【新百合ヶ丘 バー・ウッドストック】居心地がよく女性一人でも落ち着ける店

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新百合ヶ丘にあるバー・ウッドストックは、オシャレでありながら、先代マスターの想いが込められて上っ面に流されず、居心地のいい店です。また現マスターの細かな配慮で、女性一人でも落ち着けると思います。

 

オシャレでありながら上っ面に流されない

新百合ヶ丘は、駅名に「新」がつくことからも分かる通り、もともと山だったところを比較的最近になって開発してできたところで、駅が開業したのが1974年、駅のまわりが整備され始めたのも1980年代になってからです。

住宅が建設され、人が住みはじめたのはそれ以後なので、飲食店もそのころからでき始め、移り住んでくる中流サラリーマンに合わせたシャレオツなところがほとんどです。

1995年にオープンしたバー・ウッドストックも、そんな新百合ヶ丘規格に合ったオシャレな店。でもこの店は、単にオシャレなだけの店ではありません。

「オシャレ」というのは、「流行に合わせた一般ウケするもの」という意味もあります。

でもこの店をオープンした先代のマスターは、この店をデザインするにあたり、「一般ウケ」はまったく考えていなかっただろうと思います。

 

お店のテーマは、1950年代~60年代の「古きよきアメリカ」。アメリカが最も輝いていた時代です。

太平洋戦争が終わって数年、昭和20年代半ばに生まれた先代のマスターは、思春期にその頃のアメリカの映画や音楽に触れ、アメリカに強くに憧れたのだと思います。

そしてその憧れを、すべて具現化したのがこのバー・ウッドストックであったと感じます。

置いてあるお酒も、もちろんウイスキーはバーボンが中心。それから店内には、マスターが集めたであろう、アメリカにまつわるコレクションが所狭しと飾られています。

特に筆者が感じ入ったのは、下の写真に写った部分。

ミニチュアボトルが大量に飾られているのですが、それを置く場所が足りずに棚を、たぶん自分で増設しています。

このことからはっきり分かるのは、先代のマスターはこの店を、「オシャレにしよう」と思って飾り立てているのではありません。自分が好きなものを片っ端から並べていったら、結果としてオシャレになったのです。

おなじ「オシャレ」でも、それが目的化したものと、結果としてそうなるのとでは天と地ほどちがいます。この店がオシャレでありながら、しかも居心地がいいのは、ここに理由があると思います。

先代のマスターは4年前、脳梗塞で亡くなったそうです。

「脳梗塞になって頭が痛く、手もしびれていたのに、病院へも行かずにいつも通りお酒を飲みつづけ、3日後に亡くなってしまったんですよ……」

現マスターは悲しいながらも、愛おしそうに語っていました。

このお店へ来てみて、お店の端々からまず感じるのは、亡くなった先代のマスターの強烈な存在感です。

先代のマスターは、たぶんその豪快な人柄が、多くの人に好かれた人ではなかったかと推察しますので、できれば筆者も、お会いしてみたかったなと思います。

女性一人でも落ち着ける

バー・ウッドストックは現在では、先代マスターの時代に従業員だった方がマスターを務めています。この現マスターが、また物腰がやわらかく、細かなところまで配慮が行き届く人で、おかげでこの店は、一人でも落ち着いて飲める場所になっています。

カウンターで一人でいても、ポツンとしてしまわず寂しくないというのは、バーだと「どこでもそう」というわけにも行きません。

それにはやはり、店員が適度に話しかけてくれること。また隣に気が合いそうなお客さんがいれば間を取り持ってくれることなどがないといけないわけですが、この店ではそれを、マスターも従業員も、忙しいのにもかかわらず、絶妙な間合いでやってくれます。

またここは、フードも大変おいしいです。

この「トマト&オニオン」は、トマトと水にさらしたうす切りの玉ねぎにドレッシングをかけたものですが、マスター手製のドレッシングがいい感じのうすめの味で、一人でも料理を食べているだけで楽しめます。

