元カノのことが吹っ切れたら、豚ニラ炒めが食べたくなったのである。

2014/04/25

ぼくは脳の多大なる努力の結果、元カノへの想いを吹っ切ることができた。

豚ニラ炒め丼

そうしたら、豚ニラ炒めが食べたくなったのである。

 

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脳が人間の体内で様々な働きをしていることは、知識としては知っていたし、実際にぼくがこうやって動いたり、感じたり、考えたりできるのは脳のおかげだということは、わかってはいるつもりだった。

しかし今回、ぼくは元カノへの想いを吹っ切るまでの過程を通して、脳がいかに、頑張って主人の役に立つよう働いているのかを、改めて実感することとなったのである。

 

元カノと別れたのは、8月も末のことである。

8月に入り、それまで定期的にやりとりしていたメールが、パタリと来なくなった。

元カノは東京で、京都へ越してくるため、仕事の残務整理に励んでいたから、初めのうちは、「それが忙しいのだろう」というくらいに思っていた。

しかしそれが1週間経ち、2週間経つとなると、心配になってくる。

 

そのうちもしや、「連絡ができないほどの重病になったのではないか」とか、はたまた「急死したのではないか」などと考えるようになった。

実家の電話番号を調べ、親に連絡をとってみようかとも考えたが、さすがにそれは思いとどまった。

するとたまたま、お世話になっているバーへ行ったら、マスターから「元カノに京都で会った」と聞いた。

連絡がとれなくなり始めてからのことで、挨拶をして別れたのだそうだ。

 

ぼくは元カノが京都へ来ることは聞いていなかったし、何のことだか、初めは意味がわからなかった。

しかし連絡がとれなくなって3週間が過ぎた頃、ハタと悟ったのである。

「ぼくは彼女に切り捨てられたんだ・・・」

元カノは京都に借りていたマンションの荷物を片付けに来たにちがいない・・・。

 

ぼくが最後に元カノに送ったメールを思い返せば、元カノのプライドを傷つけるかもしれないことが書いてあったとも思える。

こちらとしては、激務で体調をくずした元カノを精一杯気遣ったつもりだったが、相手から見たら無神経だったのだろう。

それでぼくは元カノに、別れを告げるメールを送った。

さらに「もし話したいことがあれば連絡をするように」と期限をつけたメールを送り、期限になっても連絡がなかったから、別離はめでたく確定したという次第である。

 

ぼくの脳の奮闘は、その時から始まった。

幸せの絶頂から、絶望のどん底に、いきなり叩き落とされたわけだから、ぼくはそこから、何とか這い上がらなくてはいけない。

しばらくは後悔に苛まれる日々がつづいたが、そのうち脳は、ぼくに何やらささやきはじめた。

「元カノは後悔しているにちがいない・・・」

 

たしかに誰でも、一時の怒りでカッときても、あとになるとそれは収まり、代わりに楽しかった時の記憶がよみがえってくるものだ。

それにぼくは、無神経ではあったかもしれないが、悪気があったわけではないから、それを「いきなり連絡を絶つ」のはひどすぎだと、常識があれば思うだろう。

「元カノがぼくとの別れを後悔して苦しんでいる・・・」

そう思うと、ぼくは自分の苦しみが、少し癒やされるような気がした。

 

そのうち脳は、さらにぼくを癒やすための手を繰り出してきた。

元カノが泣きながら、

「傷つけてしまってごめんなさい・・・」

と詫びる声が、頭の中で聞こえるようになったのである。

この一言は、まさにぼくが元カノから聞きたかった言葉である。

それが叶わないならと、脳はわざわざリアルな幻聴を作り出してくれたわけで、ぼくは脳が、自分のためにここまでしてくれるのかと感動し、脳を可愛く、また愛おしく思う気持ちになった。

 

しかしそれから、困った事態が発生した。

ぼくが後悔する元カノを、可哀想に思うようになり、連絡をとりたくなってしまったのである。

「元カノが後悔している」ということは、あくまで脳が、ぼくを癒やすために作り出した幻想である。

それを現実ととらえ、連絡などしてしまっては、全てがぶち壊しになってしまう。

 

そこで脳が繰り出してきた最終手段が、次のようなものである。

「ぼくがじんましんになったのは、元カノによるストレスが原因だ・・・」

 

