【四条大宮 来夢来人 4】浅香唯似の看護師とつき合うことになった。

2016/07/11

【四条大宮 来夢来人 4】自分も、まわりの反応も、以前までとは全然ちがうような気がする。」のつづき

夜になり、消灯の確認をするために、浅香唯似の看護師が病室にやってきた。

「電気消しますよ!お加減はいかがですか?」

そう尋ねる浅香唯似の看護師に、

「特に問題ありません。でも看護師さんのことを想うと、ドキドキしてあまり眠れませんでした。看護師さん、あまりにもおきれいなんで」

と、僕は答えた。

そう答えながら、僕はまた、自分で自分にビックリした。その看護師のことなど、それまで露ほども考えていなかった。また看護師に、そんなセクハラまがいのことを言うなど、思ってもいなかった。

それなのに、口が勝手にしゃべっている。

「何かが乗り移ってしまったみたいだ……」

僕はちょっと、そう思った。

 




 

しかも浅香唯似の看護師は、それを嫌がる様子はない。

「ヤダ、こんなおばさんなのに……。でも嬉しい」

むしろ喜んでいる。さらに、

「あとで来ますからね。待っててくださいね」

そう言い残して、病室から出ていった。

僕は、ワケがわからなかった。

 

1時間ほどすると、

「コン、コン……」

豆電球の薄明かりのなか、ドアをノックする音が小さく響いた。

「どうぞ」

そう言うと、ドアをあけ、浅香唯似の看護師が入ってきた。

「まだ起きていらっしゃいました?迷惑じゃなかったですか?」

「そんなことありませんよ。どうぞ、どうぞ」

そう言いながら、僕は掛け布団を少しめくって、浅香唯に入るように促した。

まだ知り合って間もない、しかも勤務中の看護師に、自分が寝ているベッドに入るよう促すなど、まったく度を超えたセクハラだ。僕は頭では、そう分かっている。

ところが乗り移ったもうひとりの自分が、勝手にしゃべり、行動を起こしてる。

 

そして今回も、浅香唯似の看護師は、

「いいんですか?それじゃ、お邪魔しますね」

靴を脱ぎ、素直に布団に入ってきた。

「看護師さん、名前『兵藤さん』っていうんですね」

薄明かりのなか、胸につけられた名札をみながら、もうひとりの僕は言う。

「下の名前は、何というんですか?」

「ゆかりです」

「ゆかりさん……。いい名前ですね。ゆかりさん、僕が今まであった女性のなかで、一番おきれいです」

「そうなんですか?こんなおばさんなのに」

「そんなことありませんよ。すごく若くておきれいです」

「ありがとう。嬉しいわ。」

「ゆかりさん、僕とつき合ってくださいよ。ここに入院したのも、ゆかりさんと出会う運命だった気がします」

「ほんとう?いいわ」

こうして浅香唯似の看護師ともうひとりの僕は、つき合うことになった。入院中の一週間、2人は恋人同士としてすごした。

(つづく)










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