2017年4月に名護にオープンした沖縄そば店『真打田仲そば』。
ラーメン店『一風堂』で修行後『ソラノイロ』を創業し、3年連続でミシュランに輝く麺職人、宮崎 千尋氏がプロデュースしたとして話題になっています。
筆者 高野は、このお店を2度にわたって訪問し、出されている2種類の味を両方とも食べてきました。
食べてみる価値があると思います。
この記事では、真打田仲そばの沖縄そば、および店舗や駐車場、子連れでも行けるのか、などについて詳しく紹介します。
沖縄に越してきてからも、北部を中心とした沖縄そばを一通り食べてきています。
したがって、麺料理についての評価はそれなりに的確だと自負しています。
この記事を読むことにより、真打田仲そばへ行くべきであるかどうか、判断できると思いますよ。
ミシュランの麺職人 宮崎 千尋氏がプロディース
真打田仲そばは、宮崎 千尋氏によりプロデュースされました。
まずは、宮崎氏がどのような人かを見てみましょう。
『一風堂』での修行後に『ソラノイロ』を創業
お店のパンフレットによれば、宮崎 千尋氏の経歴は次のようになっています。
<宮崎千尋>
一風堂で修行後、2011年にラーメン店「ソラノイロ japanese soup noodle free style」を東京に創業。
TV、雑誌のラーメンランキングで数々の1位を獲得し、2014年には東京ミシュランガイドビブグルマンに掲載。
現在まで3年連続ミシュランに輝く。
ソラノイロは、麹町の本店をふくめ、東京に5店舗、名古屋ミッドランドスクエアに1店舗の計6店舗を展開。
『ベジソバ』をはじめとする、さまざまな変わりラーメンを開発しています。
「(2018年)現在までに8年間で200種類以上の限定メニューを開発し、それを継続中」とのこと。
沖縄にも公私ともに関わりあり
宮崎氏は、沖縄へは、プライベートでもしばしば来ている模様。
実は、昨日から沖縄。10年半勤めて、初めて4日間も休みを取った。
働き過ぎ(笑)かなり、ゆっくり出来ている、時間が緩やか、穏やか、いい時間。 http://tweetphoto.com/41918277— ソラノイロ創業者 宮崎千尋 仲間募集中!! (@miyachihi) August 28, 2010
10年半ぶりの4日間の休みを沖縄で過ごすのだから、沖縄が好きなのでしょう。
2013年には沖縄・北谷で、米国人向けステーキラーメンとトマトベジソバのお店『Stripe Noodles』をプロデュースしています。
真打田仲そばのコンセプト
この宮崎千尋氏がプロデュースした真打田仲そば。
コンセプトは、お店のパンフレットによれば、次のものとなっています。
至高の一杯を、珠玉のうつわで。
「島豆腐と、おそば。真打田仲そば」は沖縄そばの伝統を守りながら、新しい沖縄そばを楽しんでいただきたい思いから開店しました。
麺とスープはミシュランの麺職人、宮崎千尋がプロデュースしています。
麺は小麦粉の味と触感が楽しめるように、寝かせて熟成させた生麺を使用。
スープはカツオ、豚、鳥からそれぞれ丁寧に出汁をとってあわせました。沖縄そばを引き立てる、やむちんのうつわは宮城陶芸に一品ずつ丹精こめて制作いただきました。
新しくも懐かしい、心地良い時間をお過ごし下さい。
器にもこだわり
真打田仲そばは、うつわにもこだわりが。
上でも触れている通り、宮城陶芸の、素朴ながら上品なやむちんの器を使用しています。
オシャレかつ爽やかでありながら子連れも来やすい店舗
さて、真打田仲そばは、上の画像の通り『東江入口』のバス停の前にあります。
店舗は、白塗りの壁と白いタイル、それに白木の板が使用されるオシャレかつ爽やかなしつらえ。
奥には、8人がかけられるカウンター席。
4人がけのテーブル席も2つあります。
そのほかに、4人がけのお膳4卓がおかれた小上がりの座敷席もあります。
子供連れの家族でも安心して来られます。
じっさいに、筆者が行ったときにも子連れのお客さんが来ていて、何の問題もなく食事をしていました。
