料理を始めようと思ったら、道具を揃えないといけません。初心者が料理を始めるにあたって最低限必要と思われる料理の道具を紹介します。
また、「とりあえず買わないでみるのがいい料理の道具」もあわせて紹介します。
炒め鍋(フライパン)
料理初心者が買うべき道具として筆頭にあげられるのは、炒め鍋(フライパン)です。炒め鍋はほんとうに便利で、「すべての料理は炒め鍋で作れる」といって過言ではありません。
炒め鍋はフライパンの一種
炒め鍋は、フライパンの一種です。ふつうのフライパンと比較して深めに作られていて、炒めるのに適していることから「炒め鍋」と呼ばれています。
炒めるのに適した鍋として、炒め鍋とは別に「中華鍋」があります。炒め鍋と中華鍋の違いは、炒め鍋は底が平らであるのに対し、中華鍋は底が丸くなっていることです。
炒めることだけを考えた場合には、底が丸い中華鍋の方が使いやすいのですが、底が平らであるために、炒め鍋の方が用途が広くて便利です。
すべての料理は炒め鍋で作れる
炒め鍋は、「すべての料理を作ることができる」というくらい、用途が広いことが特徴です。料理の初心者は、とりあえず、炒め鍋を使っていろいろ作って見るところから始めてみるのがいいです。
炒め鍋で作ることができるのは、以下のような料理です。
できること | 理 由 |
炒める | 炒め鍋なので、炒めることには適しています。 |
煮る | 深めに作られているために、煮ることについても非常に適しています。「炒めてから煮る」料理には最高に適していて、肉じゃがやカレーなどは、炒め鍋で作ることがおすすめです。 |
焼く | 底が平たいため、炒め鍋はふつうのフライパンと同様に、目玉焼きやハンバーグなどを焼くことにも適しています。また、魚もきれいに焼けるため、炒め鍋があれば魚焼き用のグリルは必要がありません。 トーストも、炒め鍋で問題なく焼けます。 |
ゆでる | 青菜やパスタ、中華麺などをゆでることも、炒め鍋は得意です。 |
揚げる | 揚げ物は、もちろん炒め鍋でできます。 |
煮付ける | 魚などを煮付けることも、炒め鍋の得意技です。煮付けを作るためには、別途落としブタが必要となります。 |
炊く | パエリアなどの洋風炊き込みごはんは、炒め鍋を使えば完璧です。 |
鍋物 | 鍋物をする際にも、土鍋などは必要なく、炒め鍋で十分できます。 |
蒸す | 皿などをひっくり返して底に置き、その上に蒸すものを皿にならべて置いたうえで水を入れてフタをすれば、「鯛の酒蒸し」程度の蒸し物なら余裕でできます。 |
煮込む | 煮込み料理は、本格的にやろうと思えば底がもっと深い鍋を使った方がいいですが、豚肉を1時間ていど煮込むくらいのことは問題なくできます。 |
これを見ると、炒め鍋によって作ることができないのは「オーブン料理」くらいなもので、炒め鍋で「すべての料理を作れる」は決して過言ではないことがわかると思います。
蒸したり煮込んだりすることはそれほど得意とはいえませんが、もし本格的にやりたくなったら、その時に専用の道具を買えばいいだけのことです。
炒め鍋を選ぶ際のポイント
炒め鍋を選ぶ際のポイントは、次の通りです。
テフロンなどの加工がされていること
炒め鍋を選ぶ際には、テフロンなどの焦げ付かないための加工がされていることは絶対条件です。加工の名前には、
- テフロン加工
- フッ素加工
- マーブル加工
- ダイヤモンドコート
- シルバーストーン
など色々ありますが、どれでもいいです。
加工がされていないフライパンは、とても使いにくくて手入れも大変ですので、初心者は手を出さないほうがいいです。
直径は28cmが使いやすい
炒め鍋の直径は、24cm~28cmまでありますが、一番大きい28cmが使いやすいと思います。炒める具材を広げやすいため、しっかりと鍋肌に当てられますし、鍋返しをする際にも鍋の外に飛び散りにくいからです。
