きのうは、マーボー大根。やわらかく煮えた大根と、コッテリ・ピリ辛のマーボーは異常に合い、これはまちがいなく死ぬから、絶対に作るべき。
きのうも案の定、仕事はあまりできなかった。旅の疲れが今ごろ出てきたからだ。
しかも出てきただけではない。それが何日もつづく。
9月に東京へ行ったときには、それで体調をくずした。1週間くらいして風邪を引き、熱は3日ほどで下がったものの、結局1ヶ月くらい、ずっと調子が悪かった。
若いころには、なかったことだ。多少の無理をしたとしても、一晩ぐっすり寝れば、疲れは取れた。
長生きは、したくないものだ。だいたいついこないだまで、人生は50年だったのだから、べつにそれでいいではないか。
もうあとは死ぬだけなのに、それが20年も30年もつづくようでは、気が滅入る。
神様には、早く「お役御免」と、してもらいたいところである。
とは思うのだが、酒を飲めば、それも忘れる。おれはほんとに、酒だけ飲んで人生を全うしたいのだが、そうもいかないのがツライところだ。
きのう作った肴は、マーボー大根。
「絶対につくろう」と、昼間から決めていた。
だいたい、うまいに決っている。あんかけの肉みそをかけたふろふき大根は、大根の代表料理の一つ。マーボーは、その「中華版」という話。
大根だけではちょっと寂しかったので、きのうは厚揚げと、それに彩りとして、しゃっきりと炒めたピーマンを入れた。
マーボーは、書いてある通りにやれば、べつに失敗もしないと思う。ふつう使うことになっている甜麺醤は、赤出しみそで完全に代用できるから、買わなくていい。
それからマーボーは、中国山椒「ホワジャオ」を使うのが流行りだ。でもこれも、マーボー以外に使い途はないのだから、よっぽどマーボーを作るのなら別として、だいたいは戸棚の肥やしになるのがオチだ。
これが実は、「粗挽きコショウ」で完全に代用できる。
粗挽きコショウとマーボーはおどろくほど合うから、試してみるのはおすすめだ。
まずは、大根を下ゆでする。
皮をむく必要はないから、そのまま2センチ大くらいに切り、15分~硬いのだと30分くらい、弱めの中火くらいでしっかりと沸騰させながら、串がすっと刺さるようになるまでゆでる。
それからピーマンも、やはり2センチ大くらいに切り、サラダ油・大さじ2分の1くらいを入れて中火にかけたフライパンで、さっと歯ごたえを残すようにして炒め、皿にとり出しておく。
あらためてフライパンに、
- サラダ油 大さじ2
- 豚ひき肉 150グラム
- ニンニクみじん切り 1かけ分
- しょうがみじん切り ニンニクと同量くらい
- 豆板醤 小さじ2~3
- 八丁・赤出しみそ 大さじ1
を入れて中火にかけ、3~4分か、ひき肉をスプーンで押しつぶしてほぐしながら、水分が弾ける「ジュージュー」という音が収まってくるまで、じっくり炒める。
下ゆでした大根と、1~2センチ大に切った厚揚げを加え、サッと炒めたら、
- 水 1カップ
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 淡口醤油(淡口にするのは色を鮮やかにするため) 小さじ2くらい
- 黒コショウ 1ふり
で味付けし、落としブタとフタをして15分ほど、弱火でじっくり煮る。
ちなみにもし時間があれば、煮たあと火を止め、フタをしたまま冷ませば、よりしっかり味がしみる。
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ2
の水溶き片栗粉を、混ぜながら入れてトロミをつけ、
- とり出しておいたピーマン
- 小口切りの青ねぎ 1つまみ
- 酢 小さじ1
- ゴマ油 小さじ1
を入れて、全体を大きく返して火を止める。
皿に盛り、たっぷりの粗挽きコショウをかける。
これは、死ぬ、、
ホックリと煮えた、やわらかい大根。
そこにコッテリ・ピリ辛のマーボーが絡んでいるのは、本当にたまらないから、これはぜひ作るべきだ。
あとは、わかめスープ。
頭とわたを取った煮干しとニンニク1かけ、たっぷりのわかめを20~30分、わかめがトロトロになるまで煮て、細く切った油あげともやしを加えてさらに煮て、酒と、みりん少々、淡口醤油と、コショウ少々で味付けし、お椀によそって、青ねぎとゴマをかける。
それに、白めし。
酒は、焼酎水わり。
疲れているのに、酒はいつも通り飲み過ぎる。
飲み過ぎれば疲れに加え、二日酔いまで残るのに、疲れていればいるほど酒はうまいわけだから、それも仕方ないのである。
「飲まずに早く寝ればいいのに。」
そうだよな。
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