料理をするにあたって洗い物などの片付けは欠かせない。
「料理は好きだけど片付けが面倒で……」
そのように嘆く人も多いのではなかろうか。
片付けの面倒くささを完全に払拭する方法は、寡聞にして筆者 高野はまだ知らない。
しかし、軽減する方法はある。
この記事では、料理の片付けの面倒くささを軽減するための考え方と、具体的な方法を紹介したい。
調理器具の片付けは料理と並行するのが基本
料理をすると、使った調理器具の洗い物・片付けが必要になってくる。
この調理器具の片付けは「料理と並行して行う」のが基本なのだ。
片付けるべき調理器具がでるたびに片付け、料理が完了した時点では、最後に使った鍋なりお玉なりを残すのみとなっているようにする。
その理由は以下の3つだ。
理由1 洗い物の量が増えるほど面倒くささが増えるから
第一の理由は、片付けを後回しにして洗い物の量が増えると、その分面倒くささが増えることだ。
「片付けや掃除が趣味」という人もいるから、そういう人にとっては、
「お~、こんなに洗い物がたまると燃えるぜ」
となるのかもしれないが、そうでない一般の人にとっては、洗い物の量が増えれば面倒くささもその分増える。
洗い物が「1つだけ」というなら、たいして面倒くさくない。
そこで、このたいして面倒くさくない1つだけの片付けを、細かく積み重ねていくわけである。
調理器具を使い終わったら、それを流しに置くのではなく、即座に洗って水気を拭き取って、元にあった場所にしまうところまでやってしまう。
こうすると、片付けの回数は増えても1回ごとの面倒くささがほとんどないから、面倒くささの総量は小さくなるというのが筆者 高野の考えだ。
ただし、調理器具1つごとの片付けは料理作成の序盤に適用できる方法で、後述のとおり火を使いだしたりなどすると、ある程度まとめてやらなければいけなくなることもある。
理由2 片付けの面倒くささを料理の楽しさで紛らわせられるから
片付けを料理と並行してこまめにやるのは、片付けの面倒くささを料理の楽しさで紛らわせられるからでもある。
片付けを料理や食事が終わってからまとめてすると、流しに山のようになった調理器具や食器を目の当たりとし、片付けにしっかりと向き合わうことになる。
しかし、これはあまりにも辛いわけだ。
そこで片付けを料理の合間に、料理のついでとして行うことで、料理の楽しさで片付けの面倒くささを相殺できるわけである。
理由3 小さな達成感を積み重ねていけるから
片付けをこまめにやれば、小さな達成感を積み重ねていけるのも大きい。
調理器具を片付ける際には、洗って水気を拭き取って、元の場所にしまうのみならず、シンク周りの飛び散った水滴をサッと拭き、さらにふきんをサッと洗って絞るところまでやってしまう。
そうすると、
「お~、きれいなキッチン、気持ちいい~」
と、小さな達成感が湧くのである。
この達成感も、片付けの面倒くささを軽減するための要因として非常に大きいものなのだ。
調理器具片付けのタイミング
以上のように調理器具の片付けは、料理と並行してこまめにやるのが基本となる。
ただし、以下の通り料理の段階によって多少の変化が必要だ。
序盤は1つずつ片付ける
料理の序盤は、食材を切ったり下ごしらえをしたりとなるから、比較的ゆっくり進む。
片付けの時間も取りやすいから、調理器具は1つ使い終わったらそのたびに片付けるようにする。
前述のとおりその際、キッチンの汚れや水滴の拭き取りまでしてしまい、キッチンを常にきれいに保つと小さな達成感も味わえる。
煮物を作る場合なら片付けは煮ているあいだに
ただし、細かく片付けられるのは火を使い始めるまでなのだ。
火を使い始めたら、鍋の状況に合わせて行動しないといけないから、いつでも片付けできるというわけにはいかなくなる。
作るのが煮物なら、それまでに使った包丁・まな板をはじめとする調理器具は、煮ているあいだにまとめて片付ける。
一人の料理は自分ですべてをやらないといけないから、この煮時間は、片付けのみならず食卓の準備や食器の用意など、多くのことに活用できる時間となる。
炒め物なら一度火を止めてしまうのもグー
煮物の場合は上のとおり、料理から手を離せる煮時間に片付けできるが、炒め物の場合はそうはいかない。
炒め物は火の通りが早いから、基本的にフライパンの前にずっといなければならず、手を離せる時間がないからだ。
したがって、炒め物を作る際には途中で一度火を止めて、片付けのための時間をあえて作るのがおすすめなのだ。
