ヘリパッドの工事は14日~18日まで休みになった。そこでおとといは、高江の川へ遊びに行った。
沖縄に来て2日目の朝食は、やはり宿から近所の食堂「マリン亭」で食べた。
グルクンのフライとオクラのおひたし、もずく酢、高菜か何かを巻き込んだ玉子焼き、豆腐のみそ汁。
グルクンは、「タカサゴ」ともいわれるスズキ目の白身の魚。沖縄ではよく獲れるらしい。
マリン亭では、料理は60代くらいの「お母さん」が作っている。まさに「家庭の味」で、素材の味を活かし、味つけは最小限。化学調味料などは、もちろん使っていない。沖縄で、このような家庭の味が食べられるのは、僕のような外から来た者にとっては貴重なことだ。
これに加えて、シークワーサージュースとたっぷりの果物が毎食出てくる。
栄養のバランスも、申し分ないところ。
食事を食べて一休みしてから、高江の近くを通る新川へでかけた。
このあたりは鬱蒼としたジャングル地帯で、そこを清流が走っている。
ダムの下流にあるために浅くて流れがゆるやかなので、川遊びのスポットになっていて、子供連れの家族がたくさん来ていた。
ここにおとといは、大の男が3人で来たのである。
仲間のなかには、すでに沖縄で何日も抗議をし、疲労困憊している者もいる。やはり物事、ONとOFFをはっきりと分けることは大切だ。
ジャングルの中を走る清流を、空気の入ったビニールのマットに乗って、水中メガネで水の中を見ながら、上流へと上り、また下りてくる。
人の角質を食べてくれるドクターフィッシュやエビもいて、なんとも癒やされるひとときだった。
夕方まで遊んだあと、ちょうど高江で「エイサー」があるというから見に行った。この日は沖縄の送り盆に当たる日で、若者たちが民族衣装を着て踊るのだ。
ひと通り見物し、マリン亭にもどって食事。マリン亭でも送り盆のお供えである「ウークイ」を作っていて、それを僕達にも分けてくれた。
肉や魚、野菜の各種揚げ物と、かまぼこ、ごぼうの煮付けなど。
それから手巻き寿司。
スペアリブを昆布と大根といっしょにほぼ塩味で煮た、ソーキ汁。
家庭ではこれを、ご仏壇にお供えし、「ご先祖様はもう食べたかな」というころになって、家族で食べるのだそうだ。
きのうの朝めしも、うまかった。
マリン亭の食事は食べるたびに、2億5632万回は死ぬ。
スパムのみそ汁。
一種の豚汁となるわけで、とてもうまい。油あげとヘチマが入っている。
ゴーヤチャンプルー。
ゴーヤはとても薄く切ってあって、細かく刻んだスパムと小さめの豆腐、それにやはり細かく刻んだジャガイモが入っている。バターと、それに砂糖がほんの少し入っているのではないかと思う。
それから、これがウマイのだ。
油みそという名前だそうだ。ゆでた豚肉を適当な大きさに切り、みそと砂糖で味つけする。
きのうは、民宿の裏のプライベートビーチへ行った。
クラゲが出ているという情報もあったのだが、それは土用波が立っているときの話であって、いつもというわけではないようだ。きのうはまったく問題なかった。
ビーチの手前には南国風の植物が植えられていて、洒落たベンチがあったりする。
水の透明度は、ほんとにスゴイ。
沖まで遠浅になっていて、先の小島まで、やはりビニールのピーチマットで往復する。
僕は海は好きなのだが、来たのは実に20年ぶりのこと。本当に満喫した。
晩めしもウマかった。
ソーキそば。
これは、初日に空港で食べたのよりうまかった。だしが、しょうゆがほんの少ししか入っていないと思われるうす味で、カツオだしではないかと思うのだが、ものすごくコクがある。
麺がきしめんのように平たくて太く、きしめんより歯ごたえがある。
マグロの刺身。
近所で釣ってきたのを分けてもらったのだそうだ。
それから、牛肉といんげんの炒めもの。
きちんとトロミがつけられた、かなり本格的なもの。
そしてビール、つづいて泡盛。
翌日は高江に抗議に出かけるため、朝3時半に起きなければならなかった。ところがご主人に勧められ、ほかのお客さんとまたしても盛り上がっているうちに、気づいたら他の仲間は先に宿にもどっていて、僕1人が11時すぎまで飲んでいた。
「さて寝よう」と思ったのだが、さらにご主人と話し込み、終わったのが0時18分。
ところが……。
宿の門限は0時までだったのだ。
仲間に電話やLINEをしても、すでに携帯の電源を切って寝ていたから、連絡つかず。締め出されてしまった宿の鍵を開けてもらうことはできず、けっきょくマリン亭へもどってそこで仮眠することになってしまった。
「ダメダメじゃん」
ほんとだな。