名護市にある沖縄そば店『二見(ふたみ)そば』は、比較的若い夫婦の経営。
名護の伝統をしっかりと踏まえながらも、新感覚のおいしさをこだわりをもって追求しています。
『新山そば』や『八重そば』などの伝統的な沖縄そば店、および『宮里そば』に代表される、伝統から解放された新しい味の両方を体験したら、次はここに来るのがおすすめです。
場所は、名護市中心街からちょっと離れた、辺野古や大浦湾にほど近いあたり。
二見そばの沖縄そばを食べてみると、沖縄そばの奥深さに触れることができますYO!
二見そばは伝統を踏まえながら新感覚のおいしさを追求する店
二見そばは、名護の沖縄そばの伝統をしっかりと踏まえながらも、新感覚のおいしさを追求するお店です。
『新山そば』や『八重そば』などを代表とする、名護の沖縄そばの伝統的なスタイルは、大きな特徴がスープにあります。
その特徴は、まず、しょうゆをほとんど使わないうす味であること。
そして、使われている豚や鶏、かつお節、昆布などの具材が、どれ一つとして突出せず、一致団結して「渾然一体となったうま味」を作り出すことです。
二見そばは、この伝統を完全に踏まえています。
しかし、その一方で、『ゆし豆腐』をのせるなど、全く新しい感覚のおいしさをこだわりをもって追求しています。
二見そばは、一般的な沖縄そば店を切り盛りする「おばあ」と呼ばれる人たちと比べれば、若い夫婦の経営です。
沖縄そばの未来を切り拓く一翼を担っているといえるのではないでしょうか。
辺野古や大浦湾からほど近い二見そば
二見そばは、国道329号を世冨慶交差点から東へ行き、東海岸を北へ行く国道331号と接続するT字路の少し手前あたりにあります。
辺野古や大浦湾からほど近い、風光明媚なエリアです。
駐車場は、3台が停まれるスペースがあります。
二見そばの、隣は畑。
上の写真の古い建物は、実家を改装したものだとか。
二見そばには、入り口が2つあります。
1つは正面玄関的なもの、もう1つは、上の写真にある、通用口的なものです。
靴を脱いで上がる正面玄関から入ると、大きな座卓が5卓あります。
子連れの家族やグループなどでも問題なく入れます。
靴を履いたまま入れる通用口的なところから入ると、4人がけのテーブルが1卓と、2人がけのテーブルが2卓。
お店の混み具合にもよるでしょうが、4人以下の場合にはこちらから入るとされています。
従業員は、調理場にご主人、ホールに奥さんの2人のみ。
混雑する時間帯だと、提供までに時間がかかることもあるようですが、それは仕方がありません。
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とりあえず『全部のせ』を注文するべき!
二見そばのおすすめメニューは、三枚肉、本ソーキ、なんこつ、およびゆし豆腐がのっている『全部のせ』。
全部のせがおすすめであることは、お店の外の看板やたれ幕にまで書かれていますので、ものすごくおすすめされていることになります。
沖縄そばにはそのほかにも、本ソーキそば、なんこつそば、野菜そば、および三枚肉そばがあります。
ごはん物は、そばといっしょにたべるとおいしい、沖縄式炊き込みごはんジューシー、それにしょうが焼き定食。
子供用の沖縄そばもあり。
子連れにもやさしいお店です。
デザートには、沖縄名物である「ぜんざい」という名のかき氷各種。
ぜんざいも、かなりのこだわりがあるようです。
以上のなかで、初めて食べる場合は、絶対に『全部のせ』を食べるべきです!
「沖縄そばに豆腐って合うの?」
「冷たい豆腐でつゆが冷めてしまわない?」
などと不安に思う人もいるでしょう。
でも、絶対にだいじょうぶ。
このゆし豆腐が入った全部のせが、このお店の「新感覚さ」を如実に表すものとなります。
普通に食べる人なら、「中」で問題ありません。
ガッツリと食べたい場合は、麺を大盛りにするよりも、ジューシーをつけるのが良いと思います。
二見そば全部のせはまじでヤバイ!
