昼から喫茶店「PiPi」でビールに焼酎を7杯飲んだ。
凄腕マチコちゃんの術中に、完全にハマっているのである。
ブログの更新が昼に終わると、きのうにつづいて再びビールが飲みたくなった。
べつに毎日、「PiPi」で飲んでいるわけではないが、きのう大してたくさんでもない金が入った。そうすると、大船にでも乗っているかと錯覚するわけである。
しかもきょうは、アルバイトが大学を出たてのみどりちゃん。
こんな若い女子にお酌をしてもらえるというだけで、飲む価値があるだろう。
ランチをアテに飲みはじめる。
きょうはチキンカツに万願寺のチリソース、炒り豆腐、春雨サラダのラインナップ。
チリソースはマッシュルームとハムが入り、これも店主マチコちゃんのお手製だ。
すると何だか、きょうはビールが格別うまい。
体にスルスルと入っていく。
もちろん酒は、いつでもおいしく飲んでいる。まずい酒など飲む意味がないだろう。
しかし天候のせいなのか、体調のせいなのか、いつもにも増してうまいと感じられる時はある。
であるならば、もう一本くらい飲んでもバチが当たりはしないだろう。酒が「うまい」ということは、体がそれを「欲している」ということだ。
もちろんしないといけない仕事はあり、二日もつづけて飲んでいる場合ではないと思わなくもない。でも本当に「飲んではいけない」という時は、体もそれを欲したりはしないだろう。
「飲みたい」ということは、「飲んでもいい」ということであるのにちがいない。
それでビールを、もう一本おかわりする。
べつにビール二本くらいを飲んだところで、一時間ほど昼寝をすれば仕事に取りかかれるのである。
きょうのPiPiは、お客はそれほど多くなかった。飲食業とはそういうものなのだろう、日によっては入りきれないくらいの人が来るが、そうでない日もあるものだ。
二本目のビールを飲むうちに、お客さんは誰もいなくなってしまった。それでマチコちゃんは、早めの賄いにすることにしたようである。
厨房へ行って支度をはじめ、賄いの品を持ってそこから出てきた。
いつもなら、マチコちゃんは賄いをカウンターの奥のはしに座って食べる。でもきょうは、ぼくが手前のはしに座っているのに、離れて座るのも他人行儀だと思ったのだろう、ぼくの隣に、みどりちゃん、マチコちゃんと並んで座ることとなった。
いやはやこれは、「待ってました」と言わんばかりの得がたい設定ではないか。ギャルを二人も侍らせながら酒を飲むなど、そうあることではないだろう。
しかしぼくは、二本目のビールをもうほとんど飲み終わろうとしていたのである。
そうなれば、もう一本ビールをおかわりしないわけには行かないだろう。
三本目のビールをみどりちゃんに注いでもらうことと相成った。
ビールも三本目ともなると、ずいぶん上機嫌になってくる。みどりちゃん、マチコちゃんとの話もはずむ。
仕事しないといけないにはいけないけれど、このところしばらく、だいぶまじめに仕事をしていた。きょうくらい、多少羽目をはずしても悪いことはないだろう。
そう思いながら、三本目のビールを飲み終わろうとしていたところ・・・。
現れたのである。
池井くんが。
これは言うまでもないことだが、マチコちゃんの差金である。マチコちゃんは池井くんにメールで、
「高野さん絶好調だよ」
と送ったそうだ。
すると「仕方がないなあ」と駆け付けてくれるというのだから、いい仲間を持ったものだ。
そうなってしまえば、もう本当に、仕方がない。せっかく池井くんが来てくれたのに、飲まないわけにいくわけがない。
軽うじてかかっていた掛け金ははずれ、焼酎ロック。
さらにツマミも追加で出てきた。
それから結局、四杯飲んだ次第である。
というわけで、PiPiを出たのはもう夕方。帰って夕寝したらもう夜だから、仕事どころの話ではない。
凄腕マチコちゃんの術中に完全にハマっているわけだが、しかしあきらめるしかないだろう。
マチコちゃんには、いつもお世話になっている。
このくらいのこと、文句など言えた義理ではないのである。
「好きで飲んでるわけだしね。」
そうなんだよな。
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