ぼくは去年の秋からじんましんになり、その原因がよくわかっていない。

去年の秋といえば、ちょうど体重が10キロ以上減った頃だから、それが原因かとも思ったけれど、医者は「痩せてじんましんになるとは聞かない」と言う。

しかし去年の秋は、元カノと付き合いだした時でもあった。

元カノとの付き合いは、初めのうちは楽しかったが、あとはつらいことが多かった。

また最近になり、ぼくはじんましんがさらに悪化したのだけれど、考えてみればそれはちょうど、元カノとの別れが決まり、あれこれと思い悩んでいる時期と重なる。

じんましんが、ストレスが原因で起こるのは、よく耳にする話である。

 

「体を悪くするくらいなら、元カノにはもう近づかない方がいい・・・」

ぼくは脳の助言を受け入れ、今後一切、元カノとは連絡をとらないことに決めた。

こうして脳が、あれこれ努力してくれたおかげで、ぼくはようやく、元カノへの想いを吹っ切ることができたのである。

 

それが昨日の話で、昨日ぼくは、目の前がパッと明るくひらけたような気持ちがした。

ワクワクし、体に力が湧いていた。

そして何か、力がつくものを食べたくなったのだが、思い付いたのが、言わずと知れた、豚肉とニラだったのだ。

それで昨日は、豚ニラ炒め丼を作ったのである。

 

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というわけで、豚ニラ炒め丼を作るのであるが、もちろんまずは、焼酎の水割りを飲みながら、どういう手順で何を作るか、ゆっくり考えるのである。

まずは酒を飲みながら何を作るか考える

この時間が、ぼくは料理の中で一番楽しい。

まずはピーマンのポン酢醤油を作ることにした。

ピーマンのポン酢醤油
 

ピーマンはマッチ棒くらいの太さでタテに切り、沸騰させて火を止めた熱湯に、ほんの一瞬浸してザルに上げる。

ピーマンのポン酢醤油の作り方

水気を拭きとり、削り節とポン酢醤油をかける。

湯通しは本当に「一瞬」にするのがポイントで、これでピーマンの苦味がまろやかになる。

 

次にご飯を炊きながら、他のものを用意する。

ご飯を炊く
 

自家製の梅干しとらっきょう。

自家製の梅干しとらっきょう
 

一味とポン酢醤油の冷奴。

一味とポン酢醤油の冷奴
 

とろろ昆布の吸い物は、お椀に削り節ととろろ昆布、青ねぎとゴマ、醤油を入れ、お湯を注げばいいだけにしておく。

とろろ昆布の吸い物

 
 

さらに豚ニラ炒めの材料を用意しておく。

豚ニラ炒め丼の作り方(1)

炒め物をする時は、材料をすべて用意し、次々と入れられるようにしておくことが鉄則だ。

ニラは、一把全部をざく切りにする。

これに昨日は、薄切りにした玉ねぎとバラしたしめじを加えることにした。

豚コマ肉200グラムは、一口大に切っておく。

合わせ調味料は、酒と醤油、オイスターソースが大さじ1、砂糖とおろしショウガ、酢が小さじ1、それに片栗粉小さじ1に水小さじ2の水溶き片栗粉も準備する。

 

ご飯が炊けたところで炒め始める。

豚ニラ炒め丼の作り方(2)

フライパンにゴマ油と輪切り唐辛子少々を入れ、強火にかける。

まず肉を炒め、色が変わったら合わせ調味料を入れる。

豚ニラ炒め丼の作り方(3)

ここで合わせ調味料を入れるのは、肉にしっかり味をつけるためである。

玉ねぎとしめじを投入。

豚ニラ炒め丼の作り方(4)
 

軽く炒め、ニラを加えてサッと炒める。

豚ニラ炒め丼の作り方(5)

ニラはくれぐれも、炒め過ぎないようにするのがポイントだ。

水溶き片栗粉を加え、全体を混ぜたら火を止める。

豚ニラ炒め丼の作り方(6)

炒め物は、ヘラではなく、菜箸を使うのがやりやすい。

これはウー・ウェン女史のやり方である。

 

ご飯の上に、ガッポリのせる。

豚ニラ炒め丼

見るからにスタミナがありそうである。

 

もうこれは、ガツガツ食べる。

豚ニラ炒め丼

失恋のつらさなど、これで吹き飛んでしまうということだ。

 

「元カノさん、後悔なんかしてないよ。」

チェブラーシカのチェブ夫

わかってるよ、そんなこと。

 

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