知り合いに教えてもらい、名護市の東海岸沿い、大浦湾に面したところにある食堂「南乃畑」に行ってきた。この店の沖縄そばが、昔ながらの沖縄そばには珍しく、コッテリしていると聞いたからだ。
南乃畑は国道329号を走ってくると、何もないところにポツンとある赤い瓦の大きな建物「わんさか大浦パーク」のなかにある。
目の前は大浦湾で景色がよく、ドライブの休憩にここで食事をするのはおすすめだ。
メニューには、沖縄そばと定食各種。
すべて「おばあ」が手作りしているそうだ。
せっかくだから、てびち(豚骨)と三枚肉・ソーキがすべて入った「南乃畑そば」を注文した。
700円はちょっと高いかなと思ったのだが、さにあらず。でてきた品を見ると、まず器がでかい。そこに分厚い三枚肉が3枚と、巨大なソーキ、それにてびちが入っている。
東京なら2,000円はしてもおかしくない代物だ。沖縄にある他のそば店とくらべても、この量なら700円は、むしろ安い。
この肉の塊をかじってみる。やわらかく煮込まれて、てびちなどは「トロトロ」だ。
味つけは、コッテリと甘辛い。僕がこれまで食べた沖縄そばのなかでも、この味つけはかなり濃い部類に入ると思った。
それからスープ。
沖縄そばのスープは澄みきったものを出す店も多いところ、この店のスープは脂が浮いて、濁っている。
啜ってみる。う~ん、ウマイ。
豚肉の強いコク。それと共にかつお節の風味も強めにきかされ、ダブルスープのラーメンみたいだ。
このスープ、沖縄ではもともとは澄み切ったさっぱりしたものだったのが、現代人の食の好みの変化を受け、内地の最近のラーメンにも似たコッテリとしたものになったのかと初めは思った。
しかし「そうではない」と、いっしょに行った知り合いは言う。チーフのおばあはかなり年季の入った人で、このそばは、そのおばあが自分の集落で小さいころから慣れ親しんだ味なのだそうだ。
ラーメンにも澄み切ったのと、九州とんこつラーメンのようにコッテリしたのがある。それと同様、沖縄そばも澄み切ったのばかりでなく、この店のようにコッテリしたのもあるということなのである。
ただし全体としてみれば、沖縄そばは澄み切った、さっぱりしたのが多いから、コッテリとしたタイプが食べてみたいと思ったらここ南乃畑に来るといい。
麺はわりとツルッとした、なめらかな食べごたえがするタイプ。
けっこうな量があるのだが、何しろ肉の量が多いから、最後は麺が足りなくなって、「大」にすればよかったと後悔した。
南乃畑
- 住所 沖縄県名護市大浦465-7 わんさか大浦パーク
- 電話 0980-51-9130
- 営業時間 11:00~17:00
- 定休日 火曜日