ガッツリいきたいと思ったら、やはり日本人は「豚肉とネギ」なのだ。これをてり焼きにすると酒もご飯もいくらでもいけ、411回は死ねる。
豚肉とネギの組み合わせは、関西ならまず「ソウルフード」ともいえそうな粕汁があるし、比較的新しいところならラーメンだ。ラーメンは関西・西日本では豚骨スープが使われて、そこにたっぷりと青ネギをかける。
ネギはだいたいの店で追加無料となっていて、ネギを追加した豚骨スープのラーメンを食べると、体がポカポカと温まることこの上ない。
日本は鎌倉時代から、ニンニクやネギ・ニラなどの「五葷(ごくん)」が禁止され、解禁された明治になっても、ニンニクだけは日本の食卓にはのぼらなかった。いまでもニンニクが苦手な人は多いと思う。
五葷にはすべて栄養素「アリシン」が含まれる。アリシンは単独でも、生活習慣病の予防や血栓の予防、感染症の予防、食欲増進効果など、ありがたい効果がたくさんあるが、最大なのは、やはり疲労回復効果だ。
アリシンが豚肉に豊富に含まれるビタミンB1と結びつくことにより、糖質の代謝が大幅に促進される。40歳を過ぎるとどうしても、疲れが溜まりやすくなったり、体が冷えやすくなったりするから、アリシンとビタミンB1は欠かせない。
ビタミンB1は豚肉に豊富に含まれる。アリシンは、五葷の中ではニンニクが一番なのだが、日本人はこれが苦手。
なので豚肉の相方には、ニンニクの代用品として「ネギ」が選ばれたのだろう。
そこできょうは、豚肉とネギのてり焼きにした。
ネギは1本を丸ごと入れたから、これはスタミナがあることこの上ない。
てり焼きとは、要は焼き鳥のタレをからめて焼くこと。肉とネギの組み合わせには黄金中の黄金だから、酒もご飯も何杯でもいけることは間違いない。
しかもこれは、つくるのも超簡単。豚肉とネギを焼き、最後にタレを加えて片栗粉でとじるだけだから、あっという間にでき上がる。
おかげで今朝は、食事の用意がいつもの半分くらいの時間で終わってしまった。手間がかかる料理が面倒だと思う人は、ぜひ試してみるべきだ。
豚肉は、今回は焼肉用の肩ロースが半額で出ていたから、それを使った。コマ肉などより多少厚みがあるものの方が、ネギと同じくらいの時間で火が通ってつくりやすいし、食べ応えもあっていいと思う。
作り方
フライパンに、
- サラダ油 大さじ1
- ニンニク 1かけ (みじん切り。これは任意)
- 豚肉焼肉用 150グラムとか
- ネギ 1本 (2~3センチ長さに切る)
を入れて、弱めの中火にかける。
豚肉とネギは途中で一度ひっくり返し、これからさらにタレを入れて煮からめるから、「やや足りないかな」というくらいまで火を通す。
一度火を止め、
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- しょうゆ 大さじ1
- オイスターソース 小さじ1
を入れ、ふたたび中火をつけて30秒くらい煮立てる。
火を弱め、
- 片栗粉 小さじ1
- 水 小さじ2
の水溶き片栗粉を混ぜながら少しずつ入れてトロミをつけ、皿に盛って粗挽きコショウをかける。
これはマジで、411回は死ねるのだ。
酒もご飯も、絶対に止まらない。
しかし今朝は、この豚肉とネギのてり焼きが死ぬほど酒に合うのはわかっていたのに、またしても「朝だから」という理解不能な理由によって、酒を飲まなかったのだ。
こんなことを続けていたら、僕はそのうち気が狂ってしまうのではないかと思う。
「狂わないよ」
そうだよな。