【京都・四条大宮飲み歩き】飲み歩きを満喫できる街。

2016/03/03

四条大宮飲み歩き

きのうは京都・四条大宮を飲み歩いた。四条大宮は、まさに「飲み歩き」の楽しさを満喫できる街なのだ。





 

飲み屋で飲むのは、何も酒を飲み、料理を食べるというだけのためにあるのではない。純粋に酒と料理のことだけいえば、僕などは家で自分で料理を作り、それを肴に酒を飲めば、十分すぎるほど満足できる。

それをあえて飲み屋に行くのは、やはり一つの「作品」を鑑賞するためだといえる。飲み屋は店主の作品なのだ。店構えや雰囲気からお酒や料理、そこに来るお客さん・・・。すべてが店主の日々の努力で作り上げられているものだ。

だからその作品を鑑賞し、作者である店主の人格に触れること。それこそが飲み屋の楽しみだと思う。

 

そう考えると、「飲み屋街」は、その作品が一堂に展示されている「美術館」のようなものだ。そこを飲み歩き、次々と作品を鑑賞していくことは、単に1軒の飲み屋で飲むのと比べると、次元の違う楽しみがあることになる。

 

飲み屋街にも、地域性や飲み屋街の成立過程などによって、それぞれに個性がある。飲み屋の個性はその飲み屋街の個性と切っても切れないものであり、その飲み屋と飲み屋街の渾然一体としたダイナミズムを知ることに、飲み歩きの意義がある。

 

四条大宮の飲み屋街は、そのような飲み歩きの楽しさを最大限に満喫できる街である。

四条大宮飲み歩き

街全体が、いわば「大人のテーマパーク」だとすら言いたくなる、一つの生き物のような有機的なつながりを持っている。

 

まず四条大宮の飲み屋は、ほとんどがチャージを取らない。なので1軒の店で3杯のお酒を飲んでも、3軒の店で1杯ずつ飲んでも、おなじだということになる。

だからお客さんも、常連さんの多くが複数の店を飲み歩く。どこの店へ行っても見知った顔があり、街全体が1軒の飲み屋みたいだ。

 

しかしそれは、偶然そうなっているわけではない。チャージを取らないことにより、店主が自ら飲み歩きを推奨しているのである。

 

きのうもまず行ったのは、たこ焼き「壺味」。

たこ焼き壺味

ここは開業30年以上になる、大宮の飲み屋の中では最古参となる店で、大宮の「ヘソ」といえるところだ。

たこやきやお好み焼き・鉄板焼きなどの料理がイチイチおいしいのはもちろんのこととして、それを店主が時間をかけ、じっくりと焼き上げるのを待たないといけないから、お店の雰囲気にせせこましいところが全くなく、ゆっくりと時間が流れる。

待ちながらお客さん同士でかわされる会話に加わりながら、「大宮ののんびりした雰囲気は、この店が発祥ではないか」と思うのだ。

たこ焼き壺味

たこキムチを食べながら、大将と話をする。

「今日も何軒か行かれるんですか?」

との質問。

しかしこれは、大将は単に質問しているのではない。僕が最近あまり大宮で飲めていないから、「ぜひほかの店にも顔を出してください」と勧めているのだ。

 

お店にとっては、他の店を勧めることは、べつに紹介料を取るわけでもなし、自分の店の売上が減ることだって考えられる。でもそれをあえて飲み歩きをお客さんに勧めることで、街全体を活性化させ、それによって自分の店も伸びていこうと、大宮の多くの店主が考えている。

 

壺味の大将に「いってらっしゃい、お気をつけて!」と明るく送り出され、次に向かった先は、ダイニングバー「Kaju’」。

ダイニングバーKaju'

 

元は祇園で大きな店を開いていたマスターは、べつに経営が傾いたわけでもないのにあえてそちらの店を閉じ、十数年前、当時はまだ寂れていた四条大宮の目立たない場所に、この小さな小さなバーを開いた。

10人入れば満員になるこの店は、新年会ともなると100人近くの常連さんが押し寄せる。だからマスターは初めから、自分の店だけを繁盛させようとは考えていなかったのだろう。

寂れたとはいえ、元は京都・繁華街の中心だった四条大宮。「この街をふたたび盛り立てたい」と考えて、この店を始めたのではないかと思える。

 

店主が他の店を積極的に勧めるのは、このマスターが始めたことではなかったかと想像する。特に若い人が新しく店を開けば、マスターは積極的に応援し、自分が行くのはもちろんのこと、自分の店のお客さんを紹介する。

おかげで四条大宮は、この10年で新しい店が次々とでき、以前とは様変わりして栄えていると聞いている。だからKaju’のマスターは、「大宮の中興の祖」と言ってもいいのではないかと思う。

ダイニングバーKaju'

きのうもマスターお手製のキムパを食べながらビールを飲んでいたら、あとからお客さんが入ってきて、僕の隣りに座った。僕がマスターに、

「これからあっちゃんの新しい店に行こうと思っているんです」

と話をしていると、そのお客さん、

「僕は今そちらから来たんです。いい店ですからぜひ行ってください」

と、僕に勧める。

普通なら、マスターの目の前で他の店を勧めたりするのはマナー違反ともなることだろう。でも四条大宮の飲み屋では、それは当たり前の光景なのだ。

 

