豚肉と白菜・干しシイタケの138回はため息がでる塩ラーメン

反和食レシピ

顆粒などのスープを使うと、おいしくできても料理は面白くならないです。ここで例えば干しシイタケのだしを使ってひと手間かけると、ラーメン作りがワクワクします。

 

一人暮らしの自炊は顆粒だしに頼らないのがおすすめ

一人暮らしが自炊を継続するために何よりも必要なのは、モチベーションを保つことです。料理のキモである「だし」を自分で工夫することで、料理をより理解しやすくなり、料理をするのが楽しくなります。

自炊のモチベーションを保つには「おいしさ」より「面白さ」が大切

一人暮らしで自炊をするのは、継続するのが難しいです。自分のほかに誰も食べる人がいませんので張り合いがないですし、料理を作らなければ作らないで、誰に迷惑をかけることもありません。

それでも料理を続けるためには、強いモチベーションがないといけません。筆者はそれは「面白さ」だと思っています。

家族のために料理をする人であれば、腹を空かせている人を待たせないため「手軽さ」は大切ですし、他人にものを食べさせる以上「おいしさ」も必要です。

ですが自分だけのための料理を作り続けるには、手軽さやおいしさは「大事ではない」とは言いませんが二の次にし、まずは料理を「趣味」ととらえ、自分自身が面白さを感じるようにすることが第一だと思います。

料理は人類が発生したと同時に存在したにちがいありませんので、数十万年の歴史があり、広くて深い膨大な内容をふくんでいます。その超巨大文化の一端に触れ、理解することの喜びは大きいです。

料理のキモを理解するにはだしを自分で取るのがコツ

それではその料理を理解し面白さを感じるために何をすればいいかといえば、筆者は「顆粒だしを使わないこと」であると考えます。

これは筆者自身もだしを自分で取ってみて「料理に開眼した」と感じた経験がありますし、知りあいの男性で料理を趣味としている人のなかにも「だし取りが料理にハマるきっかけになった」という人が何人もいます。

さらには筆者は男性の友人に「だしを自分で取ってみたら?」と勧めたら、彼も見事に料理にハマりましたので、これは「ほぼ間違いない」と考えます。

料理の歴史をひも解けば、1万5,000年ほど前に「鍋」が発明されてから、料理は巨大な変革を遂げたと考えられます。

それまでナマで食べたり焼いたり発酵させたりするだけだったのが、「煮る」ことができるようになりました。肉や魚、さまざまな野菜を煮ることによって得られるおいしいだしは、人々がそれまで見たこともないものでした。

現代の主流の料理はこの鍋をつかった料理であり、この料理においては「料理をすること」と「だしを取ること」は元々はイコールです。だしと具材が分離してそれぞれを独立に扱うようになったのは、だいぶ後世になってからではないでしょうか。

顆粒のだしを使ってだし取りを自分の手から離してしまえば、この料理の本質が見えなくなります。

本質こそが面白さの源泉なので、一人暮らしの自炊の場合は、多少の手間がかかっても、だしは自分で取ることがおすすめです。

干しシイタケのだしをラーメンに使うとこれまたイケる

さて今回筆者は、これまで毎回自炊するたびに使っていたアサリにさすがに飽きて、アサリ抜きで塩ラーメンを作ろうと思いました。

ラーメンを普通に作る場合、鶏ガラのだしを使います。ですがさすがに何十分もかけて鶏がらだしを取るのは面倒です。そうなると「顆粒の鶏がらスープを使おうか」と考えてしまうことも事実です。

ですがここで登場するのが、干しシイタケ。

干しシイタケは水で煮出せば、5分もすればおいしいだしが取れます。さらにそれをそのまま具材として使用してもおいしいです。

これを豚肉・白菜・隠し味のナンプラーと合わせて使用するのは、ラーメンのだしとしてもとてもとてもおいしいです。

この干しシイタケのだし、化学調味料が無添加の良質な顆粒鶏がらスープとくらべて「よりおいしい」とは言いません。

ですが工夫がある分、顆粒スープを使うより料理はまちがいなく「面白い」です。

レシピ

干しシイタケは水で一度煮立ててそのまま少し置くとだしが取れます。具材はよいだしが出て「マスト」といえる豚肉と白菜のほかに、今回は生のトマトも入れてあります。

干しシイタケのだしを取るには煮立てるのがいちばん簡単

干しシイタケはすでにスライスされているものを買うのが簡単です。商品の袋にはもどし方として「1時間水にひたす」などとあったりしますが、いちばん簡単にやろうとするなら煮出してしまうのがおすすめです。

煮出してしまえば、水で戻すより干しシイタケのうまみが減るのだとは思います。ですが普段食べるラーメンなどに使うなら、これでまったく問題なく十分です。

トマトのさわやかな酸味が塩ラーメンにまたよく合う

塩ラーメンに使う具材は、干しシイタケのほかにはまずは豚肉と白菜および玉ねぎ(または長ねぎ)がマストです。これらはいいだしの具材になるからです。

そのほかには今回、歯ごたえ担当として水煮たけのこ、それから風味担当としてシメジを使いました。ただしシメジは冷蔵庫に入っていたので使っただけで、シイタケが入っているので省略してもかまわないです。

あとは生のトマトを最後に加えてさっと煮ると、さわやかな酸味と赤い色味がついてとてもいいです。緑色がほしい場合はニラなどを入れてもいいです。

作り方

干しシイタケのだし取りは最初に火にかけておけば、いざ使うころにはキッチリだしが取れています。火加減は炒めるときでも中火以下の弱めの火でゆっくりやり、野菜を切るのが間に合わなければ何度でも火を止めるのが料理を楽しくやるコツです。

STEP1 干しシイタケのだしを取る

鍋に、

  • スライス干しシイタケ 1つまみ
  • 水 600cc

を入れ、フタをして中火にかける。煮立ったら火を止めてそのまま置いておく。

STEP2 肉と野菜を炒める

フライパンに、

  • オリーブオイル 大さじ1
  • にんにく 1かけ(みじん切り)
  • 豚コマ肉 100グラムくらい(食べやすい大きさに切って軽く塩コショウしておく)

を入れて中火にかけ、じっくり炒めてうまみをひき出す。豚肉は脂身が多いのを選び、ちょっと焦げ目がつく程度まで炒めるのがおすすめです。

つづいて、

  • 白菜の茎 2~3枚分(包丁をヨコに寝かせて食べやすい大きさにそぎ切りする)
  • 水煮たけのこ 少々(食べやすい大きさ)
  • 玉ねぎ 4分の1個(うす切り)

を入れて2~3分炒めて油をなじませ、

  • 酒 大さじ2
  • 塩 小さじ2分の1
  • ナンプラー 小さじ2

を加えてさらに1~2分炒め煮して味をふくませる。

STEP3 干しシイタケのだしで煮る

火を止めて置いておいた干しシイタケのだしを加え、フライパンのフタをして、くつくつ煮立つ程度の弱めの火加減で5分くらい煮る。

味をみて塩加減し、中華麺のゆで時間が「5分」なら、

  • ナマまたは煮込み用の中華麺 1人前
  • 白菜の葉 2~3枚分(ざく切り)

をまず入れて1~2分煮たあとで、

  • シメジ 3分の1パックなど(石づきを切り落としてほぐす)
  • 生のトマト 2分の1個(くし切り)

を入れてさらに2~3分、ふつふつと煮立つ火加減を保ちながら煮る。

 

粗挽きコショウをかけて食べます。

干しシイタケのだしはしみじみとおいしくて、マジで138回くらいはため息がでます。

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