貴重な新福菜館・支店の味。四条堀川 ラーメン「麺対軒」

2015/10/07

麺対軒

きのうは突如ラーメンが食べたくなり、「麺対軒」へ行った。ここはすでに廃業してしまった新福菜館・支店の味がそのままに残されている、貴重な店だ。

 

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四条堀川東入る北側にあるラーメン店「麺対軒」の主人は、今は廃業した新福菜館・丸太町店の関係者だったと聞いている。

なのでこの店のメインメニュー「醤油ラーメン」は、新福菜館の味そのままだ。

 

きのうは夕方、突如としてラーメンが食べたくなり、しかもその食べたくなったラーメンが、新福菜館・三条店の味だった。

新福菜館・三条店には、3年以上にわたって、週1回のペースで通っていた。実にうまいラーメンだったのだが、廃業してしまい、今はもうない。

それで家からわりと近くにある、新福菜館・三条店の味ともっとも近いこの麺対軒に行くことにしたわけだ。

麺対軒

 

本店へ行くことも考えた。べつに京都駅までバスで15分ほど行くことくらい、本当にそれが食べたければ、おれの場合は苦にならない。

でも、新福菜館は、本店と支店では、味がちがうのだ。

 

本店は、おれの見立てでは、カエシはちょうど魚を煮付ける煮汁とおなじ、しょうゆやみりんなどだけで、ニンニクと味の素は入っていない。

これは新福菜館が戦前の創業で、そのころの日本では、ニンニクや味の素を使うのは一般的ではなかったからだろうと思う。

これがいかにも「昔の味」という風情で、新福菜館本店のラーメンは、ラーメンというよりうどんに近い。

 

それに対して河原町店・丸太町店などの支店では、本店とおなじカエシに、ニンニクと味の素を加えていた。

戦後のラーメンは、ほとんどが、ニンニクと味の素を加えているから、こちら支店の味は、「ラーメン」といえるものになっていた。

 

新福菜館・三条店は、じつはさらに、河原町店・丸太町店ともすこし異なり、味の素は入っていたが、ニンニクの量が少なかった。これがなんとも絶妙な味だったわけで、何度食べても飽きることはなかったのだ。

 

本店と、河原町店・丸太町店などの支店とで、どちらがうまいかは、好みの問題とはいえる。ただ、本店の味は「ラーメン」の枠から外れているから、初めて食べた人にとっては、何のことやら理解できないのではないかと思う。

それにたいして支店の味は、少なくともそれがラーメンであることは、誰でもすぐに理解できる。そしてそれらは、それなりにうまい。

おれ個人も、新福菜館・三条店で食べ慣れてしまっているから、本店の味よりは、支店の味のほうが好きだ。

 

ところがこの支店の味、一般受けを目指したために特徴がなくなってしまったからなのだろう。丸太町店はおれが京都へ来る前に潰れ、河原町店も、2年ほど前に潰れてしまった。

三条店は、本店とも、それら支店ともちがう独自の味で、孤軍奮闘がんばっていた。ところがこらえ切れなくなったのか、1年半ほど前、とうとうニンニクを増やしてしまった。

すると果たしてその1年後、三条店も見事に潰れてしまった。

 

新福菜館の支店は、他にはまず天神川店。これは、本店とも、上の3支店のいずれともちがう、まったく独自の味になっている。ほかに府立医大前と京大前に支店があると思うのだが、それらはまだ食べたことがない。

なのでおれが知っている範囲で、新福菜館・三条店に近い味のラーメンが食べられるのは、もう新福菜館の店としては残っておらず、この「麺対軒」しかないという話なのだ。

 

言っておくが、このラーメン、決してまずいわけではない。どっしりとした、重厚なコクがあるラーメンで、初めてでも、食べる価値はぜったいある、貴重な味だ。

 

というわけで、きのうは麺対軒で、まずビール。

麺対軒

チャーシュー・キムチ・めんまの「三種盛り」420円があり、これがすぐ出てくるし、ビールのアテとしては最高だ。

 

店内には、トワ・エ・モワだの森昌子だのテレサ・テンだの、昭和歌謡が流れている。

麺対軒

こういう洒落っ気がみじんもない雰囲気が、おれのようなおっさんには落ち着けるのだ。

 

ビールを飲み終わったら、ラーメンと半チャーハンのラーメンセット900円。

麺対軒

 

麺は三条店とおなじ、近藤製麺の角麺。

麺対軒

しっかりと密度の高い、食べごたえのある麺だ。

 

チャーハンも、味つけにラーメンのカエシが使われていて、これがまたうまい。

麺対軒

 

 

ところでなぜ、潰れてしまった店のラーメンを、そのままの味で出してる麺対軒が潰れないのか。それは、企業努力の賜物でもあるようだ。

「生姜ラーメン」という、いわゆるこれまでのラーメンとはまったく異なるラーメンを開発し、これが話題になり、雑誌などでも取り上げられているとのこと。

麺対軒

 

また最近は、店の2階を、ワインやビールが飲める「秘密基地」にもしたそうだ。

麺対軒

 

■麺対軒

住所 京都府京都市下京区四条堀川東入る柏屋町14
TEL 075-241-1851
定休日 火曜
営業時間 月~金:11時~25時、土日:11時~23時

 

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