いまだかつてない「食のよろこび」を体験したのである。(しめサバ)

2014/04/25

昨日はしめサバと、ほか4品を肴に酒を飲んだ。

昨日の晩酌 しめサバなど

ぼくはそこで、いまだかつてない「食のよろこび」を体験したのである。


 
ぼくは今まで、人並み程度には「うまいもの」を食べて来ているとおもう。

母も料理が下手ではなく、うまいものを食わせてくれた。

大人になってからも、そこそこ色々な店へ行き、「うまい」とおもって通い詰めたところもいくつもある。

しかし昨日ぼくがつくった料理は、記憶にある限り、自分がこれまでに食べたどれよりも、満足感が高かったのである。

 

それは本当にすごいもので、「満足感」というより「快感」である。

ひと口食べるごとに「うまさ」の攻撃を受けてのけぞり、

「ああああーーーー」
「うまいわーーー」
「たまらんっすわ、ほんまに・・・」

と声が出る。

押し寄せる快感のあまり恍惚となり、泣きたくなるほどの幸せ感に襲われる。

それが最後のひと口を食べ終わるまでつづいたのである。

 

これほどの「食のよろこび」を感じた理由は、メニューにも関係はあるとおもう。

昨日のメニューの「しめサバ」は、ぼくが魚料理のなかで一番好きなものであり、「カブを肉と煮たもの」は、野菜料理のなかで一番好きなものだからだ。

でもこれまでだって、しめサバやカブは何度も食べているのだから、それだけが理由ではないだろう。

ぼくはその大きな理由が、
「おもい描く力が強かったこと」
だったとおもうのだ。

 

昨日は特に、「何を食べたいか」を考えるのが念入りだった。

まず買い物をして「しめサバを食べる」ことを決め、次に帰宅してから、2度目の昼寝をしながら1時間ほどをかけ、献立をくわしく考えた。

仕事しながらしめサバを仕込み、さらに仕事が終わってから、いつもの通り1時間ほどをかけ、献立を改めて考えなおした。

 

料理はていねいに作ったから、ほぼおもった通りの味になる。

だからそれを食べたとき、午後からずっと「食べたい」とおもい続けた、まさにその通りのものを、深夜になってようやく口にできたわけだったのだ。

おもい描いた通りのものをようやく手に入れたとき、人間は誰でも大きなよろこびを感じるものだろう。

昨日のあの強烈な快感は、そういうことだったとおもうのである。

 

しかしこのような、大きな食のよろこびを味わうことができるのは、今や「自炊者」の特権なのではないだろうか。

人に料理を作ってもらい、このよろこびをそうそう味わうことができるとは、ぼくは考えられないのである。

 

外食も、似たよろこびを味わうことはできるだろう。

でも外食は、自分に合うお店がそうはたくさんない上に、そのお店のメニューにしても、自分に合うのはそう多くないだろうから、おなじものをくり返し食べるのでない限り、チャンスは少ないことになる。

また今や奥さんが、ご主人のおもい描く通りの料理をつくる時代でもないだろう。

奥さんは多くの場合、全く料理をしないか、または「子供のため」に料理をつくるはずである。

 

ぼくももちろん、外食のたのしみは知っているし、好きな女性と一緒に食事をするよろこびも、子供を育てるよろこびも、多少は知っているつもりである。

しかしぼくは昨日、自炊者が自分のためだけに料理をしたときも、それらに優るとも劣らないよろこびを得られることがわかったのだ。

このよろこびは、「料理の上手い下手」にはそれほど関係しないだろう。

自分が食べたいものを「おもい描く力」だけが、必要とされるのだとぼくはおもう。

 

さて昨日つくったのは「しめサバ」である。

しめサバ

サバの旬はもうそろそろ終わるから、しめサバをつくるなら、今が「ラストチャンス」となる。

しめサバを自宅でつくるのは、新鮮なサバさえ手に入れば簡単だ。

塩を振るところまで魚屋にやってもらえば、家では「酢につける」だけである。

 

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というわけで、しめサバをつくるのだが、新鮮なサバは、魚屋へ行けば売っている。

