以前からぜひ行ってみたいと思っていた沖縄。ようやく来ることができたのだが、目的は観光ではない。
沖縄県北部にある東村高江区では、米軍によるヘリパットの建設工事が強行されようとしている。抗議する住民にたいし、警察は法律無視の激しい暴行をともなう排除をおこない、僕もその暴行現場の動画をみたが、「これは絶対に許してはいけない」と思った。
県外からも多くの人が沖縄に入り、住民の人達といっしょに抗議をしている。僕もきのう、ようやく来ることができたというわけだ。
とはいえ初めての沖縄だから、できるかぎり沖縄の人や自然、文化や食べ物にも触れてみたい。
そこで那覇空港に到着したら、とりあえず沖縄そば。
那覇空港内には、沖縄料理を食べさせる店がいくつかある。ネットで調べると、この「空港食堂」は評判のよい店の一つのようだ。
ウインドーをみて注文を決め、食券を買って入るようになっている。好きな席に座ると、店員ができ上がった料理を持ってきてくれるシステムだ。
まずビール。
銘柄は、やはりオリオン。
そしてソーキそば・650円。
僕はソーキそば、初めて食べたのだけれど、これはうまかった。
ソーキとは豚の背骨、スペアリブのことで、これを軟骨までがトロトロになるまでやわらかく煮ている。きちんと味もしみていて、「ホロホロの骨付きチャーシュー」のようなものだが、ラーメンとは、スープがまったく違っている。和風・うす味のカツオだし、要は関西風のうどんだしと全くいっしょなのである。
肉をうどんに入れるのは、関西だと肉うどんがある。カツオだしと牛肉や豚肉は「黄金」といえるほどよく合うわけで、ウマイに決まっているのだ。
加えて麺が、またうまい。
ちょっと太めの平たい麺で、ゴワゴワとしたラーメンに近い食べごたえ。ラーメンの麺は、豚肉との相性はこの上ないわけで、このソーキそば、ラーメンとうどんのいいとこ取りをしたようなものだと思った。
宿泊先は、那覇市からバスに2時間ほど乗って名護市に行き、名護市はずれの「屋我地島」の海沿いにある民宿だ。
民宿の後ろの海は、プライベートビーチ状態。ただしもうお盆を過ぎてクラゲが出ていて、海には入れないとのことだった。
これで1泊素泊まり3,300円だから、安いのではないかと思う。
夕食は、近くにある「マリン食堂」で食べる。
ここは「海人の宿(うみんちゅのやど)」という民宿も経営していて、民宿で食事を注文した場合には、このマリン食堂で食べるようになっている。
ただし民宿のお客でなくても、僕達のように問題なく食べられる。
晩飯は、1食1,000円で、生ビールは400円。
まずはお刺身。
ここは漁師が経営しているから、魚がスゴイ。手前左の石垣鯛は、3時間ほど前に亭主が海に潜ってとってきたものだそうだ。
コリコリと歯ごたえがある鯛は、そうどこでも食べられるものではない。
それから、おかず各種。
鶏肉と野菜の煮物は、完全に「おふくろの味」。実際ここは、たぶん60代くらいのお母さんが作っているのだ。
汁も、トロロ昆布の吸い物に卵を溶き入れたもののようで、ほっこりウマイ。
それに、シークワーサージュース。
すだちほほどの大きさのシークワーサーを、お母さんはいちいち手で絞るそうだ。
ところが……。
沖縄だから、泡盛があるのである。しかもこの店、ご主人もいっしょに飲むときは、泡盛は何杯飲んでもタダ。
泡盛は、クセが強いのではないかと思い、僕はこれまで敬遠していた。ところが泡盛は米が原料で、水割りにすると実にまろやかで飲みやすい。
やはり酒好きのこの店の大将に注がれるまま飲みつづけ、大将の三線を聞き……、
ほかのお客さんも合流して大宴会状態となり……、
としているうちに、何杯飲んだかわからないくらい飲み、完全に前後不覚になってしまった。
今朝起きても、まだ酒はずっしり残っている。いまはお盆でヘリパットの工事はお休みで、だから抗議も休みになっていて、それでも問題ないものの、工事が再開したら、こんなことはしていられないのは言うまでもないことだ。
「しっかりしてよ」
そうだよな。