真打田仲そばのメニュー
真打田仲そばでは、食券を購入して入店するようになっています。
真打田仲そばのメニュー構成を見てみます。
大きく分けて『元味』と『真味』の2種類
メニューは、大きく分けて『元味(もとあじ)』と『真味(しんあじ)』の2種類。
それぞれの味は、お店のパンフレットによれば以下のように表現されています。
- 元味
伝統的な沖縄そばの住んだスープからはカツオが香り、豚、鳥の上品なうま味が溶け込んでいます。 - 真味
同じ食材を使いながら、異なる出汁の取り方で白湯スープに仕上げました。ニンジンのナムルを添えて。
トッピングは3種類
元味も真味もそれぞれが、トッピングにより次の3種類があります。
- 田仲そば 特製のチャーシューがトッピング
- ソーキそば 特製のソーキがトッピング
- 厚揚げそば 厚揚げがトッピング
サイドメニューの『島豆めし』
さらにここには、サイドメニューとして『島豆めし(しまとうめし)』があります。
もう1つの名物、島豆めし。
さんぴん茶(ジャスミンティー)で炊いたご飯の上にじっくり煮込んだ島豆腐をのせました。
当店オリジナルメニューです。甘辛な島豆腐と、ジャスミンの爽やかな香りがマッチ。
残り半分は、そばのスープをかけて出汁茶漬けがおすすめ。
『豆めし』は、日本橋にあるおでん屋『お多幸本店』の名物料理なのだそうです。
おでんだしでじっくりと煮た豆腐を白ごはんの上にのせたもののよう。
島豆めしは、それをアレンジしたものだとのこと。
メニューの選択肢は?
島豆めしは、すべてのそばメニューとのセットにすることが可能です。
したがって、真打田仲そばで注文をする際の選択は、次のようになります。
- 元味にするか真味にするかを決める
- そばのトッピングをチャーシュー、ソーキ、厚揚げのなかから決める
- 島豆めしをセットにするかどうかを決める
そばと島豆めしのセットは、普通の男性なら満腹になるだけの量があります。
もし異常に食べる人ならば、オプションとして、
- 麺大盛り
- ソーキ追加
- まかないソーキめし
などを追加することもできます。
『真味 田仲そばと島豆めしセット』の味
それでは、『真味 田仲そばと島豆めしセット』の味を紹介したいと思います。
セットの内容は、上の写真の通り、
- 沖縄そば(チャーシューとニンジンのナムル、沖縄かまぼこがトッピング)
- 島豆めし
の2品となります。
白湯スープはきちんと沖縄そばの味
まずは真味のスープから。
元味が「伝統的な沖縄そばの澄んだスープ」とされているのに対し、真味は、沖縄にはない、このお店のオリジナルであることになります。
ネーミングに「新」ではなく「真」と当てているところにも、自信のほどがうかがえるところ。
このスープ、ひと言でいえば大変おいしいです。
白湯スープといえば、すぐに思い浮かぶのは、九州のとんこつラーメン。
プロデューサーである宮崎千尋氏が一風堂の出身であるところから、
「とんこつラーメンに似た沖縄そばなのか?」
と思いたくもなるところ。
しかし、この白湯スープ、完全に沖縄そばの味がします。
これは見事だと思いました。
ラーメンとは全く似ておらず、沖縄そばのスープを濃厚でクリーミーにしたもの。
しかも、とんこつラーメンにありがちな臭みは皆無です。
濃厚でなめらかな白湯豚骨スープから、カツオの香りがプンと立ちます。
これはある種、沖縄そばに対する冒涜であり、沖縄そばに対するリスペクトはみじんも感じられません。
しかし、このお店は違います。
あくまでも沖縄そばを踏まえたうえで、それを発展させている。
物事に取り組むスタンスとして、素晴らしいと思いました。
その場でゆでる生麺はかぎりなくツルシコ
次に、麺。
沖縄そば店では一般に、オペレーションをスムーズにするために、麺はあらかじめゆでたものをストックし、それを温め直して提供します。
それに対して、このお店では、オーダーがあってから生麺をゆでるオペレーション。
どれほど違うのかと思いますよね?