火を止めるタイミングは「味を入れる前」が適当だ。
炒め物を作る際には、基本的にまず油で炒め、最後に調味料やスープを入れて仕上げるという手順になる。
調味料やスープを入れると材料は急速にしんなりするから一気に炒め上げることが必要だが、その前なら火を止めて、そのまましばらく放置しても、全く問題ないのである。
最後に使った調理器具は食べる前に片付ける
こまめに片付けしても、料理が終わって器によそった時点でどうしても、最後に使った鍋やお玉などの調理器具が片付けできずに残ることになる。
この最後に使った調理器具の片付けは、片付け論的には食べる前にやってしまったほうがスッキリする。
ただし、以下のようなケースもあるだろう。
- できた料理は間髪入れず、熱いうちに食べないと我慢できない
- 完成した料理の写真を撮らなければならない
そのような場合には、最後に使った調理器具の片付けが食後となり、片付けの面倒くささが多少増すのは仕方がないことといえる。
キッチンの片付け方法
料理の片付けは調理器具や食器のほかに、キッチン全体についてもある。
その片付け方法について、高野の考えを紹介する。
キッチンの拭き上げは毎日やる
キッチンは、レンジ周りに油汚れが、そして流しにはぬめりがつくから、それらを落とすことは重要だ。
特に問題になるのは、レンジ周りの汚れとなる。
レンジ周りの油汚れを落とすというと、洗剤などを使った大掛かりなものをイメージし「大変」と思う人もいるかもしれない。
しかし、油汚れが洗剤を使わないと落ちないのは、時間が経って酸化するからで、汚れがついてすぐ(1~2日以内)ならば、水拭きで十分落ちるのだ。
したがって「キッチンの拭き上げは毎日する」ことが、キッチン掃除の面倒くささを軽減する大きなポイントであることになる。
拭き上げは、ほんとに水を固く絞っただけのふきんでやればよい。
隅から隅まで拭き上げても、所要時間は5分程度だ。
ピカピカに拭き上げられたキッチンは、料理のモチベーションを大きく高めるのは言うまでもないことである。
キッチンの環境整備も拭き上げを前提に
キッチンの拭き上げを毎日するにあたって考慮しないといけないのは、「キッチンの環境を拭き上げに適したものにする」ことだ。
ポイントは、
「レンジ周りには調味料などの物を置かない」
ことである。
レンジ周りに調味料や調理器具などを置きたくなる気持ちはわかる。
しかし、レンジ周りにある物は、炒め物などをすれば油がはねて油汚れがつくことになるから、キッチンの拭き上げにあたってそれらも拭かなければならなくなる。
小さいもの一つ一つを拭くのは非常に面倒くさいのだ。
したがって、レンジ周りには基本的に物は置かず、調味料などでどうしても近くに置きたいものは、レンジからちょっと離れた場所に置くことが重要だ。
レンジから離れた場所なら油汚れはつかないから、毎日拭かなくても問題ない。
このキッチン周りの環境を拭き上げに適したものにするかどうかで、拭き上げの手間は天地ほども変わってくるから注意しよう。
キッチン拭き上げの手順
キッチン拭き上げの手順は、筆者 高野が毎日やっているものを紹介すれば以下のとおりとなる。
- レンジの五徳やグリル排気口天板などを外して拭く
- レンジの上面および側面、ガス栓、ガス管を拭く
- レンジを横にどけて、レンジが置かれている台、そのまわりの壁、および換気扇の底面および側面を拭く(ネジ止めされているものを外したりまではしない)
- 調理台およびそのまわりの壁を拭く(調理台のそばに置いてある調味料を拭くのは1週間に1回くらい)
- 流しのまわりの壁および水栓を拭く
- 排水口内部のポケットに溜まったゴミを捨て、排水口内部と流しの内側を洗剤をつけたスポンジで洗う
- 流し周りの水ハネを拭き上げる
使用するのは基本は水を固く絞ったふきんだ。
1ヶ月に1回くらい、油膜が取れにくくなってきたと思ったら、重曹水をシュッシュッと吹いて2度拭きすることもある。
拭き上げるポイントは、ガス管と水栓をしっかり拭いてピカピカに光らせることだ。
ピカピカと光るキッチンはそれだけで、料理のモチベーションが非常にアップするからだ。
ポイントを押さえて片付けしよう
料理をするのに欠かせない調理器具や食器、およびキッチンの洗い物と片付け。
面倒くささを完全になくすことはできないが、軽減することはできる。
ポイントを押さえて片付けし、自炊のモチベーションを高めていこう。