ダラダラするのが好きなのである。
朝は当然、2度寝、3度寝。「もう寝たくない」と思うまで寝る。それからノロノロと仕度して、コーヒーショップでブログ更新。たびたびタバコ休憩が入るから、なかなか進まない。
ブログを更新したら、家に帰ってめしを食い、昼寝。これも、2度寝、3度寝はあたりまえ。
昼寝から起きたら、いちおう仕事。それから酒。
この酒が、またダラダラと、延々と飲むわけだ。
こうして1日、ダラダラとしてばかりいるために、仕事の時間がなかなか取れない。
これではダメなのである。
というわけで、きのうも酒を飲みながら、めしをどうしようかをダラダラと考えはじめた。いちおう、マーボー豆腐にしようと思って、豚のひき肉は買ってあった。
念のため、ネットでレシピを検索してみる。
マーボー豆腐の味つけは、基本は豆板醤と、甜麺醤。そこにコクをつけるため、豆鼓(豆を発酵させたもの)やら鶏がらスープやらを使い、さらに辛みをつけるため、粉とうがらしや花椒やらを入れたりする。
この甜麺醤を、使いたくないわけだ。だいたい甜麺醤を使う料理は、マーボー豆腐と回鍋肉しか知らないわけで、それもしょっちゅう作らないから、買っても冷蔵庫の肥やしになるのは目に見えている。
スーパーで、甜麺醤のビンの裏に書いてある原材料を見てみると、「大豆みそ、砂糖、ごまペースト、しょうゆ」となっている。
なのでこれはまちがいなく、八丁みそに、砂糖としょうゆとゴマ油を加えれば代用できる。
でもそれも、どうもきのうは気分じゃなかった。
甜麺醤は、マーボー豆腐の味のベースになるわけだ。それを使わないにせよ、なにかそれと匹敵するような、強力なコクをもったものはないものか、、
そう考えたとき、思いつくわけなのだ。
「キムチだ、、」
キムチなら、どう考えてもマーボー豆腐のベースになれる。甜麺醤に、さらに豆鼓、鶏がらスープをあわせたくらいのコクがある。
さらにキムチは、豚肉・豆腐との相性も最高だ。マーボー豆腐をキムチで作れば、要は「汁なしのキムチチゲ」という話、まずいわけがないのである。
それをツイッターに書き込んだら、またタイミングよく、知人が耳寄りな情報を教えてくれた。
@shunichitakano 麻婆豆腐+キムチの時、キムチをミンチっぽくみじん切りにしたら面白いですよ!
— 李信恵 이(리)신혜 (@rinda0818) November 1, 2015
これを見て、まず「キムチのマーボー豆腐」がすでに実際に作られていることがわかり、自信がついた。
それからまさにこのとき、キムチを細かく刻むかどうか、迷っていたのだ。もちろん、アドバイスに従うことにした。
さらに次のような情報も入った。
@rinda0818 @shunichitakano 目玉焼きに粗挽きの黒胡椒たっぷりかけて、刻んだ白菜キムチを和えて食べると美味しい。
— leny φ(^▽^)ノ#鶴橋安寧! (@LenyIza) November 1, 2015
なるほど、キムチと粗引きコショウの相性がいいようだ。
マーボー豆腐には、コショウ少々を入れるのが普通。これを粗引きコショウにしてたっぷり入れれば、花椒がわりのアクセントになるにちがいない。
以上のような経緯でつくった、キムチのマーボー豆腐。
これがまじで、ヤバイくらいにうまかった。
作り方は、マーボー豆腐と基本はおなじで、その際、甜麺醤と豆鼓、鶏がらスープなどのコクをつける材料をキムチで置き換えるという話。
煮込むには、水やスープは入れないで、キムチの汁や液体調味料、それに豆腐から出てくる水分だけで煮込むやり方を採用した。
マーボー豆腐だから、やはり豆板醤は入れることにする。
それから油は、普通のマーボー豆腐ならサラダ油を使うのだが、今回はキムチを入れるから、ゴマ油を使うことにする。
フライパンに、ゴマ油・大さじ3と、豚ひき肉・150グラムを入れ、弱いめの中火にかけて、スプーンで押しつぶしてほぐしながら、よく炒める。
豚ひき肉は、「ジュージュー」と水分が蒸発する音が収まるまで、たぶん4~5分、じっくりと炒めるのが、マーボー豆腐をつくる場合の一つのコツだ。
豚肉をよく炒めたら、
- 豆板醤 小さじ2くらい
- みじん切りのショウガ 大さじ1くらい
- みじん切りのねぎ 大さじ2~3くらい
- みじん切りにしたキムチ 100グラムくらい(300グラム入りパックの3分の1程度)
- キムチの汁 大さじ1
を入れ、さらに2~3分、じっくり炒める。
ここでキムチや香味野菜、豚肉のうまみが溶けた「香味油」をつくるわけで、これが味のベースとなる。
この香味油で、1~2センチ大に切った木綿豆腐・1丁(400グラム)を、1~2分煮る。豆腐の水切りは、しなくていい。
さらに、
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 淡口醤油 大さじ1
を入れ、フタをして弱火にし、ときどき鍋を揺すってまぜながら、5分ほど煮込む。
粗引きコショウ・少々をふり、味をみて必要ならば塩か淡口醤油を足す。
中火にし、片栗粉・大さじ1+水・大さじ2の水溶き片栗粉をスプーンで少しずつ、入れては鍋を揺すってまぜしながらトロミをつける。
水溶き片栗粉は、全部入れると多すぎると思うから、加減を見ながら調整する。
皿に盛り、さらに好みで粗引きコショウをかけてもいい。
酒の肴にもご飯のおかずにもバッチリで、非常におすすめ。
あとは、わかめスープ。
頭とわたを取った煮干しと乾燥わかめを30分くらい煮て、酒と塩、淡口醤油それぞれ少々で味付けする。
それに、白めし。
酒は、栄川。
キムチのマーボー豆腐があまりにもうまかったから、またダラダラと酒を飲んでしまうのだ。
寝るのも遅くなったから、きょうも、仕事はあまりできないのである。
「あきれるね。」
そうだよな。