「沖縄そばって、どれも同じなんでしょう?」
そんな風に思ってはいませんか?
たしかに、沖縄そばは、
- 豚とかつお節をベースとしたスープ
- かん水を使用してコシがある太めの麺
- 具はソーキ、三枚肉またはてびち(豚足)を煮たもの
から構成されているものが多いです。
なので、あとは、スープや麺、具の微妙な違いといえないことも・・・・・・。
しかし!
そのなかでも傑出した特徴がある沖縄そばをだすお店もあります。
それが、大宜味村にある前田食堂の『牛肉そば』。
この記事では、牛肉そばの魅力について紹介します。
この記事を読むと、前田食堂の牛肉そばが食べたくて、ガマンができなくなってしまうかも!?
前田食堂は創業約50年の老舗
1972年、沖縄が日本に復帰した年に開業した前田食堂。
創業約50年の老舗店です。
場所は、国道58号を北上し、大宜味村に入って1~2キロ行ったあたり。
店舗が道から見えにくく、右折ポイントを逃してしまいがちです。
初訪の際には、ナビをきちんとセットして向かいましょう。
駐車場は、お店の前に広いのがあります。
今回、高野が訪れたのは、午後2時と比較的遅めの時間でした。
であるにもかかわらず、待ち行列こそなかったものの、店内はほぼ満席。
お客さんは、平日だったこともあり、観光客らしき人はゼロ。
全員が、地元の人達という感じです。
店内は、手前に4人がけのテーブルが4卓と、2人がけのテーブルが1卓。
奥には座敷席があり、4人がけのテーブルが4卓置かれています。
子供連れでも、問題なく入れるかと思います。
前田食堂は沖縄そば専門店ではありません。
「牛肉おかず」「焼肉おかず」が筆頭メニュー。
ちなみに、「牛肉」と「焼肉」とは何が違うのかと思いますよね?
「牛肉」は、その名の通り牛肉を焼いたの、「焼肉」は、豚肉を焼いたのなのだそうです。
お店の入口を入ると、すぐに券売機があります。
前田食堂は、牛肉そばが名物です。
初めての場合なら、牛肉そばを食べるので間違いはありません。
迷わず「牛肉そば」のボタンを押しましょう!
前田食堂 牛肉そばのおいしさのポイントは?
食券を店員の女性に渡し、待つこと5分ほど、待望の牛肉そばが登場します。
まずは、この豪快なビジュアルを堪能。
大量のもやし、それに牛肉の切れはしとニラが山盛りになっています。
横から見ると、この通り。
てんこ盛りです。
しかも、きちんと形が整えられている几帳面さ!
この牛肉そばのおいしさのポイントは、
- 絶妙の加減で炒められているもやし
- 牛肉としょうゆによる濃厚なコク
- スパイスの強い刺激
- コシの強い麺との調和
の4点だと、筆者 高野は考えます。
絶妙の加減で炒められているもやし
前田食堂の牛肉そばは、
- 1~2センチ大の細切れ牛肉とニラ、それに山ほどのもやしを炒める
- 通常の沖縄そばのスープと麺の上にのせる
の手順で作られていると思われます。
この、もやしの炒め加減が、「さすが老舗店」と思わせる絶妙ぶり。
「もやしなど誰でも炒められるのでは?」
と思うかもですよね?
しかし、もやしは、シャキシャキ感を残す必要はあるものの、炒め足りないと土臭い風味が残ります。
ラーメン屋のもやしそばなどでも、もやしが炒め足りないことは、決して少なくありません。
炒め過ぎず、かといって炒め足りないこともなく、絶妙な加減で炒められている前田食堂のシャキシャキもやし。
93回は死ねるかと思うほどウマイです。
牛肉としょうゆによる濃厚な風味とコク
牛肉ともやし炒めの味付けは、牛脂で炒め、しょうゆで味付けがされていると思われます。
この牛肉としょうゆによる濃厚極まりない風味とコクにより、もやしのシャキシャキ感と相まって、まさに「天にも昇る心地」と呼びたいほどの状態に。
さらに、この牛肉の風味とコクが、食べているうちに、沖縄そばのスープに溶けだします。
それにより、牛肉そばは、すべてが牛肉に包まれることに!
スープは、最後の1口まで牛肉。
スープを経由して、麺も牛肉。
この満足感は、211回死ねるほどです。
スパイスの強い刺激
前田食堂の牛肉そばには、スパイス(黒コショウ)がたっぷりとかけられています。
このスパイスが、最大のポイントといえるもの。
牛肉の風味とコクは、たしかに満足感が高いです。
しかし、それだけだと、ちょっと「クドい」となりがちなもの・・・・・・。
このクドさを、たっぷりのスパイスがしっかりと引き締めます。
沖縄は、米軍に占領されていたことにより、米軍兵士を相手に開業したステーキ屋が多数あります。
この牛肉そばは、ステーキ屋における味つけのノウハウを、一般の庶民に向けてアレンジしたものなのでしょう。
悲しい歴史を背景としているものの、前田食堂の牛肉そばは、アメリカと沖縄のそれぞれの食文化が融合した、1つの見事な例だといえるかと思います。
コシの強い麺によるバランス
前田食堂の牛肉そばでは、麺は、沖縄そばの通常のものを使用。
中太麺ですが、多分もやしの太さに合わせてあるのでしょう、やや平麺気味になっています。
沖縄そばの麺は、コシが強いのが信条。
太さが太い分、一般のラーメンよりさらに強く、コシを感じることになります。
このコシの強い中太麺とシャキシャキもやしのバランスが、もう「お見事」のひと言。
一般のラーメンだと、麺が細すぎるため、シャキシャキのもやしに負けます。
また、太さとしてはラーメンより太い「うどん」であっても、コシが弱いため、やはりもやしのシャキシャキ感には負けるでしょう。
沖縄そば麺だからこその、このシャキシャキもやしとの互角の勝負。
「これを見事といわずして、見事なものがほかにあるのか!」
と、思わず叫びたくなるほどです。
しかも、このコシの強い沖縄そば麺、牛肉の風味とコクをしっかりと含んでいます。
マジで、2万4回くらい死ねます。
前田食堂の牛肉そばは食べてみるべき!
以上のように、前田食堂の沖縄そばは、天にも昇る心地となり、合計2万308回ほどは死ねる、見事なものです。
「沖縄の田舎にある食堂の食べ物など、大したことはないのでは?」
と、万が一にも思ってはいませんか?
そんなことはありません。
この前田食堂の牛肉そば、B級グルメコンテストにでも出品すれば、「まちがいなく大賞を取るだろう」と思えるほどの傑出した作品です。
ぜひ食べてみるのがおすすめです。
前田食堂は、名護市内にも支店があります。
そちらも基本は同じ味ですが、ロケーションと店舗が異なるのがやや難点。
この牛肉そばは、大宜味村ののどかな風土と、昔ながらの建物だからこそ、これだけの満足感が得られるところがあります。
名護市から大宜味村までは、車で30分ほど。
途中の国道58号線では、沖縄の美しい海を堪能できます。
ぜひ大宜味村まで、足を伸ばしてみてくださいNE!
店舗情報
- 住所 沖縄県国頭郡大宜味村津波985
- 電話 0980-44-2025
- 営業時間 11時~17時
- 定休日 水曜