お世話になっているバー「Kaju」の、浴衣祭に出かけてきた。
たまには浴衣を着るのもいいのである。
浴衣祭は「Kaju」が毎年催しているもので、常連さんで、浴衣などの和装で集まり、酒を飲もうという企画。ぼくは昨年、初めて参加した。
誘われて、「浴衣を持っていない」と言うと、
「ぜひ買ったらいいですよ」
とマスター。
「スーパーとかなら安いのが売っているし、日本人なのだから、年に一度くらい、和服を着るのは悪くない」
と、強く勧められたのである。
これは、普段でも和服を街で見かけることが珍しくない、京都の人だからこそ言うことだろうけれど、京都に限らず、どこに住んでいたとしても「その通りだ」と言えるだろう。
日本の歴史や伝統を、単に知識としてでなく、生活の中で経験し、味わうことが、日本人の誰にとっても悪いものであるわけがない。
それで近くの大型スーパーへ行ってみたら、浴衣と帯、下駄のセットは7000円ほどで売っていた。帯はマジックテープで留めるようになっていて、誰でもすぐに、着られるようになっている。
ちなみに浴衣は、レンタルショップで借りる手もある。きのう聞いたら、料金は2500円で、着せてもくれるのだそうだ。
浴衣の着方は、YouTubeに色々とアップされている。
この動画では腰紐が必要であることになっているが、べつになくても問題ない。
帯はマジックテープで留めればいいだけだったはずが、間違えてしつけ糸を切ってしまい、自分で結ばないといけないことになったのだが、去年、この動画を見ながらやったら、なんとか1時間くらいでちゃんと着られた。
今年はもう、10分ほどで着られたのだが、帯はもう少し下にした方がいいと、あとから仲間に教えてもらった。
男性の場合、下に猿股などを履けば正式なのだが、ぼくはパンツ一丁の上にそのまま着て、それで特に問題ない。
浴衣にハットをかぶるのは、わりとみんなやっていて、「おしゃれ」とされる。バッグは、本当なら巾着を持つのがおしゃれなのだが、べつに年1回のことだから、いつものデイパックを斜め掛けして行ったが、それは「問題ない」そうだ。
扇子を持つとおしゃれなのだが、それもべつに、なくてもいい。
和服を着ると、服を帯一本でまとめるのが、いかにも「日本人」らしくて気分がいい。
歩き方も、洋服を着ているときとは自ずと変わってくるわけで、年に一度くらい、こういう経験をすることは、つくづく「悪くない」と思う。
浴衣祭は、時間に少し遅れたので、すでにみんな集まっていた。
総勢30名以上の集まりだったが、いつもの顔も、浴衣姿だとまたちがって見える。
こちらの青年は、伊達メガネをかけ、昔の書生風。
「痩せていると和服は似合わない」と思う人もいるかもしれないが、日本人は、昔だって痩せている人もいたのだから、似合わないことなどあり得ない。
場所は祇園にある「海鮮市場とれぴち」で、ビルの最上階にあり、屋外のテラス席でバーベキューができるようになっている。
晴れていれば、そちらを利用する予定だったのが、あいにく雨が降ったから、室内での宴となった。
舟盛りが、名物の一つとなっているようだ。
その後は、海鮮バーベキュー。
ぼくは、いつにも増して、グイグイ飲んだ。
前は、酔うと説教する癖があったのだが、最近は、その心配はあまりなくなっている。
飲んだのは、ビールを2杯に、酎ハイグラスになみなみと入った焼酎水割り氷抜きを5~6杯。
もうこの店を出る時点で記憶が曖昧になっている。
店を出たら、何人かで連れ立って、クラフトビールの店「バンガロー」へ。
各地で手作りされるクラフトビールを出す店は、京都ではわりと人気で、新しい店も出来ている。
一杯飲み、大宮へ戻って、まだ開いていたたこ焼き「壺味」でさらに一杯。
ぼくはここで、周りに誰がいて、何を話したか、ほとんど記憶がない。
壺味を出て、帰ろうと思って歩いていたら、イタリアンバル「ピッコロ・ジャルディーノ」の屋外カウンターに仲間がいたから、当然のごとく引っかかる。
ワインを一杯と、奢ってもらった強い酒を一杯飲み、トドメを刺された形である。
1時頃には家に帰ったと思うのだが、起きたら12時。稀に見る爆睡だ。
酒はまだ、目一杯残っていて、2時間ほどはボウっとする。2時も過ぎたころになり、ようやく動き始められた。
しかも、肘のあたりにケガをして、浴衣が血で汚れている。知らないうちに、どこかで転んでしまったらしい。
ブログ更新を始めたのは、3時を過ぎてからなのだが、そういう時もあるだろう。
酒を飲めば酔っ払うのは、世の中の道理である。
「そのうち絶対大ケガするよ。」
そうだよな。
◎お店詳細
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