みそ煮込みうどんの要領でカキを煮て、うどんの代わりに餅を入れた、カキのみそ煮込み雑煮。カキは、煮るならやはりみそ味。
カキは、まずは生食用ならそのままで、加熱用ならサッとゆで、ぽん酢で食べるのが一番うまい。これは文句のつけようがないのである。
これをちょっと発展させて、酢みそで食べたりなぞするのもうまい。
でもこれだと、せっかくの大枚を払って買ったカキが、メイン料理にならないから、そこで登場するのが鍋や、カキフライということだ。
鍋も、カキは水炊きにして、ぽん酢であっさり食べるのが、まずはうまいし簡単。でもいつもそればかり食べるわけにはいかないから、何かほかの食べ方は、、、と考えるときに登場するのが、「みそ鍋」だ。
カキは強いクセがあるから、味つけにも強さが必要なのだ。みそを土鍋の周囲に土手のように塗りこんで、それを溶かしながら食べる「土手鍋」は、カキの代表料理の一つだ。
ただし、みそをわざわざ土手にするのは、おそらく普通のみそが、煮込むと風味が飛んでしまうから。普通のみそは、煮込み料理に向かないのだ。
そこで登場するのが、「煮込めば煮込むほどおいしくなる」といわれる八丁みそ。
これならただ、だしに溶かして煮込むだけでいいわけで、名古屋のみそ煮込みうどんでも、冬場はカキを入れるのがオプションの一つとなっている。
このみそ煮込みうどんをイメージしながら、しかし家には餅がたくさんあるわけだ。
そこで作ったのが、カキのみそ煮込み雑煮。
これは「うまいに決まっている」という話であって、議論の余地はないのである。
ちなみにもちろん、ニンニクにハマっているおれは、ここにもニンニクを入れるわけだ。ニンニクとみそは、「ニンニクみそ」という調味料があることからも分かるくらい、相性がいい。
みそ煮込みにニンニクは、入れなくてももちろんうまいが、入れればさらにうまいのは間違いない。
みそ煮込みには、具は定番なのは、鶏肉とごぼう、油あげにかまぼこ。
加えて小松菜としいたけが余っていたので、それも入れることにした。
まずはだしを取る。おれはいつも翌日の昼の分まで作るから、水は2食分、4カップに、だしを取っているあいだに煮詰まる分を見越して、プラス2分の1カップ。
- だし昆布 10センチくらい
- 頭とわたを取った煮干し 2~3つまみ分
- つぶしたニンニク 1~2かけ
を入れて中火にかけ、煮立ってきたら弱火にして、アクを取りながら10分煮出す。
並行して、カキを洗う。生食用なら、水洗いするだけでい。
加熱用の場合には、片栗粉を少し振って、もみ洗いする。そのあと水を4~5回替えて、十分すすぎ、水気をふき取っておく。
だしが取れたら、だし殻をとり除き、4カップのだしに対して、
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 砂糖 小さじ2
- 八丁赤出しみそ 大さじ6
くらいを、味を見ながら加える。
1回分のだしを土鍋に移し、まず、
- うす目に切った鶏もも肉 100グラム
- ささがきにし、5分くらい水にさらしたゴボウ 2分の1本
- 細く刻んだ油あげ 2分の1枚
を5分くらい煮て、次に、
- 餅 2~3個
- ざく切りにした小松菜 1株
- 半月に切ったシイタケ 2~3枚
- かまぼこ 2~3枚
を入れる。
小松菜とシイタケに火が通り、餅がやわらかくなったところで、最後に洗ったカキを入れ、サッと煮立てて火を止める。
ここで最大のポイントは、「カキに火を通し過ぎないこと」なのだ。加熱用でも「1分」で、それ以上煮てしまうと、カキは惨めなほど小さく硬く、縮んでしまう。
土鍋は火を止めてからも、余熱で沸くから、これを計算して、早めに火を止めることが必要だ。
青ねぎと、粗挽きコショウ、ゴマ、それに一味をかけて食べる。
餅に味がしみているのが、またウマイ。
あとは、蒸し豚など。
鶴橋の韓国料理、ほんとにうまい。
これは、青のりのキムチ。
佃煮のように味が濃くなく、青のりの風味がふわっと広がるのがたまらない。
酒は、焼酎水わり。
きのうも、また飲み過ぎるのである。
飲み過ぎない方法があれば、教えてもらいたいとは思う。でもおれは、飲めばその方法を忘れるに違いないから、飲み過ぎないことはできないのだ。
「あきらめが早過ぎるよ。」
ほんとだな。