思い出横丁にある中華料理店「岐阜屋」。安くてうまく、小ギレイではなく、ドアがなくて、朝から晩までやっている、新宿では基本の店だ。
やはり飲食店は、まず「安くてうまい」のでないといけない。大体こちらはギリギリで生活している立場なわけで、飲食店だって、それなりにギリギリで頑張ってくれるところでないと、見合わない。
次に、あまり小ギレイでないことが必要だ。こちらは普段から、あまり小ギレイにしていないのだ。野良猫だって、平気で家に上げる男である。小ギレイな店は、落ち着かない。
さらにできれば、ドアがないところが望ましい。道にむかって開かれた場所で酒を飲むのは、道端で飲んでいるような気になって、最高に気分がいいのだ。
道端で飲んだり、そのままそこで寝たりすると、非常な解放感が味わえるのは知れた話だ。
以上の条件をすべて兼ね備えた店が、新宿・思い出横丁にはたくさんあり、その筆頭は、ラーメン・中華料理の「岐阜屋」。
新宿通から思い出横丁の西側の路地に入ると、20~30メートル行ったあたりの左側にある。
岐阜屋はおまけに、店がかなり大きいから、他の小さな焼き鳥屋などとは違い、まず「入れない」ということがない。それから朝の9時から、深夜1時まで営業していて、朝・昼・晩飯のどれにも使える。メニューは酒のつまみからガッツリご飯まで、幅広い。
なのでおれは新宿では、この店が「基本」ということになっているわけである。
今回の東京行きでも、到着早々の昼飯に、まず岐阜屋。
がっつりレバニラ。
豚レバーとニラがたっぷり入って、値段は620円。(ライスは200円)
それから夜。
やはり岐阜屋。
夜は、思い出横丁を探索したのだ。もつ焼きを食べたいと思い、「良店」と目星をつけた店が3軒あったが、3軒とも一杯だったり、すでに終わっていたりして、入れなかった。
それで適当な店に入ってみたら、やはりあまりおいしくなかったので、岐阜屋へ口直しに行ったのだ。
まず餃子・470円。
おれの大好きなニンニクが、たっぷり入っているタイプ。
それから、木クラゲと卵の炒め物・570円。
これは、この店の看板料理の一つとなっているのではないかと思う。木クラゲと卵、それに豚肉のいずれもたっぷり入り、酒のツマミのみにもご飯のおかずにも、大変いい。
さらに、チャーハン・620円。
卵とねぎ、チャーシューに加え、かまぼこで味出しをしているところが特徴。サッパリとしながらも、きちんと味がある。
この店は、量が多いのも特徴。チャーハンも、油断して注文したら、超巨大。
なので安いと思ってどんどん頼むと、きのうのおれのように腹が死ぬほど一杯になり、食べ切れなくて残してしまうことになるので注意が必要だ。