ただし、女性の場合は、直径が大きくなるとその分重くなりますので、やや小さめのを選んだほうがいいのかもしれません。
消耗品と考えできるだけ安いのを選ぶ
テフロンなどの加工がされている炒め鍋は、「消耗品」と考え、できるだけ安いのを選ぶのがおすすめです。時間の経過とともに加工がだめになりますので、その時に心置きなく捨てられるような、1,000円前後くらいの値段のやつがいいです。
加工が上等なやつは、5,000円以上するのもあります。でも、上等であっても加工はいずれは必ずダメになりますので、安いのを買う方が捨てる際の精神的な負担が少ないです。
また、安い炒め鍋ほど軽量です。炒め鍋は、軽い方が取り回しがしやすくて使いやすいです。
必ずフタ(透明のもの)もいっしょに買う
炒め鍋を買う際には、同じサイズのフタも必ずいっしょに買うようにします。フタがないと、ゆでる、炊く、鍋物、蒸す、および煮込むなどができなくなり、炒め鍋の用途が大きく限定されるからです。
フタは、透明のものがおすすめです。中が見えることにより、その分対応がしやすくなりますし、調理においてどのような現象が進行するかがわかるため、料理に対する理解が深まりやすいからです。
《炒め鍋およびフタとして適当と思われる商品の例》
和平フレイズ フライパン いため鍋 28cm 深型 IH対応 ふっ素樹脂加工 サプライト レッド SR-8070
価格:1,132円
送料:2,000円以上の注文で通常配送料無料
Amazonで見た中でこれが一番安いです。高いのに比べて早めにダメになることとは思いますが、こういうのがまさにいいです。
和平フレイズ プレシャス 全面物理強化ガラス蓋28cm PR-8575
価格:667円
送料:2,000円以上の注文で通常配送料無料
2種類あるガラス製のフタのうち、安いほうです。完全にこれで十分です。
ターナー(ヘラ)
炒め鍋で炒める際に使うターナー(ヘラ)は、結論を最初に言ってしまえば次の商品が絶対に便利です。
これは、1年くらいにわたって筆者・高野が「こんなのがないかな」と探し続けていたところ、イオンの道具市でとうとう見つけたもので、最高に使いやすいです。
「ターナー」は「Turner」ですから、日本語では「フライ返し」です。なので、一般的な製品でも混ぜたりひっくり返したり、押しつぶしたりなどは問題なくできます。
ですが、炒め物(炒め煮)をしていると、
・アクを取る
・味見のために少量の汁をすくい取る
・できた料理を皿によそう
などのことが必要となり、これらは一般的なターナーではできませんので、スプーンやお玉がターナーとは別に必要となります。
「中央部がヘコんだターナーがあればいいのに……」
とけっこうな期間にわたって探した結果、見つけたのが上の商品です。
このターナーは、まさに高野の希望通り、中央部がヘコんでいます。
それにより、汁や具材をすくい取ることができます。
さらに、先端の角が適度にとんがっていて、
・卵を溶きほぐす
・麺や肉をほぐす
・水溶き片栗粉を溶く
などのことも、箸ほどやりやすくはないものの、こなすことができるため、炒め物を最初から最後まで、このターナー1本で作ることができます。
本当に便利ですので、料理初心者の人は、ぜひこれを購入したらいいです。
包丁
包丁は、「三徳包丁」の安いの買うのでとりあえず問題がありません。
三徳包丁とは、日本の家庭で一般的に使われる包丁で、肉・魚および野菜の3つの用途(=三徳)に幅広く使うことができるものです。筆者・高野は、20年くらい前にスーパーで購入したステンレス製の安い三徳包丁で、サンマやサバ程度のちょっとした魚の三枚おろしもこなします。
ただし包丁は、研いで使うことが非常に大切です。
高野は、砥石を使うまではしませんが、下で紹介する包丁研ぎ器で、使用前に毎回研ぎます。
