きのうは中華風・鶏つみれの水炊き。ニンニクとしょうがを入れた水で煮て、ぽん酢にラー油、ゴマで食べるという企画。これがひとことで言えば「水餃子」の味で、ウマすぎて、まじで死ぬ。
最近、ニンニクが入っていないものを食べるのがコワイのだ。
ここ数年、家ではニンニクを使っていなかった。ニンニク味の料理が一つあると、他の和風の小鉢が、まったく味がしなくなるからだ。
ところが9月に風邪をひいた。そこで「スタミナがつくものを」と思い、レバニラ炒めをつくろうと決めたとき、どうしてもニンニクが入れたくなった。たぶん衰弱したおれの体が、ニンニクを求めたのだろうと思う。
何しろニンニクが体を温める力は、ハンパない。一つ入れれば風呂いらず、翌日まで体がポカポカしている。
それで体調がすぐれないうちは、ずっとニンニクを使っていたのが、体調が回復しても、それをやめられない。
寒くなってきたきたからだ。
去年の冬、これがまた異常な寒さで、毎日鍋を食べないと耐えられなかった。「鍋と熱燗」といえば、体を温めるためには、日本でもっとも効果がある料理だろう。
ところがおれが見るところ、鍋と熱燗より、ニンニクのほうが、体を温める効果が高い。
鍋は熱々を食べるから、体を一時的には温めるけれど、胃に入って熱が冷めれば、普通の食べ物と変わりがない。
また熱燗は、アルコールの作用で体がポカポカするものの、数時間たって酒が抜ければ、元にもどる。
ところがニンニクは、前の晩に食べたものが、少なくとも翌日の午後くらいまでは、体を温める効果が持続する。これはニンニクに含まれる成分が、脂肪や糖質の代謝を高め、エネルギーをつくり出すのを促進する作用があるかららしい。
代謝は、体内で時間をかけて行われるわけだから、ただ体を一時的に熱やアルコールで温めるより、効果が長持ちするのだろう。
年を取ると、とにかく体が冷えやすくなって困るのだ。特に冬場は、どうしたら体を温められるかが最重要課題となる。
なので、体を温める効果が最強なニンニクを、手放すことができなくなてしまったのである。
まったく、年は取りたくないものだ。
さてきのうも、もちろんニンニク入り。中華風・鶏つみれの水炊きにした。
水炊きにニンニクを入れ、ぽん酢にラー油、ゴマなどのタレで食べるのは、常夜鍋でやり始めた。これが異常にうまくて脳裏を離れず、こないだ鶏の水炊きでやってみたら、またうまかった。
これはほんとに、「ウマすぎて死ぬ」というレベルなのだ。
ウソだと思うなら、やってみたらいい。水炊きの鍋にニンニクとしょうがを放り込み、ぽん酢にはラー油やゴマを入れるだけで、手間はまったくかからない。
これが、ひとことで言えば「水餃子」の味になる。
水餃子がうまいのは、誰でも知っているだろう。その味の鍋だから、もう酒でもご飯でも、いくらでも進みまくってしまうのだ。
もうこの食べ方を知ってしまうと、普通の水炊きには戻れない。
ハマりやすいおれのこと、もうこれから死ぬまで、水炊きにはニンニクを入れるのだろうと思うと、それはそれで、ちょっと複雑な気もしなくもない。
肉は、べつに豚でも鶏でも、たぶん牛でも、なんでもいい。
きのうは鶏つみれにしたわけで、つみれはしっかり煮てもあまり硬くならないから、煮汁に具材の味を出したい鍋料理の場合には、王道の一つとなる。
野菜は、きのうは小松菜と、豆腐にシイタケ、白菜、玉ねぎ。
小松菜はアクが出るから、ざく切りにしたのを塩水でサッとゆで、水に取って絞っておく。
鍋は、弱めの火でやるのがおすすめだ。
コトコトと小さく沸く鍋のなかで、具材がだんだん煮えていくのを眺めるのは、なんとも心が癒やされる。
器に、
- 鶏ひき肉 200グラム
- 小口切りの青ねぎ 2~3つまみ
- ひねり潰した白ゴマ 2~3つまみくらい
- しょうがみじん切り 1かけ分
- 酒 小さじ1
- 塩 小さじ2分の1
- 淡口醤油 小さじ2分の1
- 溶き卵 2分の1個分
- 片栗粉 大さじ1
を入れ、粘り気が出てくるまでよくこねる。
鍋に、
- たたき潰したニンニク 1かけ
- たたき潰したしょうが 1かけ
- 酒 1カップくらい(たっぷり)
を入れて、火にかける。
煮立ってきたら、まず鶏つみれをスプーンで食べやすい大きさにまとめて入れ、5分くらい煮る。
次に煮えにくい、豆腐、シイタケ、白菜の茎の部分、それに玉ねぎを入れ、やわらかくなるまで煮る。
白菜の葉を入れてサッと煮て、最後に下ゆでした小松菜を入れ、温まったら器によそう。
器には、ぽん酢と青ねぎ、ラー油とひねり潰したゴマを入れておく。
これはほんとに、たまらない、、
さらに2回めは、ここにうどんを入れると瞬殺だ。
酒は、焼酎水わり。
この中華風・水炊きがまた、酒が死ぬほど進むのだ。
鍋だと、シメが最後になるから、それまでは、延々と飲み続けることになる。
おかげできのうも、激しく飲み過ぎてしまったのだが、これは仕方がないとしか言いようがない。
「仕事もしてよ。」
そうだよな。
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