これが、全く違います。
麺は、かぎりなくツルシコです。
しかも、ラーメンでもうどんでもなく、こちらも、まちがいなく沖縄そばの味がします。
麺のタイプは、やや細めの平麺。
これがスルスルと喉を通っていくのは、「快感」であるといえるくらい。
生麺をその場でゆでるため、
「生麺を使用しており、茹で上がりまで15分ほどかかります。ご了承下さい」
と注意書きが貼られています。
「15分」は、おそらく混雑時の最大時間であるかと思います。
筆者は食事時を外して訪れたため、10分程度で提供されました。
しかし、たとえ15分かかったとしても、この麺なら待つ価値は十分あります。
プリプリに仕上げられた大判チャーシュー
『田仲そば』には、大判のチャーシューがトッピングされています。
一般にチャーシューは、「トロトロ」に仕上げられるか、固めの場合には「モソモソ」しているか、どちらかが多いのではないでしょうか?
しかし、このチャーシューは、プリプリ。
この、やや歯ごたえがあるプリプリチャーシューは、京都の老舗ラーメン店『新福菜館』や『第一旭』と同じタイプ。
筆者は、最高に好きなやつです。
濃厚クリーミーなスープや、ツルシコの麺ともよく合います。
試してはいませんが、元味のスッキリとしたスープにも合うはずだと思います。
島豆めしについては保留
島豆めしセットを頼むとついてくる島豆めし。
これについては、今回は保留とします。
決してまずいわけではないです。
でも、島豆腐につけられている味が弱くて、ごはんと一緒に食べても別にそれほどおいしくない。
また、沖縄そばとセットにすることの意義もよくわからない。
沖縄そばとセットにするなら、このようにサッパリとしたものではなく、豚肉が入ってこってりとしたジューシーの方が100倍合うと思うんですが・・・・・・。
ただし、これは、筆者が良さをわかっていないだけかもしれないです。
なので、あと何回かは、食べてみたいと思います。
『元味 ソーキそば』の味
次に、『元味 ソーキそば島豆めしセット』を紹介します。
元味ソーキそば島豆めしセットは、真味田仲そば島豆めしセットと異なるのはスープとトッピングのみ。
したがって、ここでは元味ソーキそばの「スープ」と「ソーキ」について紹介します。
臭みがみじんもないスープ
元味は、沖縄の一般のそば店と同様の、澄んだスープです。
味も、沖縄そばのスープらしい味がきちんとします。
特筆すべきは、みじんたりとも臭みがないこと。
沖縄の一般のそば店だと、豚の臭みが出ていることがときどきあります。
それも「ワイルドでいい」ともいえるところではありますが・・・・・・。
この元味スープは、非常にていねいに作られ、かぎりなく端正であることが特徴です。
トロトロのソーキ
使われているのは軟骨ソーキ。
軟骨までトロトロで、やや濃いめの味がつけられています。
ちょっと香ばしい風味がするので、もしかしたら少し炙ってあるのかも・・・・・・。
普通といえば普通ですが、おいしいです。
ただし、ソーキは小さめのが2個きり。
それで750円は、名護の相場と比較すれば高いです。
ソーキが2個なら、相場でいけば550円~650円がいいところではないでしょうか。
しかし、価格は、どれだけの価値を感じるかで決まるもの。
これだけ手をかけたスープと、ツルシコの麺が食べられると考えれば、必ずしも高くはないかもしれません。
『真味 田仲そば』がまずはおすすめ
このお店で、筆者は、
- 真味 田仲そばと島豆めしセット
- 元味 ソーキそばと島豆めしセット
の2種類を食べました。
