「ごはんを炊く」というと、「炊飯器がなければできない」と思う人が多いと思う。でもこれは、家電メーカーの宣伝に洗脳されているとしか言い様がない。
ごはんは普通の鍋で、時間も手間もまったくかからず、難しいことも大してなく、炊くことができる。しかも味は、炊飯器で炊くよりおいしい。
炊飯器は場所をとる上、使ってしまうと自分でご飯が炊けなくなる。米は日本人の主食であり、普通に炊くことの他にも炊き込みご飯やお粥などさまざまな料理法があるのに、その広い世界をみすみす逃すことになる。
自炊を継続するためには、趣味として楽しみを感じられるよう、工夫することが重要だ。炊飯器を使ってほんの少しの手間を惜しむことにより、その楽しみは大きく損なわれてしまうのだ。
18センチの片手鍋を使って1カップの米を炊く場合、とりあえず下のレシピ通りにやってみれば、そう大きく失敗はしないはず。あとは自分の好みに合わせて、火加減や水加減をいろいろと変えてみるのがいいと思う。
1カップ(200cc)の米を研ぐ。
水を4~5回替えながら、泡立て器で20~30回ずつシャカシャカやるのが、冬場でも冷たくないし、時間もかからず一番簡単。
研いだ米は、ザルに上げて15分くらい置く。
そのあと鍋に入れ、1.2カップ(240cc)の水を入れて中火にかける。
3~4分経って沸騰し、さらに吹きこぼれてきたら、弱火(吹きこぼれないギリギリの強い火)にする。
8分炊いたら中火にもどし、1分そのままにして水気を飛ばし、火を止める。
ここで、ガスレンジに自動消火装置がついている場合、炊いているとき8分経たずに火が消えてしまうことがあると思う。しかしこれは、ガスレンジではなくタイマーの方を信じるべきで、もう一度火をつけて、時間が来るまできちんと炊くようにする。
ガスレンジの温度検知器は、甘いのだ。たぶん炊飯器も似たよなものなはずで、これが炊飯器で炊くより鍋で炊いた方がおいしい理由ではないかと思っている。
10分ほど蒸らして茶碗によそう。
いやマジで、下手な炊飯器で炊くよりおいしいですよ。
ごはんの保存は、鍋のまま冷蔵庫に入れてしまうのがおすすめだ。
食べるときはチャーハンなどにするのもいいし、水を少し入れて弱火にかけ、水がなくなるまで蒸かせば、そのままでもおいしく食べられる。