羽田空港第一ターミナル・出発ロビーの南端にあるカレー店「ハネダカレー」。カレーに何を求めるかは人それぞれながら、「カレー店でもおうちのカレーが食べたい」という人には、この店は大変おすすめです。
羽田空港に、出発時刻の2時間半もまえに到着してしまったため、せっかくだからこの際、しっかりと時間をかけ、昼食をたべる飲食店を探してみることにした。案内板を精査し、カレーを食べることにした。
案内板によれば、カレーの専門店は、第1ターミナルに3つある。それぞれの店の前まで出かけ、店構えをチェックして、選んだのは2階出発ロビーの南端にある「ハネダカレー」。
選んだポイントは、まず高級そうではなかったこと。高級なカレーは、あまり好きではないのである。
それから値段が安いこと。
第1ターミナルのカレー専門店3軒のなかでは、ここがいちばん安い。カツカレー780円というのは、空港ではなく街場のカレー店のなかでもそう悪くない値段ではなかろうか。
カツカレーを注文。+180円でセットドリンクをつけられる。
お店は奥にもスペースがあり、くつろいで食べられるようになっている。
おうちのカレーが好きな人には大変おすすめ
さてこのカレー、僕には大変うまかったのだ。ところが家に帰って食べログを見てみると、コメントは「早く出てくるのがいい」「安いのがいい」というくらいで評価はあまり高くない。
これは「カレーに何を求めるか」のちがいだろうと僕は思った。
ラーメンとならんで国民食といわれるカレーなのだが、ラーメンとの大きなちがいは家でおいしいカレーがつくれてしまうことだろう。なのでカレーを出す飲食店は、家のカレーとの差別化を図ろうとすることになる。
でも差別化など、しなくていいのだ。家のカレーがうまいのだったら、それをそのまま飲食店でも出せばいい。
本当に一から手づくりでもするなら別として、ヘタな小細工はすればするだけ、家のカレーから遠ざかってマズくなる。
「堂々と家のカレーをだす度胸のある飲食店が少ない」というのは、かねてから僕の持論なのである。このハネダカレーはそれをきちんと実践しているという意味で、僕にとってはストライクゾーンど真ん中だった。
特筆すべきはカツのやわらかさ
しかしこのハネダカレー、ただ「家のカレーとおなじ」というだけではない。特筆すべきはカツカレーの上にのっているカツである。
だいたいカツカレーのカツは、うすくて硬いのが多い。ところがここのは、1センチ近くの十分な厚さがあり、それがもっちりとやわらかく揚げられている。これまで食べたカツカレーのカツのなかで「一番うまい」と思ったくらいだ。
わざわざカツを揚げてカツカレーをつくる家は少ないと思うから、そういう意味でこのカツに、ハネダカレーの飲食店としての矜持をみる思いがした。