きのうは、蒲田駅西口にある中国式居酒屋「香楽園」で飯を食った。ここはおもに中国人を相手にした、最高にうまい料理を激安で出す店で、ほんとにスゴイ。
40過ぎまで東京にいたものの、それから10年以上、名古屋、広島、それから京都と地方にいて、すっかり地方の流儀が身についている。
街を歩いても、まず東京の人たちは、歩くのが早い。だいたい1.5倍くらいのスピードだ。だから次から次へと、全員に追い越される。
駅などでも、うまく人がよけられない。東京では、人が流れになっているから、その流れに乗れないと、次から次へと、全員にぶつかられる。
ホームで電車を待つのでも、東京の人は、ビシっと2列にならぶ。電車が行ったばかりで、まだ誰も次の電車を待っていないところに、京都では普通みんながやるように、ちょっと遠慮してホームの端の点線から1メートルくらい下がって待っていたら、そのあと来た人に前にならばれた。
圧巻だったのは、小田急線の車内。会社帰りの男性は、ほぼ全員が、黒っぽくてツヤのあるショートコートに、黒っぽいズボンを履いていて、背が高く、しかも耳にはイヤホンをしている。
京都では、そんなのは、差別デモへのカウンターへ行ったとき出会う警察の公安くらいだ。
公安に囲まれたときのような圧迫感に、思わず吐きそうになったほどだ。
そんなこんなでマゴツキながら歩く東京。酒を飲みたくなるのも、仕方ないのだ。
きのうは家の用事がなかったから、午後、すこし仕事もした。一応、パソコンとネットがあれば、おれはどこでも仕事ができる。
しかしそれは、あくまで建て前。旅の疲れを言いわけに、早々に切り上げて、酒を飲むことにした。
行ったのは、蒲田が誇る中国式居酒屋「香楽園」。
ここは、毎日でも行きたいくらいで、ほんとにスゴイ。
元々この店を教えてもらったのは、蒲田の中国スナックで働く女性から。店員が全員中国人なのはもちろんのこと、客も中国人が多く、とくに深夜12時を過ぎ、飲食店が終わるくらいの時間になると、近所で働く中国人が続々あつまる。
なので味やメニューは、日本人より、むしろ中国人にむけて合わせてあって、日本の普通の中華料理店ではあまり食べられないものが、あれこれある。
それから、値段。これが、信じられない安さなのだ。
他店の半値くらいではないかと思う。
まず餃子。
中はジューシー。これが、もっちりと厚い皮で包まれている。
値段は、100円。
次は、マーボー豆腐。
普通の店で出てくるくらいの量があり、300円。
豚肉も100グラムくらいは入っているし、豆腐も2分の1丁くらいはあるから、原価は150円くらいはかかっているのではないかと思う。
原価率5割ということだ。
卵とニラ炒め。
これも、300円。
卵は3個分、ニラは2分の1把くらいはある。だからやはり、これも原価は150円くらいはかかっていると思われる。
鶏肉の汁そば。
680円。
これはどんぶりが、普通は「大盛りラーメン」が入ってくるくらいの大きさだ。そこに、200グラムはあると思われる鶏もも肉と、チンゲンサイ1茎、でっかいキクラゲが4切れ。
おそらく値段も、生活が大変な中国人に合わせてあるのだろうと思う。日本人がこの値段で食べるのは、申し訳なくなるほどだ。
そしてもちろん、中国人の舌に合うわけだから、味は最高。他のヘタにもったいぶった中国料理より、よっぽどうまい。
ここで食べ慣れてしまうと、ちょっとほかでは、中華を食べる気がしなくなるほどなのだ。
ただしこの店、1つだけ、弱点がある。あまりの安さで、料理を前菜気分であれこれ頼んでしまうので、頼みすぎて、最後は死ぬほど腹がふくれるのだ。
それもたまにはいいけれど、毎日は、避けたほうが無難である。
香楽園・蒲田西口店
住所 東京都大田区西蒲田7-29-3 第三久保井ビル1F
電話 050-5589-3859 (予約専用番号)
03-3733-0872 (お問い合わせ専用番号)
営業時間 11:00~翌6:00
定休日 なし