チャンプルーだけでなく、沖縄そばにもハマっている。ネットで探して、「これ」と思う店へ出かけていく。
こないだ行ったのは、「島豚家」。名護市から県道84号を20分ほど行くとある。
ここはネットの評価が、驚くほど高いのだ。グーグル・マップは5点中4.7、食べログでもやはり5点中3.5となっている。
店主は本土・横浜出身なのだそうだ。ネットの口コミを見てみると、「本土だからこそ出せる味」とするのもある。
お店につくと、ド派手な看板。赤と黄色の色使いや、店の特徴を文にして掲げるところは、沖縄そばというよりもラーメン店みたいである。
店の名前に「~家」とつけるのも、横浜の家系ラーメンを思い出す。
車は店の前に停められる。入口は狭く見えるが奥に広くなっていて、7~8人が座れるテーブルの席もあるから、家族や団体のお客さんも多かった。
券売機の一押しメニューは、「炙り島豚そば(全部入り)」1,080円。すごい値段だ。「炙りあぐー本ソーキそば」という限定品は、1,500円もする。
ふつうは沖縄そばは、600円~700円が相場だから、その倍ほどの値段。
まさかそんなに高いとは知らず、昼飯はどんなに高くても1,000円以内で抑えたいと思っていたから、これにはちょっと、この店に来たことを後悔した。
でも来てしまった以上は仕方がない。炙り島豚そば(全部入り)と、それに「あぐーじゅーしー」の券を買った。
しばし待つと、注文した品が到着。
ものすごくでかい3枚肉が入っている。
言うまでもなく、この三枚肉がこの店のウリの一つだ。3日間かけて仕込み、さらに備長炭で炙るのだそうで、香ばしくて濃厚な味がする。
麺も自家製。モチモチだ。
スープは三枚肉のタレが溶け込むこともあり、かなり濃い。でありながら、かなり強くかつお節の風味がする。
あぐーじゅーしー。やはりゴロゴロと豚肉が入っていて、ふつうのより濃厚なのが特徴だ。
この店の沖縄そばは、僕は正直好みじゃなかった。何もかも、主張が強すぎるからである。
沖縄の、特に名護市の沖縄そばは、本当に控えめだ。スープは豚と鳥、昆布とかつお節で時間をかけて取るのだが、素材のどれ一つとして主張をせず、飲んだだけでは何が使われているのかも分からない、ただひたすら強いうまみだけを感じるというお店も多い。
しょうゆを使わず、塩だけで味をつけるところも多く、この「淡くかつ強いうまみ」は、僕は沖縄の強力な美点だと僕は思う。上品なのだ。
それにたいしてこの島豚家の沖縄そばは、すべてにおいて主張している。店構えが「ラーメン屋っぽい」と書いたが、味の作り方も、東京のラーメンにそっくりだ。
僕はその東京のやり方に、東京に40年住んで疲れたから、京都に、そして沖縄に来ているのだ。
ただしもちろん、この店の評価が高いということは、それを好む人も多いということ。好みは人それぞれだ。
特に東京から来た観光客には、この店の沖縄そばは分かりやすいのではないかと思う。