音楽ビデオも、いつも70年代くらいのいい感じのがかかっていて、それを眺めているのも楽しいです。先日行った際には、ミュージシャンである従業員が、コレクションを自分のPCから流しているとのことでした。

以上のように、この店はまず男性なら、100%まちがいなく、一人でも落ち着ける店なのですが、女性でも、ぜったいに一人で落ち着ける店だということが先日わかりました。

ある体験をしたからです。

筆者がこのお店に入ろうとしたとき、ちょうど偶然、5メートルほど前にまず若い女性が入り、つづいて筆者が入ることになりました。女性は常連さんらしく、空いていたカウンターの席にサッと座りました。

店内は満員で、あと空いていた席は、女性の隣にまだ空いていた1席だけ。でも一人客の若い女性の隣に、一人客のおっさんが座るのはちょっと気まずい感じがし、筆者はどうしたらいいかと、少しのあいだ棒立ちになって躊躇しました。

すると厨房から顔を出したマスターが、ひと目見た瞬間に状況を見て取って、女性の隣にあった椅子を、男性客のあいだのちょっと空いた場所に移動してくれました。おかげで筆者は、気まずい思いをすることがなく座ることができました。

カウンターで一人客をどこに座らせるかは、その一人客が居心地よく飲めるかどうかを大きく左右することだと思います。ましてや女性の場合だと、変な男性を隣に座らせ、下手にナンパなどをされてしまうと、気分が台無しになります。

しかしこの店では、マスターが誰をどこに座らせるかを細かく配慮していることが、その時はっきり分かりました。

この店では女性の一人客でも、まちがいなく居心地よく、落ち着いて飲めると思います。

料金はとてもお手頃

さて、どんなにいいお店であったとしても、料金が高ければ、それだけで気分が悪くなりますし、そうしょっちゅう行くわけにもいきません。

でもこのバー・ウッドストックは、料金もお手頃です。

まず東京のバーの場合だと、つくことが多いチャージ料金。500円くらいは普通で、1,000円くらい取るところも珍しくありません。

でもこの店は、チャージは100円。「ほとんどタダ」という話です。

飲み物の料金も、安めです。

ウイスキーなどなら1杯500円からあり、しかもお酒をダブルに近い量入れてくれますので、「バーとしては十分安い」と言っていいと思います。

さらに特筆すべきは、フードの料金。

上の写真にある厚揚げ焼きは、300円です。ところがこの厚揚げ、1切れ3センチ大ほどのものが、普通なら3~4切れもあればいいところであるのに対し、8切れ入っています。

これはまちがいなく、厚揚げの1パックをまるごと使い切っています。

厚揚げの1パックは、スーパーなどだと120円~150円はします。たっぷりかかったネギなどの薬味も入れれば、フードの原価率は、飲食店では通常3割を目安とするところ、5割ほどに設定されていることがわかります。

さらに上で紹介したトマト&オニオンも、400円。これもトマトは、まるごと1個が使われているという豪快さです。

フードは、「ダイニング・バー」と言っていいほど、メニューが豊富。

これまで筆者が食べたものは、味はどれも非常にいいです。

カップルやグループもOKなので、ぜひ行ってみよう!

以上のようにこのバー・ウッドストックは、女性の一人客でも居心地よく、落ち着いて時間を過ごせる場所です。

しかしもちろん、この店は一人客だけのためにあるわけではありません。

カウンターの後方には、4人が座れるテーブル席が3卓あります。カップルでもグループでも余裕で入れますし、もちろんお客さんはそういう人たちの方が多いです。

信憑性が高まりますので、このお店の欠点をあえて上げてみたいと思い、あれこれ考えてみましたが、思い付きませんでした。

新百合ヶ丘駅北口からも5分ほどで近いので、近隣の駅に住んでいる人は、ぜひとも行ってみるのがオススメです。

バー・ウッドストック(BAR WOODSTOCK)

  • 住所 川崎市麻生区万福寺1丁目12−3 東亜新百合ヶ丘ビル101
  • 電話 044-952-4250
  • 営業時間 19:00~翌2:00
  • 定休日 月曜日

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