これで、真味と元味のスープの両方、チャーシューとソーキの両方を試してみたことになります。
このうち、まず食べてみるものとして筆者がすすめるのは「真味 田仲そば」です。
真味 田仲そばは、このお店のイチオシ商品。
ほんとによくできていると思います。
元味ソーキそばも、もちろん、普通においしく食べられます。
このお店が気に入って、「また行ってみたい」と思ったら、今度はそちらを食べるのもいいでしょう。
真打田仲そばが向いている人
真打田仲そばの駐車場に停められた車を見ると、沖縄の車とレンタカーとが半々くらい。
沖縄在住の人と観光で来ている人との両方が来ているようです。
たしかに、このお店、沖縄在住か観光で来ているかによらず、楽しめると思います。
ただし、どんなお店でも、好みによって合う人と合わない人とがいます。
真打田仲そばは、次のような人に向いていると思います。
おいしい沖縄そばが食べたい人
真打田仲そばの沖縄そばは、上で見たとおり、ほんとにおいしいです。
おいしい沖縄そばが食べたい人にはおすすめです。
カップル
真打田仲そばは、店構えや器などがオシャレです。
カップルでのデートにも向いています。
子連れの家族
真打田仲そばには、座敷席もあります。
子連れの家族も問題なく入れます。
ラーメン店めぐりが好きな人
これは、特に本土の人に多いと思いますが、ラーメン店めぐりが好きな人。
著名な麺作り職人の手により、細心の配慮を払って開発された沖縄そばは、試してみる価値があります。
真打田仲そばが向いていない人
真打田仲そばが向いていない人は、以下のような人です。
伝統的な沖縄そばが食べてみたい人
真打田仲そばは、沖縄そばの伝統をリスペクトしてはいますが、東京の麺職人によってプロデュースされたものです。
名護にはほかに、『宮里そば』『八重そば』『新山そば 』をはじめとし、老舗の名店が多数あります。
もし、伝統的な沖縄そばが食べたい人は、そちらへ行った方がいいです。
⇒ 『宮里そば』についての記事を見る
⇒ 『八重そば』についての記事を見る
⇒ 『新山そば』についての記事を見る
ワイルドな食べ物が好きな人
真打田仲そばの沖縄そばは、プロの職人により緻密に設計された、繊細な味がする食べ物です。
ワイルドな食べ物が好きな人は、ちょっと肩が凝ってしまう可能性もあります。
ちょっとでも高いものはイヤだという人
真打田仲そばの価格は、名護の相場と比較すれば「やや高め」だといえます。
ちょっとでも高いものはイヤだという人は、向いていません。
真打田仲そばの駐車場
真打田仲そばには、10台ほどが入る駐車場があります。
ただし、お店の裏手にありますので、はじめての人は、どこから入ったら良いのか、ちょっと戸惑うかもしれません。
お店の前に、上の画像のとおり、駐車場への案内図があります。
もし不安なら、お店の前に車を停め、案内図を確認するのがいいでしょう。
駐車場への入り口は、真打田仲そばの隣りにある『志良堂商店』とその先の公園のあいだの道です。
ここから入る道は狭いため、前から車が来ていると、どちらかがバックして避けなければならなくなることもあり得ます。
また、駐車場自体も狭めなので、もしバックで入れられなければ、無理せず前から入れてしまう方がいいです。
駐車場からは、お店の裏口から店内に直接入れるようになっています。
真打田仲そば 店舗情報
- 住所 沖縄県名護市東江3-20-28
- 電話 090-1179-0826
- 営業時間 11:00~17:00(スープがなくなり次第終了)
- 定休日 火曜日、第1・3水曜日