あさりとソーセージを入れたリゾット。リゾットはピラフにくらべ、水加減などがアバウトでいいから簡単なのだが、それなのに、これはあさりのうま味で801回はまちがいなく死ねる。
リゾットは本当はイタリア料理で、ピラフとトルコが発祥なのはいっしょなのだが、米を炒めずにそのまま炊くなど作り方には違いがあり、別種の料理ということらしい。
でも、そんなことはどうでもいいのだ。だいたい僕は、イタリアのリゾットを食べたことがない。
世界中の料理を食べたことがなければ作れないなら、料理など誰も作れないのだ。
肉じゃがは、シチューを食べたことがなかった日本のコックが、想像でシチューをつくったらああなったという話もあるし、知らないことが、逆に新しいものを生み出すことも、稀にある。
このブログでは、リゾットは「ピラフのおかゆ版」という意味で、作り方はまったく同じ。ちがいは、水の量が多いか少ないか、というだけだ。
水が多い分、リゾットはピラフより作りやすい。水加減にあまり慎重にならなくても、「まあ米の5倍量くらい」の水を入れれば、おいしいのができてしまう。
初心者は、ピラフよりリゾットを先にやったほうが、失敗する可能性が少ないのはたしか。でも「失敗は成功のもと」ともいうのだから、失敗してもあまりくじけず続けることで、料理はだんだんうまくなるのは言うまでもないのである。
それで今朝は、あさりとウインナーのリゾットを朝めしにした。
あさりは日本流に炊き込みごはんにしてもうまいのはもちろんのこと、洋風ごはんにもたいへん合うのだ。
ただあさりだけだと、ややコクに足りないところもあるし、だいいち豚肉が入らないとスタミナ的にイマイチだ。
それでウインナーを加えると、味的にも栄養的にもバッチリという話になり、これは晩めしのメインにしても、十分見劣りしないはずだ。
作り方
この料理は、作り方のコツは、あまりない。適当に作っても、おいしくできてしまうという魔法のような料理なのだ。
ただあえていえば、あさりをキチンと砂出しして洗うこと。
スーパーで売っているのはすでに砂出しされているから、砂出しは「念のため」という話なのだが、やはり砂をガリッと噛んでしまうのはちょっと悲しい気持ちがするから、しておくに越したことはない。
砂出しは、
- 水 2分の1カップ
- 塩 小さじ2分の1
くらいの塩水に、30分以上つけておく。これを朝食べるなら、夜のうちに塩水にあさりをひたし、冷蔵庫に入れておくと、バッチリと砂が出る。
あとあさりは、砂出しよりもむしろ洗うことが大事であって、殻の外側に臭みの元がついているから、これをキチンと落とすことが必要なのだ。
水を4~5回は替えながら、両手であさりの殻をガシガシと擦って洗う。
フライパンに、
- オリーブオイル 大さじ1
- ニンニク 1かけ (みじん切り)
- 玉ねぎ 4分の1個 (みじん切り)
- ウインナー 2本 (2~3ミリの小口切り)
を入れて強めの弱火にかけ、4~5分じっくり、玉ねぎの水気が飛ぶまで炒める。
米・2分の1カップを洗わずにそのまま入れ、2~3分、米が油を吸って透き通った感じになってくるまで炒め、砂出しして洗ったあさり・200グラムをくわえて一混ぜする。
- 水 2カップ
- コショウ 少々
を加えて中火にかけ、1分ほど、鍋を揺すって全体を混ぜながら(ヘラなどで混ぜると粘りが出るので注意)しっかり煮立てる。
フタをして25分炊き、最後に味をみて塩加減をする(塩はあさりが大量に吐くので、たぶん入れなくてもいいはずだ)。
皿によそって粗挽きこしょうとみじん切りのパセリをかける。
これは、ウマイ……。
あさりのうま味にしみじみし、801回はまちがいなく死ねる。
味を吸いながらも、プリプリとした張りを保った米は、マジでたまらない。
しかし今朝も、ただ「朝だから」というだけの理由で、これだけ酒に合う料理がありながら、飲まなかったのだ。
僕はもう、本当にダメ人間になってしまったのではないかと思い、絶望に打ちひしがれている毎日だ。
「バーカ」
だよな。