沖縄で沖縄そばは、本土におけるラーメンとおなじような位置付けにあるのではないかと思う。安価で手軽な朝めし・または昼めしで、豚肉がガッツリと入っているから労働者の体力の維持に役立つ。
お店は本土のラーメン屋とだいたいおなじような場所に、おなじような頻度であり(ただし車社会だから基本は郊外店で昼の営業)、味もラーメンと似ているから、ラーメン好きにとっては食べ歩くのは非常に楽しい。
きょうは名護市・宇茂佐の森(名護バスターミナルのあたり)にある、「玉家Jr.」へ行ってみた。
沖縄そばに関してはローラー作戦を展開する方針で、目についた店は片っ端から入ってみるつもりでいる。ラーメン同様、「沖縄そば」である限り、食べられないほどマズイことはないだろうと踏んでいる。
この店も事前情報は一切なしで行ったのだが、まだ午前11時半くらいの時点で、すでに車がたくさん停まっていたから、それなりの人気店なのだと思う。
お店に入ったらまず食券を買うようになっているのは、多くの沖縄そばの店が採用しているのと同様だ。
券売機冒頭の、「ソーキそば中」を購入。
麺は、「細めん」と「平めん」を選べるようになっている。
この店「玉家Jr.」は、那覇市の東隣にある「南城市」にある沖縄そば店「玉家」ののれん分けの店なのだ。南城市の玉家本店は、琉球放送が2011年に企画した「第2回あなたが選ぶ沖縄そば王決定戦!!」でグランプリ、「沖縄そば王」を獲得したこともある人気店。
そののれん分け店が、南城市は沖縄本島・南部にあるのに対し、北部である名護市にオープンしたということが、名護市の沖縄そばファンにとっては価値があることとなるようだ。
沖縄で、まだそれほど沖縄そばを食べているわけでもないから、地域ごとの特徴など、ちゃんとしたことは言えるわけもないのだが、それでも感じることはある。
那覇など南部の沖縄そばは、カツオだしの風味を際立たせる傾向にあるようだ。それにたいして北部の沖縄そばは、豚や鶏、カツオに昆布と、複数のだしの渾然一体とした調和を追求しているという気がする
これはラーメンでも同様のことがあるわけで、「どちらがいい」と言えることではないのはもちろんだ。どちらも食べたいわけである。
だからもし本土から観光目的など来て、南城市の本家・玉家に行くことができるなら、そちらに行くのがいいと思うし、僕もいずれは行ってみたい。
でも「名護市で仕事」とかいって、那覇市の方へはあまり行けないのであれば、名護市の沖縄そばとは嗜好がちがう、この「玉家Jr.」の沖縄そばを食べてみるのはおすすめであることになる。
澄んだスープをまずすすると、かつお節の風味が「プン」とする。
沖縄そば店の卓上には、薬味としてまずまちがいなく、紅しょうがと七味、それに唐辛子を泡盛で漬けた激辛の「コーレーグースー」が置いてある。でももしはじめて沖縄そばを食べるのなら、それらは使わないのがおすすめなのだ。
だしの風味がかき消されてしまうからで、使うにしても、まずはだしをよく味わって、それに「飽きた」と思ってから、味を変えるために入れるのがいい。
麺は「細めん」といっても、稲庭うどんに近いくらいの太さがある。
しかし原料はおなじ小麦粉でありながら、こちらはラーメンにも使われる「かんすい」が加えられているから、うどんより格段にコシが強く、さらに水をあまり加えないのだと思う、広島の中華そばなどとそっくりの「ゴワゴワ」とした食べごたえで、これがまた超弩級のパンチがあるソーキとよく合い、タマラナイのだ。
サイドメニューにいなり寿司があったから、それも頼んだ。
これがまた、東京の立ち食いそば店で出てくるような甘みの強いものではなく、ガツンと爽やかな酸味がきいているやつで、ソーキそばとの相性も抜群だった。
ただしいなり寿司はわりと小ぶりで、1個では足りなかった。
2個頼むのがおすすめだ。
玉家Jr.
- 住所 沖縄県名護市宇茂佐の森4-2-7
- 電話 0980-54-0243
- 営業時間 10:30~18:00
- 定休日 無休