「元祖ソーキそばの店」である『我部祖河(がぶそが)食堂』の本店。
さすが元祖店だけのことはあり、ソーキそばのソーキは山盛り!
また、自家製の麺とさっぱりスープのバランスも良いために、
「肉をガッツリ食べたい」
と思う人には、非常におすすめのお店です。
この記事では、東京出身・沖縄在住で沖縄そばを日々食べ歩いている筆者 高野 俊一が、我部祖河食堂 本店と、そのソーキそばのおすすめポイントを紹介します。

我部祖河食堂はソーキそば元祖の店
1963年に創業の我部祖河食堂は、「ソーキそば発祥の店」として知られています。
創業者である金城 源治さんのインタビューによれば、戦後、雑貨商と精肉業を営んでいた金城さん、
貧しい時代ですから少しでも多くの人に肉を食べて欲しいと考え、余ったソーキの肉を煮付けて子どもたちに食べさせたんですよね。そうすると肉嫌いの子どもたちが皆、美味しいと言って食べてくれたんものですから、そのソーキを『沖縄ソバ』にのせてみようと考えた訳です。
と語っています。
ボリューム満点のソーキそばは、やがて沖縄中に知れわたり、「沖縄そばといえばソーキそば」とまでなるに至ったというわけです。
ただし、「元祖ソーキそばの店」は、もう1軒、『丸隆そば』も名乗っています。
どちらが本当に元祖なのかは証明もできないために決着を付けられず、
「考案したのは我部祖河食堂、メニューとして先にお客さんに出したのが丸隆そば」
との説が有力とされているようです。
出典:『すば』らしい日々 :我部祖河食堂(コザ店)
我部祖河食堂のメニュー
我部祖河食堂のメニューは上の写真の通り。
沖縄そばのラインナップは、
- 元祖ソーキそば(特大800円・大700円・小600円)
- 三枚肉そば(特大730円・大630円・小550円)
- 肉そば(特大700円・大600円・小500円)
- 野菜そば(特大700円・大600円・小500円)
- てびち(豚足)そば 750円
- 中味(ホルモン)そば 700円
の6種類。
沖縄そばのほかにも、野菜炒めやチャーハン、焼きそばなど、「食堂」としてのメニューもあります。
また、沖縄そばに付けることができるごはん物として、
- ジューシー 150円
- ライス 150円
- いなりずし 100円
もアリ。
「大」のサイズは普通サイズのラーメンくらいで、大人の男性にとっては、お昼ごはんとしてちょうど良い「軽め」だと思います。
ですので、満腹になりたい場合は「特大」か、ごはん物を追加するのがおすすめです。
また、お酒が飲みたい人のためには、ビールもあります。
ちなみに、駐車場は、上の写真のようにお店の前に10台くらい停められるスペースと、そのほかにお店の裏に、20台くらい停められそうな広いスペースとがあります。
なので、クルマでの来店は全く問題ありません。
また、上の写真の通り、店内にはテーブル席および小上がりの座敷席が多数あります。
ですので、子連れの家族も安心してこられると思います。
我部祖河食堂のソーキは山盛り!
さて、上の写真が、我部祖河食堂の『元祖ソーキそば大』と『ジューシー』です。
注目すべきは、やはりこのソーキの量。
でっかいソーキが4個、山盛りに盛られています。
さすが「元祖ソーキそばの店」だけのことはあり、このソーキの量は、筆者 高野がこれまで経験した沖縄そばのなかでは一番多いです。
だいたい、普通のお店の1.5倍くらいの量があるのではないでしょうか。
しかも、ソーキそば大の価格「700円」は標準的で、他店と比べて高いわけではありません。
「元祖」の名前にかけ、「これだけは譲れない」というプライドを感じさせます。
4枚のソーキのうち、1つはまず本ソーキ。
「本ソーキ」とは、硬い骨をふくむあばら肉の部分です。
比較的濃いめの味が付けられて、やわらかく煮られています。
それから、残りの3枚は軟骨ソーキ。
軟骨ソーキに入っているのは軟骨ですので、骨まで全部食べられます。
軟骨ソーキは、やはり濃いめの味が付けられ、トロトロにやわらかく煮られています。
この山盛りソーキ、食べても食べてもなくならず、ボリュームはマックスです。
「お~、肉食った~」という満足感が得られると思います。
また、我部祖河食堂は、麺は自家製!
この麺が、強いコシがある「ゴワッ」とした食べごたえで、またたまりません。
「ボリューム・ソーキ ⇒ ゴワ麺」の往復運動は、ちょっとヤバイくらい止まらないです。
スープは、比較的うすめの醤油味が付けられた、さっぱりタイプ。
沖縄そばのスープとしては、標準的かと思います。
このさっぱりスープが、ソーキの肉々しさを程よく癒やすようになっています。
そして、こちらはジューシー。
醤油の味がやや強めに付けられて、沖縄そばの添え物としてだけでなく、それだけで単独に食べてもおいしいようになっています。
したがって、「ボリューム・ソーキ ⇒ ゴワ麺」の往復運動を何度かくり返した後、ジューシーおよびスープ、という独特のリズムが、我部祖河食堂では生まれます。
この、たまに入るジューシーおよびスープが、オーケストラでたまに聞こえるシンバルとも似て、ソーキと麺の往復運動をさらに加速することとなります。
すべてを食べ終わったときには、もう茫然自失・・・・・・。
深い満足感から立ち直り、お店の外へ出られるようになるまでに、4~5分はかかると思います。
ソーキを堪能したい人には特におすすめ!
以上のように、我部祖河食堂 本店の元祖ソーキそば、ボリューム・マックスのソーキにゴワ麺、さっぱりスープの取り合わせとなっていて、ソーキが心ゆくまで堪能できるシステムです。
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をはじめとし、名店が多数あります。
そのなかで、このソーキにポイントをおいた我部祖河食堂、
「沖縄そばは、やっぱり肉だぜ!」
という人は、ぜひ行ってみたらいいと思います。
なお、我部祖河食堂は本店のほか、名護店、コザ店、泡瀬店、中城店、美栄橋店、げんじゃ~店の6店舗があります。
お店によって「味が違う」といわれることもありますが、いずれも創業者の息子さんが経営しており、麺を本店で製造したうえで、味の確認を創業者が定期的にしているとのこと。
したがって、味の違いは「ブレ」の範囲と考えてもいいのではないかと思います。
我部祖河食堂 本店の店舗情報
- 住所 沖縄県名護市我部祖河177
- 電話 0980-52-2888
- 営業時間 10時~18時
- 定休日 月曜日