柿生同様、百合ケ丘は古い街で、昔ながらの店がいくつもある。
僕はやはり、一般ウケをねらってめかし込んだ店よりも、多少うす汚くても、店員の愛想が悪くても、ボリュームのあるおいしい料理を安く出す店が好きなのだ。
その百合ケ丘で今回ランチに行ってみたのは、中国料理「杏花楼」。
ネットをみると、新百合ヶ丘にも支店があり、このあたりで中華といえば、この店が代表の一つとなるようだ。
百合ケ丘の駅からは徒歩5分ほどのところにあるのだが、車で行くと、駐車場は少し不便。
お店から前を通る津久井道を東に100メートルほど行ったところにあるパーキングに停める。
ここで料金を払う機械の右下のところにある茶色いボタンを押し、「駐車証明書」を打ち出してお店で見せれば、1,000円以上飲み食いした場合には割引されるようになっている。
この店は、円卓も3卓そなえたいわゆる本格中華の店となる。
一人の客にも嬉しい値段を抑えた小皿料理や……、
その他一通りの中華料理(下のメニュー以外にもたくさんある)。
グループのコースもあるから、一人から数人、十数人など、どういう場合でも対応できるようになっている。
定食も設定されていて、本格中華の店は定食を設定しないところもけっこうあるから、これは一人客には嬉しいところだ。
しかもその定食の値段が、500円となっている。
今どき500円の定食など、牛丼店でもないかぎり見たことない。
しかもお新香とスープ、杏仁豆腐がついて、さらに平日にはコーヒーまでつくという。
「きっとよほど粗末なものに違いない……」
そう思ったが、怖いもの見たさで角煮丼の定食をたのんでみた。
すると、来たのがこれである。
ご飯の量は、多すぎるほどで、かけられているあんもたっぷり。
分厚い角煮と……、
半熟の煮玉子も入っている。
しかも当然のことながら、味もいい。
一流の料理人をそろえていることはすぐわかる。
これで500円とはまったく信じられないことで、ほとんど儲けは出ていないと思われるわけなのだが、たぶんこれが中国式の商売のやり方なのだろう。
僕は蒲田で、普通のサイズ、ボリューム満点の餃子を100円で出す店も知っている。
中国人は、お客がよく頼みそうないくつかの料理を出血価格にすることで、お客に何度もきてもらい、そのうち普通の値段の料理も頼んでもらうようにするところがあると思う。
「商売がうまい」ということなのだが、500円でボリューも満点、非常にうまい料理が食べられるのなら、こちらも文句はないのである。
ただし欠点を一つ上げれば、駐車場が遠いこと。
しかも駐車料金が割引されるのは1,000円以上のときだけだから、500円の定食を一人で食べても割引されない。
駐車料金は、平日昼間は30分100円だった。
今回は30分をわずかに超えてしまったため200円だったのだが、それを加えて700円だったとしても、あの料理は「まだ安い」といえると思うから文句はないのだ。
杏花楼
- 住所 川崎市麻生区百合ヶ丘1-23-4 ダイヤマンション1F
- 電話 050-5590-3930 (予約専用番号)、044-969-4685 (お問い合わせ専用番号)
- 営業時間 11:00~15:00、17:00~22:00
- 定休日 12月31日