10月7日、映像作家・横川 圭希氏による高江での阻止行動の報告会が京都でおこなわれ、僕も行ってきた。横川氏も高江での行動に参加していて、僕も現場で一緒になったことがある。
会場は、家から目と鼻の先にあるレストラン。
ここは「脱被曝」の人たちのたまり場になっているそうで、横川氏ももともと脱被曝の人だそうだが、僕はこんなに近くに住んでいながら、これまでぜんぜん知らなかった。
レストランだから、まずビール。
そのあとは泡盛につまみを頼んで話を聞いた。
横川氏は映像制作が専門だから、行動の現場でも、行動の様子を撮影し、ツイキャスで流している。ドローンも飛ばし、高江の米軍基地工事現場を上空から撮影もしている。
これは高江・やんばるの森を切り開かれて作られているヘリパッドの建設現場。
古来からつづく森の木を無残にも伐採し、直径70メートルのヘリバッドおよび道路がいくつも作られているのである。
高江の住民は何度も反対の決議をするが、150世帯あまりの小さな集落であるために、その声はこれまでなかなか届いてこなかったと、横川氏は話す。おととし亡くなった、ある一人の「おじい」が工事現場の門の前で座り込んだことをきっかけに、高江での阻止行動は始まったとのことだ。
それから話は、つい数日前に起きた、高江での逮捕のことにも及んだ。差別対抗団体「男組」のリーダーである高橋直輝氏が、那覇空港で沖縄県警に逮捕された。
逮捕の容疑は、工事現場内での阻止行動で、高橋氏と防衛局員がもみ合いになり、防衛局員を「押し倒した」というものだ。
しかし横川氏は、その現場を目撃していた。
仲間を追って道を先に進もうとする高橋氏は、それを制止しようとする防衛局員と、たしかにもみ合いにはなったそうだ。しかし高橋氏が「押し倒した」という事実はなく、横川氏には、むしろ防衛局員が積極的に「自分から倒れた」ように見えたそうだ。
ところがそれが道の端だったものだから、盛り土が斜面になっていて、防衛局員は本当にすべって転んでしまった。それで頭を石に打ちつけて「ゴンという音がした」と横川氏は言っていたから、「全治2週間のケガをした」のは本当らしい。
防衛局員は、なんとか警察が介入する口実を作りたいのだ。そこで自分から転んだものを「高橋氏に押し倒された」と証言し、被害届を提出したものと思われる。
なんと汚い手を使うことか……。
防衛局や警察は、工事を推進するためにはもはや手段を選ばなくなっている。
高橋氏が拘置されている名護警察署には、高江で行動する仲間が毎日駆けつけ、「高橋氏を返せ」と声を上げているそうだ。
僕も言いたい。高橋氏を早く返せ。今すぐに釈放しろ。
横川氏の話が終わって、懇親会。そのあとさらに店を替え、2次会となったところで失礼した。
僕の行き先は、なじみのバーである「スピナーズ」。
「ちょっと一杯」と思って寄ったが、久しぶりだったこともあり、一杯では済まなかったのは言うまでもない話である。