きのうは、桜鯛のあら炊き。
これはほんとに、しみじみうまい。
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鯛は、年中おいしく食べられる魚だけれど、「桜鯛」とも呼ばれる通り、いまが旬となっている。日本は旬の魚や野菜がいろいろあるから、それを順に、ただ定番の食べ方をしていくだけで、年中違うものが食べられることになって、メニューを考える手間が省ける。
鯛はやはり、小さくても尾頭つきか、またはあらを買うのが、お造りにするのでなければ100倍いい。豪華に見えるし、骨の部分は脂ものっていておいしく、しかも安い。
小鯛なら、1尾400円くらい、それからあらも、きのうは280円。
どちらも、一人には多すぎるくらいの量である。
尾頭つきの小鯛なら、塩焼きにするのが一番見栄えがいいけれど、あらなら、やはりあら炊きが定番だ。
鯛は最高においしいだしが出るから、魚の煮付の中でもこの鯛あら炊きは、煮汁が死ぬほどおいしくなる。
炊き合わせるのは、ゴボウが定番。煮汁がしみたゴボウがおいしくなるだけでなく、ゴボウの香味が鯛に合い、風味がよくなる。
里芋や、そうめんなどを合わせるのもいい。
いずれにせよ、鯛の煮汁は決して捨てず、余さず活用するのがおすすめなのだ。
あら炊きは、つくるのは何も難しくないのだが、鯛の場合は若干の臭みとウロコがあるから、これを初めにとり除いておくことが肝心だ。
煮立ててすこし冷ましたお湯にサッと浸してすぐに湯を捨て、水でていねいに洗う。
とり去るのは、臭みの元になる血の塊とヌメリ、それにウロコなのだが、ウロコは一枚でも残っていると、非常に残念な気持ちになる。
といって強くこすり過ぎると皮が剥がれてしまうから、やさしく手で探りながら、一枚一枚取っていく。
鍋に5センチくらいのだし昆布を敷き、太めのささがきにして5分ほど水にさらしたゴボウ、その上に洗った鯛を、できるだけ平らになるように並べ、
- 水 1.5カップ
- 酒 大さじ3
- みりん 大さじ3
- 砂糖 大さじ3
を入れて、強火にかける。
煮立ってきたら、すこし火を弱め、出てくるアクを取りながら2~3分煮る。
醤油・大さじ3を入れ、落としブタをして、さらに10分煮る。
火加減は、強めの中火。落としブタの下まで煮汁がきちんと上がってくる火加減を保つようにする。
煮時間10分の間に、煮汁をどのくらいまで煮詰めるかが、煮付の味を大きく変えることになる。よく煮詰めればコッテリとし、ご飯によく合う味になるし、酒には、汁をやや多めに残し、シャバッとさせた方が合う。
鍋の大きさによっても煮詰まる水の量はちがうから、煮詰め加減は何度かやってみて、自分の好みを見つけるということになる。
10分たったら味を見て、塩気が足りない場合は醤油をたす。
火を止めたらフタをして、30分でも置いておけば、そのあいだに味がしみる。
皿に盛り、煮汁を上からかけ回す。
鯛は、まずは目玉のまわりのコラーゲンのドゥルドゥルが、「一番うまい」とされている。
それからゴボウ。
味は、しっかりしみている。
鯛あらは、箸でとれる身を食べたらあとは、骨ごと口に入れてしゃぶり尽くし、骨だけを口から出す。
一人の部屋で、チマチマと鯛をしゃぶり、酒を飲むときに流れる時間が、また、しみじみとしていいのである。
あとは、もやしの酢の物。
もやしは買ったら、全部その日に、塩を振った水でゆでてしまうと日持ちがよくなる。
水に取ってよくしぼり、わかめと竹輪、ちりめんじゃこと合わせて、
- 砂糖 大さじ1
- 酢 大さじ3
- 塩 少々
で和える。
それにとろろ昆布のぬく奴と、
すぐき。
シメは、豆ごはん。
さやから出したウスイエンドウを、研いだ米と一緒に普通どおりの水に浸し、塩一つまみを振って、普通に炊く。
酒は、冷や酒。
きのうは早く寝ようと思っていたのに、やはりまた、飲み過ぎた。
「しまりがない生活だね。」
ほんとだな。
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