《包丁として適当と思われる商品》
貝印 KAI 関孫六 ステンレス 三徳包丁 165mm わかたけ AB5420
価格:1,286円
送料:2,000円以上の注文で通常配送料無料
高野が使用しているものとほぼ同じ商品です。Amazonの「特殊包丁」部門で「ベストセラー1位」となっていますし、価格も安いので良いと思います。
包丁研ぎ器
包丁は、どんなものであれ研いでから使えばちゃんと切れます。砥石できちんと研ぐのがもちろん一番いいですが、簡易式の包丁研ぎ器でも、家庭で使用する分には問題ないレベルに研げます。
包丁研ぎ器は、筆者 高野も使っている次の商品がおすすめです。
貝印 KAI 関孫六 ダイヤモンド & セラミック シャープナー AP0308
価格:1,210円
送料:2,000円以上の注文で通常配送料無料
この貝印 関孫六のシャープナーは、「粗刃付け」「刃角落とし」および「仕上げ刃付け」の3段階で研ぐことができ、1溝のシャープナーより段違いによく研げます。本格的な砥石と比較しても、「おしい、あと一歩」というくらいまで研げますYO!
まな板
まな板は、「シートまな板」と呼ばれる厚さが2ミリほどの薄型のものが近年のトレンドです。シートまな板は、まな板の上で切ったものを、まな板ごと鍋の上に運び、まな板を湾曲させて鍋に入れることができるため、とても便利です。
大きさが2種類ありますので、また板を置く場所に合わせて選んだらいいです。
《まな板として適切と思われる商品の例》
レック 汚れにくい シートまな板 (L) KK-217
価格:699円
送料:2,000円以上の注文で通常配送料無料
レック 汚れにくい シートまな板 (S) KK-218
価格:598円
送料:2,000円以上の注文で通常配送料無料
片手鍋
片手鍋は、
・ごはんを炊く
・みそ汁を作る
・インスタートラーメンを作る
・お湯を沸かす
などのために欠かせません。
大きさは、直径18cmのやや大きめのものが使いやすいです。ごはんを炊いたり、豚汁のように炒めてから煮るものを作ったりする時のため、テフロンなどの加工がされているものを選ぶのがおすすめです。
料理の初心者はとりあえず1つ買ったらいいと思いますが、例えば、「ごはんを炊いてみそ汁を作る」などの場合には、鍋は2つ必要です。
自分がどのような調理をするのか方向が見えてきてから、買い足したらいいと思います。
《片手鍋として適当と思われる商品の例》
パール金属 片手鍋 18cm ガラス鍋蓋付 IH対応 内面4層 + 外面3層 マーブル加工 プレミアムマーブル H-4236
価格:1,631円(58%OFF)
送料:2,000円以上の注文で通常配送料無料
Amazonに出品されている他の商品とくらべ、比較的価格が手頃です。フタが透明なのもいいです。
ザルとボウル
ザルとボウルは、米や野菜などを洗う際に便利に使うことができます。
またザルは、鍋と同じ大きさのものを購入すると、鍋にはめ込んで使うことにより、
・だしを取る
・パスタなどをゆでる
などの際に便利です。
片手の柄がついているものが、取り回しがしやすいです。
《ザルとボウルとして適当と思われる商品の例》
パール金属 ステンレス ざる ストレーナー 18cm ざる足付 グッティ H-5911
価格:442円
送料:2,000円以上の注文で通常配送料無料
iwaki(イワキ) 耐熱ガラス ボウル 2.5L 外径25cm KBC325
価格:617円
送料:2,000円以上の注文で通常配送料無料
ピーラー(皮むき器)
ピーラー(皮むき器)は、じゃがいもの皮をむく際などに使います。
《ピーラー(皮むき器)で適当と思われる商品の例》
パール金属 日本製 ステンレス ピーラー 皮むき River CC-8506
価格:750円
送料:2,000円以上の注文で通常配送料無料
おろし器
