中国に「中華丼」があるかといえば、たぶんない。たぶん「中華料理」だってないわけで、ただ色んなどんぶりや料理があるだけだ。日本のどこかの中華料理屋が豚肉と適当な野菜をしょうゆ味で炒め煮し、カタクリで閉じてごはんにかけたものを「中華丼」と呼んだのだ。
だから中華丼はほぼ「何でもアリ」であるわけで、残りもの処理には最適だ。
そこで今朝は、豚肉とネギと、油あげとシメジが冷蔵庫に残っていたので、これで中華丼を作ることにした。
でもこれはもちろん、豚肉とネギと油あげとシメジが具でなければいけない必然性はないわけで、ネギのかわりに小松菜などでももちろんいいし、白菜やニンジンや玉ねぎやキャベツや、余っているものを適当に入れればいいのだ。
ただしポイントは味つけで、これは僕がこのところしばらく、ほぼおなじ味つけのものを食べながら、まったく飽きないというやつなのだ。
基本は「酒とみりん・薄口しょうゆ」で、量は関西風うどんだしとおなじ割合。ここにニンニク・豆板醤・オイスターソース・ゴマ油・酢と粗挽きコショウを加えて中華風に仕立てるもので、ひとことで言えば「中華風・関西風うどんだし」だ。
これがマジでうまくて、今朝も残りもの処理でありながら、196回は死んだ。
だいたい和風のしょうゆ味は毎日食べても、まず飽きない。この味つけをこれだけ食べても飽きないのは、おなじ話なのである。
ちなみにこの味つけで、豆板醤は小さじ1なのだが、これを大さじ1にすれば、マーボーになる。カットトマトを加えればトマトソースにもなるし、応用が利きやすいのもこの味つけの特徴だ。
作るのは、あまり難しいこともない。火加減を強くしすぎないことが、一つのコツだ。
作り方
フライパンに、
- サラダ油 大さじ1
- ニンニク 1かけ(みじん切り)
- 豆板醤 小さじ1
を入れて弱めの中火くらいにかけ、1~2分炒めて味をひき出す。次に、
- 豚バラうす切り肉 100グラムとか(食べやすい大きさに切る)
を入れ、色が変わるまでじっくり炒める。
- ネギ 2分の1本(斜め切り)
- シメジ 2分の1袋(石づきを切ってバラす)
- 油あげ 2分の1枚(1センチ幅くらいに切る)
を加え、1~2分炒めて油をなじませ、
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ1
- 薄口しょうゆ 大さじ1
を入れて1分くらい炒めて味をふくませる。
- 水 1カップ
を入れて火を強め、煮立ったら弱火にして2~3分コトコト煮る。
弱火のまま、
- 片栗粉 大さじ1+2分の1
- 水 同量
の水溶き片栗粉を、混ぜながら少しずつ加えてトロミをつける。
- ゴマ油 小さじ1
- 酢 小さじ1
を加えてひと混ぜし、ごはんを添えた皿に盛る。
粗挽きコショウをかけて食べる。
これマジで死ねますから。
しかし今朝も、この豚肉とネギの中華丼は酒にも合うにもかかわらず、「朝だから」というだけの理由で酒を飲まなかったのだ。
夜飲んだから朝は飲まなくてもいいという理屈はないわけで、こんな手抜きをしていたら、僕はそのうち訴えられるのではないかと思う。
「られないよ」
そうだよな。