【四条大宮 来夢来人 4】自分も、まわりの反応も、以前までとは全然ちがうような気がする。

2016/07/20

【四条大宮 来夢来人 4】浅香唯似の看護師がいる病室で、意識がもどった。」のつづき

夕方になり、浅香唯似の看護師が、薄緑色のお盆にならべた食事をもって、病室に入ってきた。ベッドの上に食事をセットし、背もたれを起こして食べやすいようにする。

背もたれを起こすとき、やや小柄な浅香唯の、それにしては大きめの胸が、僕の目の前にきた。僕は思わず、

「ワオ、素敵な胸ですね!」

そう言いながらその胸を、人さし指でツンとつついた。

 




 

つついてから、僕は自分でおどろいた。僕はこんなセクハラ行為を、堂々とする人間ではなかったはずだ。むしろセクハラなどをする人間を軽蔑していたはずなのだ。

「浅香唯似の看護師に、ぜったいに嫌われる……」

そう思い、僕は自分がしたことを後悔した。

 

浅香唯似の看護師は、すぐに、

「もう……、ダメですよ!」

と、頬をふくらませて怒ったような表情をしながら、僕のことをキッとにらんだ。ところがその目は、決して怒っているのでなく、喜びの光に満ちていて、むしろ僕を誘っているようにすら思われた。

「きちんと食べて、早く元気になってくださいね」

食事の支度が終わると、浅香唯似の看護師は、きびすを返してドアへむかう。ドアをあけると、何かを思い出したかのようにこちらをふりかえり、

「今夜は私、夜勤なので、ゆっくりお話できると思います」

そう言い残して出ていった。

 

「何が起こったんだろう……」

僕は呆然としながら考えた。自分も、まわりの反応も、以前までとは全然ちがうような気がする。

以前までだったら、するはずがないことを平然と自分はし、しかもそれが、浅香唯似の看護師に当たり前のように受け入れられた。

「何かとてつもないことが、始まっているのかもしれない……」

僕はそう思いながら、出された食事を食べおわり、食後の心地よい眠りについた。

(つづく)










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