口径で、クッションやソファー・カーペットにも使えるタイプ。アマゾンで2,941円。
2 毛玉とるとるベージュ
ハイスピードモーター搭載タイプ。アマゾンで2,900円。
3 毛玉とるとるバイオレット
交流電源で充電して使えるタイプ。アマゾンで2,247円。
4 毛玉とるとるオレンジ・グリーン・ピンク
乾電池式のタイプ。乾電池式がけっきょく便利なのではないかと思い、価格も手頃だし、僕はこれにした。単3乾電池2本で120分毛玉がとれる。アマゾンで1,326円。
5 毛玉とるとるピンク・イエロー
口径42mmのミニタイプ。携帯用。アマゾンで700円。
毛玉とるとるの使い方は?
毛玉とるとるは、平らなところにおいて毛玉をとる場合と、着たまま毛玉をとる場合とでやり方が異なるので、注意が必要。
平らなところで毛玉をとる場合
- 毛玉をとりたいセーターなどを平らなところにおいてシワをのばす
- ふわふわガードの高さを調整するか、または外す
毛足が長い生地(極太の毛糸のセーター)…ふわふわガード高
毛足が中くらいの生地(並太の毛糸のセーター)…ふわふわガード中
毛足が短い生地 …ふわふわガード低
ジャージ・トレーナーなど ……ふわふわガードはつけない - スイッチを normal または care に入れて毛玉をとる
normal …通常の毛玉とり
care …おしゃれ着など繊細な衣類の毛玉を風合いを残してとる場合
着たまま毛玉をとる場合
- セーターなどの毛玉をとりたい部分のシワをのばす
- 上と同様、ふわふわガードの高さを決める。着たまま毛玉をとる場合には、ふわふわガードは必ずつける
- スイッチを care に入れて毛玉をとる(normal は使わない)
毛玉とるとるのお手入れ方法は?
毛玉とるとるでとった毛玉は、ダストボックスに入るようになっている。
ダストボックスは簡単にとり外しができるから、毛玉もすぐ捨てられる。
また小さなブラシもついている。
カッターの掃除などは、このブラシを使ってやるようになっている。
毛玉とるとるのアマゾンでの評価
毛玉とるとるはアマゾンで、5つ星のうち4.5星とたいへんな高評価。
レビューも、毛玉とるとるを購入し、毛玉とりにハマっている様子がうかがえて微笑ましい。
まとめ
毛玉をとるなら、やはり毛玉とるとるなのだ。
これを買うと、上のレビューにもある通り、毛玉とりにハマるのは絶対にまちがいない。
毛玉とりは、ちょっとアイロン掛けにも似たところがある。
毛玉とるとるの形も取っ手がついていたりして、ちょっとアイロンと似ているし、平らなところに服を広げて行うところもやはり同じだ。
でもアイロン掛けと決定的にちがうのは、毛玉とりには失うものがないのである。
アイロンは、やはりシワにならないように掛けるには、それなりの技術がいる。アイロンでシワを作ってしまうと、苦い後悔の気持ちがのこる。
それにたいして毛玉とりには、「失敗」は存在しない。
はじめにきちんと、生地をいためない設定をしておけば、あとは毛玉とるとるを服の上ですべらせていくだけ。
それでブツブツの、うざったい毛玉がきれいにとれてしまうのだから、毛玉とりには気持ちよさしか残らないわけである。
ただし毛玉とりも、ハマりすぎてしまうのは考えものだ。
気づいたら、酒を飲みながら毛玉をとっていたりするので、気をつけよう。
あと毛玉とるとるの製品パッケージには、乾電池は入っていない。
アマゾンから到着してすぐ毛玉とるとるを使いたければ、単3乾電池2個を別途購入しておくことが必要だ。