さて、しばし待つと提供された『二見そば 全部のせ』。
どんぶりのほかに、なんこつ、ジーマミー豆腐と間違うほどコッテリしている豆乳豆腐、それに紅しょうがが別皿で提供されます。
これは、まじでヤバイです。
どうヤバイのかは、
- パーツのヤバさ
- コンビネーションのヤバさ
の2つの側面があります。
1.二見そば全部のせ ~パーツのヤバさ
二見そば全部のせは、それぞれのパーツが、いちいちヤバイです。
まず、スープがヤバイ。
ほぼ透明でうす味の、名護の伝統的なスタイル。
飲み口はサッパリとしていますが、しっかりとしたコクがあります。
豚やかつお節などそれぞれの具材が、自己主張したいのをグッとこらえて、一致団結して「1つのうま味」を作り出すのがあまりにも愛おしく、思わず抱きしめたくなる感じです。
このスープ、開店当初は、高齢者のスープの残し方などをみて、飲みきってもらえる味の完成へと試行錯誤したとのこと(沖縄タイムス)。
二見そばはスープがとにかくまず絶品なので、スープの味を変えてしまう紅しょうがやコーレーグースは、できるだけ最後まで入れないようにするのがいいです。
紅しょうがは中に入れずに、肉を食べる際に別皿から直接つまむようにするのがおすすめ。
コーレーグースーは、最後にスープを飲み干す際に、味変えとして使用するのが良いでしょう。
次に、本ソーキ。
これが、「ドゥルドゥル」というくらい、口に入れるとそのまま溶けてしまうほどやわらかく煮込まれ、味はしみまくっています。
骨は、いちおう付いていますが、「ちょっと振れば外れるんじゃ?」というくらい、肉と分離した状態です。
三枚肉。
プルプルのデロデロです。
三枚肉は、脂身部分はやわらかくなっているものの、赤身部分が固いことが、一般に沖縄そば店でよくあります。
しかし、ここの三枚肉は、赤身部分までしっかりとやわらかくなっています。
なんこつ。
これがまたすごいのは、いわゆる「なんこつの食感」を全く感じず、ただドロドロとしているだけであること。
なんこつが完全にやわらかくなるくらい、よく煮込まれているわけです。
なんこつはやや強めに味がつけられているために、スープの味を変えないよう、別皿にされていると思われます。
麺。
名護スタイルの平麺ではなく、一般的な沖縄そばの麺。
これが、ゴワゴワと強いコシを残してゆでられて、ドゥルドゥルのやわらかな肉と好対照をなしています。
ゆし豆腐。
穏やかかつ素朴でありながら、しっかりとした味があります。
温められているので、汁を冷ましてしまうことはありません。
2.二見そば全部のせ ~コンビネーションのヤバさ
以上のように、二見そば全部のせは、パーツの1つ1つがまずすべてヤバイわけですが、加えて、コンビネーションもヤバイです。
それは、ゆし豆腐が入っているからです。
一般的な沖縄そばでは、食べる際、
肉 ⇒ 麺 ⇒ スープ ⇒
のように「三角食べ」をすることになります。
ところが、二見そば全部のせでは、ゆし豆腐が入っているために、肉から麺に行く際に、ゆし豆腐を経由することとなります。
すなわち、
肉 ⇒ ゆし豆腐 ⇒ 麺 ⇒ スープ ⇒
の「四角食べ」です。
この四角食べが、二見そば全部のせの「ヤバさの根源」といえるものです。
二見そばは肉が異常にやわらかいため、そこから直で、ゴワゴワとした固い麺へと移ってしまうと、変化がちょっと急すぎます。
ちょうど、きのうまで夏だったのに、今日はいきなり冬になる、というようなもの。
場合によっては、風邪だって引きかねません。
そこで、やわらかで淡白な味のゆし豆腐があいだに入ることにより、やわらかで味が濃い肉から、固くて淡白な味の麺への橋渡しが穏やかに行われることとなります。
ゆし豆腐は、ちょうど「秋」の役割を果たすわけです。
ゆし豆腐が入ることで、やわらかな肉と歯ごたえのある麺との両方を、存分に楽しむことができます。
「沖縄そばとゆし豆腐」のマッチングは、一見ミスマッチのように思えますが、ほんとによく考えられていると思います。
二見そばの新感覚、ぜひ試してみて!
以上のように、二見そばの全部のせ、まじでヤバイです。
1つ1つのパーツがヤバイことはもとより、ゆし豆腐が加えられていることで、コンビネーションも超ヤバくなっています。
二見そばの全部のせは、ただ「おいしい」というだけにとどまりません。
沖縄そばのあり方そのものについて、新たな提案をしているとすらいえるかと思います。
この二見そばの新感覚、ぜひ試してみてくださいNE!
二見そばの店舗情報
- 住所 沖縄県名護市字二見241-31
- 電話 0980-55-8315
- 営業時間 平日:11時~17時頃、土日:11時~18時頃
- 定休日 木曜日