これは脱帽。【新中野 麺屋どうげんぼうず・辛そば】

麺屋どうげんぼうず・辛そば その他の飲食店

麺屋どうげんぼうず・辛そば

きのうは、新中野にある「麺屋どうげんぼうず」で、「辛そば」を食べた。煮干しラーメンをベースとして、そこに韓国系の辛み調味料、さらにたっぷりの中国系スパイスが加えられた、未知の味。最高にうまくて、脱帽した。

 

 

今回東京へ来るにあたって、「絶対に行かないといけない」と思っていたのが、この麺屋どうげんぼうず。なにしろ、反差別カウンターや反原発、反安倍などの運動をする「アンティファ(=アンティ・ファシズム=反独裁)」な人たちからの評判が、とてもいいのだ。

 

やはりアンティファの人たちからの評価が非常に高い店として、関西には、大阪・十三の「あらい商店」がある。ツイッターに色んな人が、しょっちゅう画像を上げるから、おれも実際行ってみた。

そうしたら、これがスゴイのだ。在日コリアンである店主が、韓国・朝鮮、日本、ヨーロッパの料理を踏まえながら、国境の枠を取りはらい、新しい、独創的な料理を生み出している。

 

それを経験し、アンティファの人たちの舌が確かだということを知った。となれば、東の麺屋どうげんぼうずも期待するわけである。

 

麺屋どうげんぼうずの最寄り駅は、東京メトロ丸ノ内線・新中野。

麺屋どうげんぼうず

東側の出口で降り、鍋屋横丁の交差点を南に5分くらい行った、東側の角にある。

 

奥に向かって細長い、小ぎれいな店内は、カウンターのみ10席ほど。

麺屋どうげんぼうず

 

食券を買って入るようになっている。

麺屋どうげんぼうず

 

ラインナップは、「辛そば」「辛つけ」「塩つけ」の3種類。それぞれに、「味玉増量」「ネギ増量」「チャーシュー増量」の、さらに3つのオプションがある。

 

辛さは、「普通」「ちい辛」「ぶち辛」「シバキ」の4段階。

麺屋どうげんぼうず

 

さらに途中で、「白飯」または「そぼろ飯」を入れ、「粉チーズ」をかけるとうまいらしい。

麺屋どうげんぼうず

 

ツイッターの画像でよく見かける「辛そば」を食べることは決めていた。でも選択肢が多いので、どれにするかはゆっくり考えることとして、まずは「おつまみ4種盛り」500円と、ビールを注文。

麺屋どうげんぼうず

 

おつまみ4種盛りは、要はラーメンのトッピングをすべて盛り合わせたもの。味玉とチャーシューはトロトロ、それにたいしてメンマはコリコリとしていて、バランスがいい。

コショウが振りかけられているので、酒が進むこと、進むこと、、

けっこうな量もあり、おかげで焼酎をお代わりした。

 

酒を飲み終わったら、ラーメンの食券を購入。トッピングは、おつまみに入っていたから、きのうはトッピング増量なしの「辛そば」780円を。

辛さは、いちばん辛い「シバキ」でも、「辛過ぎることはない」と聞いていた。辛い食べ物は、やはりしっかりと辛いほうがうまいから、きのうは「シバキ」。

 

注文して4~5分で、早速到着。

辛そば

 

麺は、味が一番からみやすい、平たい縮れ麺。

辛そば

 

スープを一口すすって、

「お~、ウマイ、、」

思わず唸った。

 

ベースは、普通にラーメンで使われる肉(たぶん豚骨)のスープに、煮干しだし。だからここに、しょうゆで味付けすれば、よくある「煮干しラーメン」になる。

辛そばは、そこに韓国とうがらしを初めとする、韓国系の辛み調味料が加えられている。

この時点で、スープは「チゲ」の味になるわけで、チゲに入れたラーメンがうまいのは、「ブテチゲ」にインスタントラーメンを入れたり、「辛ラーメン」があったりするのを見てもわかる通りだ。

 

ところがこの辛そば、それで終わりではないのである。

かなりたっぷりの、たぶん中国系の、コショウや山椒などがブレンドされたような、華やかな風味のするスパイスが加えられている。

 

ここまで華やかな風味のスパイスは、ふつう、日本のラーメンには使われない。でも韓国系の個性の強い辛みがあるから、華やかさはそれとちょうどいいバランスとなり、しかもこのスパイスが入ることにより、辛そばはチゲからラーメンに引き戻されるのだ。

「あくまでラーメン」でありながら、「チゲの味がするもの」になるのである。

 

これは、かなりのセンスだと思った。

「辛いラーメン」といえば、現在世の中にあるのは、ゴマ風味の担々麺、酸味を入れた酸辣湯麺、辛ラーメン、それに名古屋の台湾ラーメンの、大きくいって4つだろう。

しかしこの辛そばは、やや辛ラーメンに近いとはいえ、どれでもない。

日本のラーメンを出発点とし、韓国や中国の調味料を使いながらも、あくまで日本のラーメンの延長上に、新しい味を生み出している。

 

説明通り、ラーメンの汁を半分くらい飲んだところで、そぼろ飯・200円と、粉チーズ・100円を加えてみた。

辛そば

 

これが、またスゴかった。

辛そば

 

韓国の「チゲ」と、西洋の「粉チーズ」、まったく違うところで使われる、「水と油」の印象があった。ところが、合うのだ。

じつは、まずチーズを入れずに、辛そばの汁に、そぼろ飯だけ入れて食べてみた。いわゆる「クッパ」の味で、決して悪くはないのだが、そこに粉チーズを入れると、一気にパンチが増すのである。

 

しかも、完全に、未知の味。

これにはおれは、脱帽した。

 

食べ終わってから、店主に、「この味は、どうやって考えついたんですか?」と、聞いてみた。

すると、「勘ですね」との返事。たしかに、センスがよい人なのだろう。

 

でもその勘がはたらく背景には、まず日本のラーメンを知り尽くすだけの経験と、さらに韓国、中国、洋風の味にも目を向ける好奇心とがあったはず。

「国境の枠を超え、物事を平たく見る目」が、この辛そばを生み出したと思えるのだ。

 

きのうは酒は2杯しか飲まなかったが、辛そばでとても満足したので、宿へ帰って風呂に入り、そのまま布団に入ってグッスリ寝れた。

やはり旅は、とにかくうまいものを食うのに限る。

 

麺屋どうげんぼうず
  • 住所 東京都中野区本町4-30-11 アーク新中野1F
  • 電話 03-6382-7622
  • 営業時間 平日 11:30~15:00、18:00~22:00
    日曜 11:30~15:00
  • 定休日

     月曜日(連休の場合は連休最終日の翌日)

 

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