新百合ヶ丘にある実家にけっこう長く滞在していて、にんにくがたっぷり入ったガッツリとしたものをどう食べるかに頭をしぼるハメになっている。
自分で作れば一番早いわけなのだが、親の台所で料理するのは、置いてある調理器具やら調味利用やらにイチイチむかつき、気が乗らない。
それで外食店を探すのだが、まず気取った中流サラリーマンが多く住む新百合ヶ丘の外食店は、それに合わせた小洒落たところがほとんどで、ガッツリとしたものを出すいい店はあまり見つからない。
ところが新興の住宅地である新百合ヶ丘の両隣、百合ケ丘と柿生あたりは古くからの住宅街で、外食店もクセのありそうなところがいくつもある。
やはり物事、クセにこそ、興味と愛着が湧くものだというのが僕の意見。
そこで現在、柿生に足を延ばしつつあるのだが、ここで一軒、ガッツリとした中華を食べたい人には超おすすめの店を見つけた。
「香港料理・麒麟閣」。
「居酒屋」となっているが、昼は格安のランチを出す。
お店は小ぢんまりとしていて、4人がけのテーブルが2卓と、1人がけのテーブルが3卓のみだから、お昼の12時を過ぎるとすぐに満員になっていた。
店員は若い中国人で、店内のちょっと殺風景な雰囲気も、いかにも中国らしい感じがする。
ランチのメニューもけっこう豊富、日替わりのほかにも700円から定食がある。
しかもご飯とスープはおかわり無料。
麺類とご飯物も色々ある。
こちらも「大盛り無料」となっている。
青椒肉絲をたのんでみた。
にんにくは「多め」の指定だ。
出てきた料理を見て、その量にちょっとビックリ。
肉もピーマン・たけのこも大量で、皿の上にこんもりと盛り上がっている。
ご飯は一杯では、絶対にたりない分量だ。
しかもおかわり自由のご飯とスープに加え、サラダとキムチもついている。
これで800円だから、コストパフォーマンスは「まちがいなく高い」といえると思う。
食べてみる……。
しかも、ウマイ。
唐辛子を少しきかせたコッテリとした味つけで、ご飯がいくらでも進むやつ。
ピーマンの火の通り方も、硬すぎず柔らかすぎずの絶妙で、腕利きの中国人コックが作っているのはまちがいない。
それからこれは先日、2回めに行ったときに、回鍋肉もたのんでみた。
こちらも800円だが、チンジャオロース同様量がすごくて、5ミリ近い厚さのばら肉がゴロゴロと入っている。
しかもこちらも、超ウマイ。
肉はプルプルにやわらかく煮られたもので、口の中でとろけるようだ。
そしてキャベツが、「レタスか」と思うほど、シャッキリとしながらやわらかく、これまた絶妙な加減で油通しされている。
コックの腕はかなりのもので、値段は安いが、「本格中華」と十分よべるものだと思う。
弱点をあげるとすれば、お店には駐車場がなく、すぐ近くにあるコインパーキングを利用することになるのだが、そこがすぐ満車になってしまうこと。
でもそれも、電車で行けば駅から3分くらいだし、駐車場が空くのを待つことになったとしても、それでも行く価値は十分にあると思う。
なおこの店は、2時間一人2,000円ほどで、好きな料理を食べ放題(注文し放題)、さらに+1,000円で飲み放題というすごいコースの設定もある。
機会があれば、これはぜひ体験してみたい。
香港料理 麒麟閣
- 住所 川崎市麻生区上麻生5-44-33
- 電話 044-988-5538
- 営業時間 11:00~23:00
- 定休日 無休