きのうは、鯛と春キャベツの酒蒸し。
牛丼やコンビニ弁当ばかり食べる男は、アタマが悪いのだ。
鯛が上品でクセがない、といって淡白なだけではなくて濃厚なうま味もある、「魚の王者」と呼ぶにふさわしい味であるのは言うまでもない。しかも色もきれいで形もよく、食卓に出せば見栄えがする。
でありながら、コストパフォーマンスは極めて高いのが鯛の特徴だ。
大型のものならアラがよく、養殖モノなら100~300円。あまり身が付いていない安いのでも、あら汁や煮付にするには十分だ。
それから小鯛がまた安く、小さいといっても一人分には十分すぎる大きさのが、ふつうでも400円くらいで売っていて、これは全て天然だから、味もいい。
さらに鯛は、「腐っても鯛」と言われるとおり足が長く、多少古くなっても煮炊きする分には味が落ちない。
きのうはスーパーで、小鯛の見切り品が半額の223円で出ていたから買ってきたのだ。
これをどうやって料理するかだが、鯛はまずは、塩焼きがうまい。塩をふって焼くだけで、大根おろしやらポン酢やらは添えなくても完璧な味になる。
きのうはさらに、この塩焼きにした鯛を、春キャベツと一緒に蒸した。
これは先日、ツイッターで見たもので、鯛の濃厚な味がやわらかな春キャベツにしみ、またたまらないわけである。
このごちそうが、原価にして300円。手間も大してかからない。
カネがないことを理由に、牛丼やら、コンビニ弁当やらに頼る男もいるだろう。
そういう奴は「アタマが悪い」としか、全くのところ言いようがないのである。
小鯛はウロコとわた、エラを取るという下処理が必要で、スーパーなどなら、だいたいは処理済みのものが売っている。もし下処理されてなければ、鮮魚コーナーに頼めばやってくれる。
これを水で洗って水気をふき取り、小さじ1くらいずつの塩を表と裏の両面にふりかけ、グリルで焼く。
べつに中まできちんと火が通る必要はないのだから、強めの火で、表面にかるく焦げめが付くくらいでいい。
深めの皿にざく切りの春キャベツとしめじを盛り、その上に焼いた鯛をのせて、酒・大さじ1と淡口醤油・小さじ1をふりかける。
2カップくらいの水を入れたフライパンに入れ、フタを閉めて強火にかけ、煮立ってきたら中火にして15分蒸す。
そのままでも十分うまいし、味ぽん酢を少しかけてもいい。
鯛は、つくづくウマイのだ。
あとは、とろろ昆布のぬく奴。
とろろ昆布と削りぶしを入れたお椀に、お湯であたためた豆腐をお湯ごと入れ、淡口醤油で味付してネギをかける。
サワラの煮汁で煮た若竹煮。
煮汁とタケノコだけ冷蔵庫で保存しておき、ワカメは改めて入れて煮る。
それに、長芋せん切り。
卵黄と、わさび醤油。
酒は、冷や酒。
きのうは10時半からテレビを見ないといけなかったので、食事の支度は7時から始め、おかげで仕事ができなかった。10時過ぎまで仕事して、それから飲み屋で、テレビを見ながら食事したらよかったとあとになって気付いたが、すでに賞味期限がきのうまでの鯛を買ってしまっていたのである。
仕事より鯛が優先なのは、言うまでもないことだ。
「ちゃんと仕事しないと知らないよ。」
そうだよな。
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