【四条大宮 来夢来人】とりあえず入ってみることにした。

2016/06/16

京都に帰ってきたのである。久しぶりの自分の家は、拍子抜けするほど以前のままだ。

荷物を置いて、ベッドに横になってみる。長旅で疲れているから、すぐに眠ってしまうかと思ったが、やはりまだ神経は興奮しているのだろう、寝られない。

そこで一杯、飲みに出ることにした。一杯が二杯……、くらいになるのは確実だが、この疲れだと、そう飲み過ぎることはないはずだ。

 

家を出て、前の道を右へ行く。そしてさらに右へ行けば、いつもの飲み屋街となるわけだが、ふと左を見ると、50メートルほど先の道端に、ぼんやりとした赤い看板の光が見える。

「あれ、あんなところに飲み屋なんかあったっけな……」

家のちかくの四条大宮の飲み屋街へは、以前はしょっちゅう出かけていたから、どんな店があるのかはすべて知っていた。でもこの頃は、あまり飲みに出ないようになっているから、気づいたら新しい店ができていることはしばしばだ。

「何の店だか、いちおう確認しておこう」

僕は道を左に曲がって歩いていった。





 

近づくにつれ、看板はハッキリと見えてくる。ずいぶんと古びていて、新しいものではなさそうだ。

赤い地に、黄色い、丸っこい文字で「来夢来人」と書いてある。たぶん「ライムライト」と読むのだろう。

「ずいぶん昭和な名前だな……」

僕は思った。

 

お店は、ビルの地下にあるようだ。看板の脇に入り口があり、その先には薄明かりのついた下り階段が見えている。

「とりあえず入ってみよう」

階段を降りてみることにした。

家のそばに新しい店ができていれば、それはもちろん入ってみるのが「ご近所のよしみ」というものだ。

それに四条大宮の飲み屋はふつう、チャージがないから、「合わない」と思ったら、一杯飲んで出てくればいいだけのことなのだ。

(つづく)





 




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