【四条大宮 来夢来人 2】積極的に話しかけてみた。

2016/07/20

【四条大宮 来夢来人 2】青田典子似の女性がきた。」のつづき

僕は、きのう工藤静香似の女性のときには、ちょっと遠慮しすぎて失敗したと思った。

相手のことを、きちんと慮ることはもちろん大事だ。でもそのために、自分がしたいことを全てガマンしてしまうのは、やはり違うだろう。自分の気持と、相手の気持とを、うまく折り合いをつけていくことが必要であるはずだ。

そこで今回は、積極的に話しかけながら、相手の反応を見るようにすることにした。

 




 

「こんにちは。この店は、よく来られるんですか?」

「いえ、はじめてなんですよ。たまたま通りがかったらお店があるのを見つけたので、入ってみることにしたんです」

「あ、そうなんですね。じつは僕もおなじで、きのうこの店があるのをはじめて見つけ、来てみたばかりなんですよ。この店、赤い看板と地下に降りる階段がちょっと怪しい雰囲気で、惹かれるところがありますよね」

「そうですね。ちょっと隠れ家っぽいところがありますね。マスター、ここはカクテルなんかもできるんですか?」

それから青田典子似の女性は、マスターにカクテルの説明を聞きはじめた。基本的なカクテルが一通りできるのはもちろんのこと、味のリクエストをすれば、それに応じてマスターが、適当と思われるものを作ってもくれるそうだ。

「それじゃあジン・ベースで、ちょっと酸っぱめのを作ってくれますか?」

青田典子が注文すると、

「承知しました」

マスターはシェイカーに、氷とお酒やら、ジュースやらを入れ、それを顔の横のところで両手で持ち、シャカシャカシャカ……と振りはじめた。動作は堂に入っていて、また藤竜也似の二枚目のマスターだから、僕が見ていてもカッコいい。

できたオレンジ色の酒を、マスターは細くて背が高いグラスに注いだ。

 

できた酒を一口飲み、

「あ、これおいしい。私の好みかも……」

青田典子似の女性は、うれしそうに声を上げる。

「ミントが入っているから、さわやかでしょう」

マスターも応じ、入れてあるお酒の説明をはじめる。

青田典子は、マスターに質問などもしながら、話を聞く。どうやらお酒について、詳しいらしい。

そのうちマスターの修行時代の話などにもなり、マスターと青田典子の会話は盛り上がりを見せていった。

 

しかし僕は、洋酒やカクテルについてはまったく知識がなく、しかも興味もあまりない。なのでその話には、入ることが全然できない。

仕方がないから、ハーパーの水割りを注文した。マスターと青田典子の会話は、そのあいだにも続いている。

僕は横耳でそれを聞きながら、出された水割りをチビチビ飲んだ。

(つづく)










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