池井君に会ってしまえばやはり飲むしかないのである。

スピナーズ

 
四条大宮ではしご酒をして、帰ろうと思ったら池井君がいた。

スピナーズ

池井君に会ってしまえば、やはり飲むしかないのである。

 

 

前に住んでいた家の引渡し予定日で、大掃除をしないといけなかったのだが、昼酒はするのである。

喫茶店PiPi

昨日も喫茶店「PiPi」。

PiPiの店主は「マチコちゃん」で、年は二十四五にも見えるのだが、実際はもう少し上らしい。

今年になり、先代の店主から権利を譲り受けたそうで、酒は先代の時代にはメニューになかったようなのだが、今はたのめば出してくれる。

 

ビールのアテは日替わりランチ。

喫茶店PiPi

ご飯は「半分」と注文した。

「豚ハク」と名付けられているのだが、豚肉と白菜を重ね焼きしたものと、チクワやらもやしやらの炒め物、ブロッコリーの酢の物に玉子焼きと、おかずもけっこう手が込んでいる。

味付けはどれもうす目でうまい。

 

それにみそ汁。

喫茶店PiPi

とろろ昆布と青ねぎの具で、初めて食べたがなかなかいい。

 

昼酒を終えると時間がギリギリになっていたので、断腸の思いで昼寝はあきらめ、大掃除にむかった。

2時間はかかると思っていた掃除が1時間で終わり、無事立会いを済ますことができた。

 

そのあと家の片付けも少しした。

食器と調理器具を収めることに成功したが、もう夜になっていたから、昨日も外で飲むことにした。

 

昨日は四条大宮を南から攻めることにした。

立ち飲み天神

まず行ったのは、大宮通綾小路を東に入ったところにある、立ち飲み「天神」。

「サヨちゃん」という、これは正真正銘二十代の女の子が店主を務めている。

やはり先代の店主から、権利を譲り受けたそうだ。

 

注文したのは、まずキムチ。

立ち飲み天神

 

それから牛すじ肉と大根の塩煮。

立ち飲み天神

あっさりとした味つけが、肉のうま味を引き立てている。

 

続いて行ったのは、同じビルの2階にあるカフェバー「アガリサンハロン」。

アガリサンハロン

ここも「モッちゃん」という女性が店主だ。

豚肉の粒マスタード炒めを注文した。

アガリサンハロン

粒マスタードで炒めるとは、言われてみればいいアイディアだ。

 

アガリサンハロンでは、「サバサンド」が月一回の名物料理になっているそうだ。

アガリサンハロン

隣のお客さんがたのんだのを見せてもらうと、バケットにまるまる半身のサバとたっぷりの野菜、パクチーが挟まれていて、味つけは毎回変わるそうだが、今回はタイ風らしい。

 

アガリサンハロンを出て、さらに東に少し行ったところにあるバー「コモゴモ」へ行ってみた。

コモゴモ

わりと最近出来たそうで、前から噂を聞いていて、一度行ってみたいと思っていた。

店主は20代の男性で、会社に勤めていたのを辞め、自力で創業したそうだ。

コモゴモ

古民家を一棟借りし、内装も手が込んでいる。

 

店主が話し相手になってくれ、一杯飲んだ。

コモゴモ

ぼくは大宮の飲食店事情をあれこれと話をした。

 

お客さんとも少し話をしたのだが、ぼくと「啓ちゃんのスタンドバー」で会ったことがあるという。

それは覚えていなかったのだけれど、
「そういえば啓ちゃんのスタンドバーにしばらく顔を出していない」
と思い出し、久しぶりに行くことにした。

 

啓ちゃんのスタンドバーは、四条大宮の交差点を西に行き、赤い提灯がある角を北に入ったところにある。

啓ちゃんのスタンドバー

店主の「啓ちゃん」はぼくより少し年下の、穏やかで明るい美人の女性で、「立ち飲み屋がやりたい」と、この店を3年前にオープンした。

四条大宮の繁華街からちょっと離れたところにあるが、逆に「それがいい」という人が常連さんになっているそうだ。

啓ちゃんのスタンドバー

料理もあれこれ、安い値段で出している。

 

久しぶりだったから、おたがい近況報告になった。

酒を一杯飲み終わったら、ちょうど閉店時間になったから、「また来る」と約束して店を出た。

 

もういい時間になっていたから、「そろそろ帰ろう」と思ったが、ラーメンが食べたくなった。

しかしこれには注意が必要である。

酒をたらふく飲んだあとラーメンが食べたくなるのは、よくよく分析してみると、麺が食べたいわけではない。

体が欲しているのは「スープ」なのだ。

 

それで餃子の王将へ行き、「みそラーメンの麺ぬき」をたのんだ。

餃子の王将

これをアテに酒を飲んだら腹も落ち着き、家に帰ることにした。

 

四条大宮の交差点を東へわたった。

ぼくの家は、大宮通の一本先の、黒門通沿いにある。

そのまま四条通を直進し、黒門通に入ってもよかったが、せっかくだから、大宮通を通って帰ることにした。

繁華街の今の様子を一応は点検しておいたほうがいいだろう。

 

大宮通を北に上がり、たこ焼き屋「壺味」の前に来た。

池井君

何気なく中をのぞくと、ビニールシート越しに池井君の姿が見えた。

見えてしまえば、声をかけない訳にはいかない。

声をかければ、やはり飲むしかないのである。

 

というわけで、「スピナーズ」へ行くことになった。

スピナーズ

スピナーズへ来れば、遅くなるのは必至なのだが、仕方ないのである。

 

このような場合の酒飲みの心理は、酒を飲まない人にとっては不思議に見えることだろう。

遅くなれば明日が辛いことになるのは分かりきっているのだから、飲まずに帰ればよさそうなものである。

酒飲みも、それが分かっていないわけではない。

実際池井君も、
「毎晩遅くなっているから、そろそろ奥さんに怒られる」
と嘆いている。

 

でも酒を飲むと、あるとき「スイッチ」が入るのである。

スイッチが入ると、あとは止めどなく飲み続けることになる。

「次の日が辛い」ということが、逆に酒をおいしくする。

これが酒の「醍醐味」でもあるわけで、これを避けて通ってしまったら、酒など何もおもしろくないだろう。

 

「スイッチ」がいつ入るかは、決まった条件があるわけではない。

結局スイッチが入らないまま、飲み終わることもある。

ただぼくの場合、池井君といるときはスイッチが入ることが多いようだ。

池井君を見かけると、もうその瞬間に帰るのをあきらめることになる。

 

しかし池井君にそう言ったら、
「高野さんが悪い」
と言う。

池井君は昨日、「一杯だけ飲もう」と思って壺味へ行ったが、
「高野さんと会ったからさらに飲むことになった」
のだそうだ。

だから昨日、ぼくと池井君は「互いにスイッチを入れあった」ということなのだろう。

スイッチは、「入れよう」と思うものではなく、「自然に入ってしまう」ものだから、どうすることもできないのである。

 

結局昨日も、それから焼酎を3杯飲み、飲み終わったのはふたたび明け方近かった。

今日はたっぷり酒が残り、このブログの更新も遅々として進まないわけなのだが、別にそれでいいのである。

 

「開き直るのはよくないよ。」

チェブラーシカのチェブ夫

そうだよな。

 

 

 

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酒は飲み過ぎてなんぼなのである。

12時前に帰れるかと思っていたら、そうは問屋が卸さなかったのである。
 

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