きのうは高野豆腐と鶏肉のたまごとじ。これはホッコリとやさしい味でありながら、栄養も満点なのだ。
栄養についてとやかく言うのはあまりよくない。人間は、栄養でものを食べるのではない。食べたいものを食べるのだ。
「食べたい」と思うのは、「体が必要としている」ということだろう。体は、自分が必要とする栄養を知っていて、もし何かが足りなければ、それを多くふくむ食べ物を食べたくなるにちがいない。
だから食べたいものさえ食べていれば、栄養は自動的に満たされるはずなのだ。
とはいいつつ、やはりこの年になると、栄養は多少は気になる。40歳を過ぎると、栄養が足りないと、たちまち体にガタがくるようになるからだ。
そこで高野豆腐の栄養を調べてみると、これがかなりスゴイらしい。
要は高野豆腐は、豆腐を凍らせて乾燥させたものだから、豆腐の栄養が凝縮されているようだ。
豆腐に豊富にふくまれるタンパク質が、高野豆腐にはさらに豊富に含まれているそうだ。100グラムの高野豆腐に、タンパク質はその半分、50グラムも含まれるとのことなので、これは思わず笑えるほどだ。
また凍らせるプロセスで、タンパク質が変性し、コレステロールを抑制したり、消化がよくなったりする効果も持つようになるらしい。含まれる脂質は不飽和脂肪酸とのこと、これも中性脂肪やコレステロールを抑制し、生活習慣病の予防になるとのこと。
さらに高野豆腐には、老化を予防するビタミンE、骨粗しょう症を予防するイソフラボン、貧血をふせぐ鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、食物繊維なども豊富に含む、「栄養の宝庫」なのだとか。
白くて干からびていて、見た目にインパクトがないからといって、バカにしてはいけないのだ。
というわけで、きのうはこの高野豆腐が食べたくなった。ツイッターでいつも料理写真を投稿する知り合いの女性が、高野豆腐のたまごとじをメニューにすることが多く、前から食べたいと思っていたのだ。
鶏肉を合わせることにしたから、これは「高野豆腐入りの親子煮」とも呼べる。
しかし煮汁をたっぷりと吸った高野豆腐が加わることで、親子にとは一段ちがったおいしさになるわけだ。
高野豆腐は、大きめのと小さめのがある。
大きめの場合には、一旦水に浸してもどし、それから食べやすい大きさに切らないといけないが、小さいやつならそのまま煮込んでしまえるので、使いやすい。
高野豆腐は、煮るとおどろくほど汁を吸う。
なので袋を見て、水を高野豆腐の量に見合うように入れ、汁が足りなくならないように注意する必要がある。
きのう入れることにした高野豆腐に必要な煮汁は2カップほど。そこで煮詰まる分を見込んで、水2+2分の1カップと、頭とわたを取った煮干し1つまみを入れ、中火にかける。
煮立ったら弱火にして軽く煮立つようにし、アクを取りながら10分ほど煮出してだしを取る。
できた2カップのだしに、
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 淡口醤油 大さじ2
で味つけする。
- 高野豆腐 煮汁の量にあった分量
- 食べやすい大きさに切った鶏肉(きのうはモモ) 1枚
- くし切りにした玉ねぎ 2分の1個
を入れ、落としブタをして、弱火で軽く煮立つようにしながら15分煮る。
溶き卵・3個分をまわし入れ、1分ほど火にかけて、煮立ち始めたところで火を止めて、フタをしてしばらく蒸らす。
青ねぎと、好みで一味をかけて食べる。
高野豆腐は、やさしい味。それに卵が輪をかけて、これはほんとにホッコリする。
高野豆腐が淡い味だったので、あとのおかずは味が濃いもの。
残り野菜の赤出しみそ汁。
煮干しだしに酒・少々と赤出しみそで味をつけ、ニラやもやし、白菜、しめじなどの残り野菜と、きのうはウインナー、ちくわ、厚揚げを入れた。
お取り寄せした鶴橋のチャンジャ、
それに、キムチ。
酒は、冷や酒。
シメは、白めし。
干からびた高野豆腐も、「栄養がある」と聞けば食べたくなるところもある。
やはり年を取ってくると、栄養は大事なのだ。
「タバコと酒をやめないと意味ないよ。」
そうだよな。
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