大根おろしを作るときに使います。大根おろしを食べない人は、おろし器もいりません。
泡立て器
泡立て器は、お米を洗う際に使います。ふつうの泡立て器で問題はないですが、お米洗い専用の商品がありましたので下に紹介します。
計量カップ・計量スプーン
計量カップは、水を計るときに使います。特に、鍋で米を炊く際には絶対にあったらいいです。
計量スプーンは、料理に慣れれば、お玉などで代用することもできます。でも、料理の本を見てその通りに作ってみようとする際などには、あったらいいです。
《計量カップ・計量スプーンとして適当と思われる商品の例》
下村工業 味わい食房 ステンレス製計量カップ200cc 目盛付 AKK-206
価格:665円
送料2,000円以上の注文で通常配送料無料
パール金属(PEARL METAL) 計量スプーン 3本組 アンテノール ステンレス製 D-3556
価格:432円
送料:2,000円以上の注文で通常配送料無料
お玉
お玉は、汁物やカレーなどを器によそうときに使います。小さめのものが使いやすいです。
《お玉として適当と思われる商品の例》
カワタキコーポレーション レードル ブラック サイズ:22.8×9.6×5.3cm
価格:372円
送料:2,000円以上の注文で通常配送料無料
しゃもじ
ごはんをよそうときに使います。木製や竹製は不衛生になりやすいため、プラスチック製がいいです。エンボス(ボツボツ)が付けられているものは、ごはんがこびり付きにくいです。
菜箸
いろいろ便利に使えます。ないと不便です。
とりあえず買わないでみるのがいいもの
多くの人が購入する料理の道具のなかで、
- 炊飯器
- 電子レンジ
- ヤカン
については、とりあえず買わないで料理を始めてみるのがおすすめです。
炊飯器
炊飯器は、とりあえず買わないのがいいです。その理由は、
・炊飯器がなくてもごはんは鍋で炊けるから
・料理の面白さがそれだけ減るから
・デカくて邪魔だから
・ヘタな炊飯器で炊くより、鍋で炊いた方がおいしいから
です。
詳しい理由と、鍋でごはんを炊く方法は、下の記事で紹介しました。
料理初心者がそろえる道具として炊飯器は買わないのがおすすめ
初心者が料理を始めようと道具をそろえる際、特に男性の場合には、炊飯器はとりえあえず買わないでみるのがおすすめです。ふつうの鍋を使えばごはんは余裕で炊けますし、その方が、料理が面白くなりますYO!
>>記事を見てみる
電子レンジ
電子レンジも、狭いキッチンで場所を取るうえに、できることは基本的に、
「冷凍したものを解凍したり温めたりする」
ことだけです。
食品は、極力冷凍しないようにするのがいいです。その理由は、
・冷凍すると味が落ちる
・冷凍しても結局は食べないことが多い
からです。
「炊きたてのごはんを冷凍し、電子レンジで温めて食べるとおいしい」といわれますが、全然おいしくありません。
電子レンジを買わずに料理を始めれば、電子レンジを使わない料理のやり方を自然に身につけることができ、そちらの方が、料理が楽しくなると思いますYO!
ヤカン
お湯は、鍋で沸かせます。ヤカンは、紅茶や日本茶をよっぽど飲むならあった方がいいですが、そうでなければいらないです。
コーヒーを入れるのなら、コーヒー専用のケトルを買った方がいいです。
《ドリップコーヒー用ケトルの例》
HARIO (ハリオ) V60ドリップケトル・ヴォーノ ガス火・IH対応 600ml シルバー VKB-100HSV
価格:2,918円
送料:通常配送料無料
まとめ
料理の道具は、いろいろなものが売られています。価格が高いものもあります。
しかし、「最低限」と考えた場合には、上で紹介したものが適当だと思います。とりあえずそれらを揃えてみて、もし不満を感じたり、もっと追求したいことが見えてきた場合には、さらに買い足していってくださいNE!