マスターに、ふたたび「行ってらっしゃい」と送り出されて向かった先は、大宮通錦小路を東に50メートルくらい行った南側にある「新宿会館」。

新宿会館

 

入り口は怪しい雰囲気で、初めての人は入るのを躊躇することもあると思う。

新宿会館

 

この2階の奥にあるのが、「すたんでぃんぐBar Achi’」。

すたんでぃんぐBar Achi'

すたんでぃんぐBar Achi'

この店は今年1月15日のオープンで、きのうは初めから行こうと思っていた。

 

四条大宮がスゴミがあると思うのは、単に店主がお客さんに他の店を勧めるだけではない。常連のお客さんがお店を出すのを、熱心に応援するのだ。

常連さんは他のお客さんと強くつながっているわけだから、普通に考えてみた場合、常連さんが近くに店を開けば、お客さんを丸ごと持って行かれてしまうことを店主が怖れたとしてもおかしくない。

しかし四条大宮には、店主がそれを怖れて常連さんの出店を妨害するような空気は皆無。これまでも何人かの常連さんが、そうして新しい店を開いているし、今回オープンしたこのAchi'も、ママである「あっちゃん」は大宮の常連さんだ。

 

こんな飲み屋街、全国広しといえどもそうそうはないのではないか。このような店主の捨て身の努力によって、大宮の飲み屋街には明るく開けた、清々しい空気が満ち満ちているのである。

 


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すたんでぃんぐBar Achi'

あっちゃんは、勤めていた会社をやめ、この店を開いたそうだ。大宮は賃貸料が比較的安い物件もけっこうあり、この店も、ドアとカウンターのテーブルだけ取り替えて、あとは壁のペンキを自分で塗るなどしたことで、初期投資は低く抑えたとのことだった。

お店には、大宮の常連さんが多数来ている。

すたんでぃんぐBar Achi'

壁に貼ってあった開店のご祝儀袋にも、四条大宮の飲み屋の名前がたくさん見える。

 

お店の設定としては、「軽いツマミでお酒を飲む場所」というところ。

すたんでぃんぐBar Achi'

すたんでぃんぐBar Achi'

酒はビールから日本酒・ウイスキー・焼酎・ワインなど各種ある。

 

せっかくだから、つまみを色々と頼んでみた。まずはおでん。

すたんでぃんぐBar Achi'

1品100円で、3品なら280円。僕のは「大根が小さいから」と、250円におまけしてくれた。

関西風のうす味で、味がしみて大変おいしい。

 

こだわりわさびの板わさ・250円。

すたんでぃんぐBar Achi'

わさびはコロコロと歯応えがある茎も入れられているやつで、何よりカマボコが丸々1本入っていて、コストパフォーマンスが半端ない。

 

少しいぶしたポークハム・400円。

すたんでぃんぐBar Achi'

これも安くはないものが、すごい量が盛られている。

 

それにセロリの酢漬け・200円。

すたんでぃんぐBar Achi'

酢がマイルドなのがとてもよく、さらにかけられた粗挽きコショウが味を引き立てるという仕組み。

 

山吹色の壁にナチュラルウッドのカウンター、照明もやさしい色の光で、ちょっと湘南にでもあるカフェのようで、居心地はとてもいい。

すたんでぃんぐBar Achi'

僕は生ビールを2杯飲んだあと、さらに焼酎をおかわりした。

 

お勘定は、またビックリ。全部で1,900円ほどだった。お酒は3杯のんだから、1杯300円していないことになる。

美人のママと話しながらこの値段で飲めるというのは、「おすすめ過ぎる」と言うべきだ。

 

すたんでぃんぐBar Achi'

住所 京都市中京区錦小路通大宮東入七軒町470-32 新宿会館2F
営業時間 [火~金・土]18:00~23:30 [日]15:00〜19:30
定休日 月曜日

 

Achi'を出て、さらにおなじフロアにある「都」へ行った。

スナック都

ここも、四条大宮の常連さんが6年前に開いた店で、僕は開店したときから時々来ている。

 

スナックだから、セット料金は3千円。

スナック都

ただし僕は特別に、1杯飲みで計算してもらっている。

 

久しぶりに、カラオケもちょっと歌った。

スナック都

この店は、ママは僕と同年代。気取らない性格で、くつろいだ時間を過ごせる。

 

都を出て、腹が減ってきたから、四条堀川にある麺対軒でラーメンを食べた。

ラーメン麺対軒

ラーメン麺対軒

ラーメン麺対軒

ラーメン麺対軒

食べ終わったら、酒が一気に回ってきてもうフラフラ。本当はまだ行こうと思っていた店もあったが、そのまま帰宅してすぐに寝た。

 

京都には、もちろんいい飲食店は山のようにあるのは確か。

でも四条大宮のような飲み屋街はほかにはないから、観光で来た場合でも、来てみるのは絶対におすすめだ。







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