ゴーヤは価格も比較的安定していて、使いやすい野菜の一つだ。自分で育てるのもわりと簡単なのだそうで、「採れすぎて食べ切れない」という話もときどき聞く。
しかも栄養が、超スゴイのだ。まずビタミンCが、ビタミンCといえばレモン、そのレモンの4倍、トマトの5倍。鉄分は、ほうれん草の2倍、カルシウムは牛乳の14倍、食物繊維はセロリの30倍なのだそうだ。
さらにゴーヤのビタミンCは、ビタミンCのなかでは唯一熱がくわわっても壊れないとのことだから、炒め物にも煮物にも使え、まさにお助け食材なのである。
そのゴーヤを食べるとなれば、代表的な料理はやはりゴーヤチャンプルー。きのうはこれをトマト入りにした。
これが、最高にウマイのだ。
ゴーヤは、苦味のある味が特徴だ。酸味はこれを和らげる効果があり、トマトを入れることでゴーヤチャンプルーは一気にさわやかな味になる。
豚肉と卵にトマトが合うのは言うまでもなく、またゴーヤの緑、卵の黄色に、トマトの赤は色目としてもきれいだし、ゴーヤチャンプルーにトマトを入れるのは非常におすすめなのである。
ただしトマトを入れる場合は、豆腐は入れない方がいいと思う。ゴーヤチャンプルーにおいて豆腐もトマトも「植物系のなごみ具材」となるわけで、両方入れると役割がかぶってゴテゴテとした感じになるからだ。
味つけは、しょうゆベースにカツオ節をふりかけた、和風仕立て。しかしここにコロンとしたニンニクを1かけ入れ、一味をかけると、風味が一段とアップする。
豚肉は、ゴーヤチャンプルーにはスパムを使うのも定番だが、きのうはコマ肉。コマ肉を使う場合、火加減を弱くして、火を通し過ぎないようにするのが最大のポイントだ。
コマ肉はちょっと火が通り過ぎると、すぐに硬くなるからだ。
作り方は、まず豚肉とゴーヤを炒め、トマトを加え、最後に卵で閉じるというもっとも簡単にできるやつ。10分もあれば、完全に作れるはずだと思う。
トマトも火を通し過ぎると溶けてしまうから、温めるくらいの感じで炒め、形を残すようにするのもコツとなる。
フライパンに、
- サラダ油 大さじ1
- 豚コマ肉 150グラム (食べやすい大きさに切る)
を、豚コマ肉は広げて入れ、
- 塩 小さじ4分の1
- コショウ 1~2振り
を振りかける。
さらに、
- ゴーヤ 2分の1本 (タテ半分に割り、スプーンでワタをかき出して、3ミリ幅くらいの輪切りにする)
- ニンニク 1かけ (薄皮をむく)
も入れてしまって、強めの弱火くらいで2~3分、豚肉の色が変わり、ゴーヤがややほっくりとするまでじっくり炒める。
火を弱めの中火くらいに強め、
- トマト 1個 (8等分のくし切りにする)
を加えて30秒くらい炒めたら、
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ1
- 薄口しょうゆ 大さじ1 (薄口にするのは色を鮮やかに保つため。濃口を入れるとまっ黒になってしまう)
を入れ、さらに30秒くらい炒めて味をなじませる。
- 溶き卵 3個分
を入れてしばらくそのまま放置して、8割方固まってきたところで全体を大きく混ぜ、火を止める。
皿に盛り、カツオ節・1つまみと一味をわりとたっぷりかける。
これはウマイ……。
豚肉・卵・トマトの和み軍団にかこまれて、ゴーヤのクセが「いいアクセント」といえるくらい、きちんと封じ込められている。
しょうゆベースにニンニクとカツオ節、一味の布陣も、ホックリとした味によく合って、また死ねる。
あとは、みそ汁。
豆腐は買ってあったのだが、ゴーヤチャンプルーに入れるかどうかを1時間ほど悩んだ末、みそ汁に入れることにしたのである。
それに、白めし。
ゴーヤチャンプルー・トマト入りは、白めしも何杯でもいけるやつだ。
そしてもちろん、酒も何杯でもいける。
こうも毎日、酒の肴になるものばかり作っていると、さすがの僕も体がもたないのだ。
「飲まなきゃいいんだよ。」
そうだよな。