キムチを使ったご飯ものといえば「キムチ炒飯」になるわけで、これがうまいのはまちがいない。
しかし炒飯は、つくるにはけっこうハードルが高い。
炒飯をつくる前提としてご飯がなければいけないわけで、タイミングよく残りご飯があったりとか、冷凍ご飯というクソまずいものを好き好んで食べるなどを別とすれば、炒飯をつくる前にご飯を炊かないといけない。
そうなると、手間も時間もえらいかかる。
そこで残りご飯がなくてもおいしい炒飯をつくる手段として、「ピラフ」があるのだ。
ピラフは具材といっしょに生米を炒め、そのまま炊く。米を研いだり、吸水させたりする必要がないから、じつに手軽でスピーディー。
しかもご飯とおかずが一緒にできてしまうから、手間が省けることこの上ない。
そこで、キムチ炒飯をピラフとしてつくることに、当然、思い至ることになる。
キムチ炒飯をつくるにしても、まずはキムチと肉を油で炒める。そのまま生米も炒め、炊いてしまえばいいだけだ。
ところでこのキムチピラフ、世の中ではやや盲点となっているらしい。クックパッドにも、「キムチピラフ」のレシピは9件しかない。
たぶん韓国で、キムチピラフをつくる習慣がないからだろう。
しかし日本人がつくるのは、べつに韓国料理である必要はない。「キムチを使った日本料理」で十分なのだ。
またピラフも、べつに洋風料理と考える必要もない。作り方だけ取り入れて、日本料理としてつくればいいのだ。
とくに、忙しい人にとっては、おいしい料理を手早くつくる必要がある。
この新日本料理・キムチピラフ、とてもとてもおすすめだ。
肉は、豚ばら薄切り肉などでも問題ないと思うけれども、きのうは鶏肉。でもそれだけだとコクがちょっと足りないので、ソーセージも入れた。
さらにここに、じゃがいもも加えた。キムチのピリ辛味に、ホックリとしたじゃがいもが癒しになるという企画。
それから一人分のピラフをつくる場合、20cmの小さめのフライパンでつくるのがちょうどいい。
スーパーなどで、300~400円で売っていると思うから、揃えておくのはおすすめだ。
フライパンに、
- ゴマ油 大さじ2
- キムチ 100グラムくらい(300グラム入りパック3分の1見当)
- 食べやすい大きさに切った鶏もも肉 250グラム(皮を下にして)
- 5ミリ幅くらいの小口切りにしたソーセージ 2本
を入れて弱めの中火にかけ、5分くらい、じっくり炒める。
まずは鶏の皮を焼き、それから全体を混ぜるようにするのがいい。
次に、
- 生米 1カップ
- 1センチ角くらいのサイコロに切ったじゃがいも 1個
を入れ、1~2分、米が油を吸い込むまで炒める。
- 沸騰させたお湯 1+2分の1カップ
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ1
- 淡口醤油 小さじ1
を加え、そのまま1~2分、フライパンを揺すって全体を混ぜながら、しっかりと沸騰させる。
ここで、スプーンなどで混ぜてしまうと、粘り気がでるので注意する。
フタをして弱火にし、25分炊く。
たっぷりの青ねぎをかけ、フライパンごと食卓に出す。
一人なら、フライパンからスプーンで直接食べてしまえば、皿を用意する手間も省ける。
これは、マジでうまいのだ。
ピラフは応用範囲が広いから、つくり方を覚えておくのはおすすめだ。
あとは、わかめスープ。
乾燥わかめと頭とワタを取った煮干しを20~30分、わかめがトロトロになるまで煮て、酒と塩、淡口醤油それぞれ少々で味つけする。
それに、たくわん。
キムチのピリ辛味には、たくわんの甘い味が合う。
酒は、冷や酒。
酒も、やや甘めの日本酒が、キムチにはやはり合う。