しめサバの作り方1

魚屋は、たのめばサバを三枚におろして、塩を振るところまでやってくれる。

さらに「あら」にも塩を振ってもらって、それも持ち帰るのがおすすめだ。

塩を振ったサバのあらは、吸物のおいしいだしになるのである。

 

塩を振ったサバは冷蔵庫にいれ、5時間おく。

5時間おいたら、水で洗って塩を流し、ペーパータオルで水気をふき取る。

 

水気をふき取ったサバを、酢につける。

しめサバの作り方2

ジップロックなどビニールの袋を使うと、使う酢の量が少なめで済む。

だし昆布の切れっ端をいっしょにいれ、酢には小さじ1くらいの砂糖を溶かしこんでおく。

酢は砂糖を少しいれると、「角」が取れるのである。

 

3時間たったら酢から引き上げ、ペーパータオルで酢をふき取る。

しめサバの作り方3

皮を前の方の端からつまみ、後ろにむかって引き剥がす。

裏返して中骨を、目立つのだけ2~3本引きぬく。

ただししめサバの中骨を引きぬくのは、大変イライラする作業なので、そのままにしてしまっても問題ない。

 

酢から上げ、すぐに食べても問題ないが、ラップに包んで冷蔵庫にいれ、1日おくと酢がなじみ、さらにおいしくなる。

ぼくは今回、片身はその日に、もう一つの片身は翌日である今日、食べることにした。

 

しめサバを切るときは、あいだに切込みをいれるようにする。

しめサバの作り方4

これは「骨切り」の意味があるのである。

 

しめサバは、そのまま食べても味があるし、わさび醤油も悪くない。

しめサバ

京都でよく見かけるのは「おろしポン酢」で食べることで、ショウガを添えるとさらによい。

しめサバは酢につけてあるのだから、味つけポン酢は上からかけてしまってかまわない。

「おろし和え」にしてしまうのも、またうまい。

 

しめサバは、「サッパリとしながら脂がある」のが持ち味だ。

しめサバ

昨日のサバは和歌山産だが、またキリッと締まってうまかったのである。

 

昨日はあとは、鶏とカブの汁。

鶏とカブの汁

これはおとといの残りである。

あんかけ煮は、トロミをつけない汁を残せば保存がきく。

うすめの味で、煮汁は鶏のだしがたっぷり出て、「上等なうどんだし」という話だから、汁として飲んでもうまいのだ。

 

春菊と湯葉のおひたし。

春菊と湯葉のおひたし

これは酒房京子で食べたものをヒントに作った。

サッとゆで、水にとって絞ったざく切りの春菊と、細く切った湯葉、ちりめんじゃこを、砂糖とうすくち醤油それぞれ少々であえる。

クセのある春菊は、湯葉のほんわりとした味にとてもよく合う。

 

柿のなます。

柿のなます

これはまず八百屋のご主人に教えてもらい、さらに京子さんのところで実際に食べ、「つくってみたい」とおもい続けたものである。

大根は細く切り、一つまみの塩で揉んで10分おいて、水で洗ってよくしぼる。

細く切った柿といっしょに、酢とみりんを大さじ1、砂糖小さじ1、塩をちょっぴり、うすくち醤油ほんのちょっぴりの甘酢にひたし、10分以上おく。

 

大根の皮と茎のじゃこ炒め。

大根の皮と茎のじゃこ炒め

廃材の大根の皮と茎を、皮は細くきざみ、茎はざく切りにして、ゴマ油とちりめんじゃこ、赤唐辛子でじっくり炒め、酒とうすくち醤油それぞれ少々を加えたら、汁気がなくなるまでさらに炒める。

 

ひとり暮らしで自炊をしていない人がもしいたら、ぜひチャレンジしてみてほしいとおもう。

慣れないうちは難しく感じるとはおもうけれど、「自分のために料理をする」のは、自分が「おいしい」とおもえばいいだけなのだから、敷居はとても低いのである。

 

「おっさんは食事のときブツブツ言ってうるさいよ。」

チェブラーシカのチェブ夫

年を取るとついひとり言が出てしまうんだよな。

 

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