【島根~山口食べ歩き】その土地のことは、その土地の食べ物を食べてみるのが一番よくわかるのだ。

2016/05/30

こづち 刺盛り

 

旅はつづいている。

きのうは島根県・浜田を出発し、一度江津までもどって「ふさえもん」という名前の若い女性と合流し、そこから浜田、益田と西へ向かって、山口県の萩に到着した。

 

朝飯はホテルで取るから、選択肢は「和食か洋食か」しかないのだけれど、昼飯と晩飯は、何を食べるかはけっこう真剣に考える。

食べ物は、まずは自分の体をつくる材料になるものだから、人間という生物としてもっとも大事なものの一つであるのはいうまでもないことだし、次に「食」は、人間の楽しみとしても巨大だから、精神の健康をたもつ上でも重要だ。

 

さらにこうして旅をしていると、やはりその土地の食べ物は、その土地を知る上で大きな手がかりになると思える。

人間の生活の中心は、やはり「食」となるだろう。仕事だって、もちろん楽しみの要素もあるが、その目的は「食べるため」だ。

だからその土地の食べ物の特徴は、土地に住む人たちの生活の特徴を色濃く反映しているはずだ。





 

きょうは「そろそろ昼飯にしようか」と話しながら宣伝カーを走らせていたら、島根県浜田市・江津駅の中心街からはずいぶん外れた辺鄙な場所に、カフェがあるのをふさえもんがみつけた。僕は一人だったら、「カフェで昼食」とはならなかったと思うから、やはり誰かと一緒に行動するのはいいことだ。

 

「豆茶香&アプリ」という名前で、古民家を改築したものらしい。

豆茶香&アプリ

この左手に母屋らしきものがあり、こちらはマッサージ店になっているようなのだが、たぶんこちらは、倉庫を改築したものではないだろうか。

 

外壁は、かなり手が入れられて、アートな仕様となっている。

豆茶香&アプリ

 

そして中は、居心地のよい空間。

豆茶香&アプリ

 

周辺は、どこの地方都市にもありそうな、地味な住宅街。そこにこつ然と、こんな洒落たものが出現するから、ちょっとビックリもするわけだ。

 

ランチは何種類かあり、僕が頼んだのは「肉料理」のランチ。

豆茶香&アプリ

ハンバーグとライスコロッケのトマトソース。

余計な調味料はつかわず、「素材の味を大切にした」という素朴な味で、しかもうまい。サラダにかかっているドレッシングは、特製のナッツ入りというやつで、これがちょっと変わった味がするのだけれど、サラダによく合う。

 

行ったのが昼時だったから、店内はほぼ満員だった。お客さんは女性連れやカップル、子連れなどで、8割は女性。

特筆すべきは、この女性がどの人も、とてもカワイイのだ。これは女性であるふさえもんも同意していた。

 

べつに「化粧が上手」という意味ではない。ふんわりとしていて、生き生きとしていて、その人の魅力がまっすぐ出ている感じがする。

 

「これは土地柄なのだろう」と、僕は思った。江津は地方都市の街並みに、こんな洒落た店があるわけだから、何か独自の文化的背景があるのだろう。

 

萩に着き、ホテルのフロントできいた居酒屋「こづち」に出かけた。

こづち

 

ビルの1階、奥まったところにあり、メニューも何も出ていないから、「高いのではないか」と思ったけれど、べつに普通の値段の、メニュー構成もバラエティーに富んだつかいやすい居酒屋で、ホテルのお客の評判もいいそうだ。

こづち

 

やはりまずは刺盛り。

こづち

 

それからのどぐろの塩焼き。

こづち

これが生かと思ったら、残念ながら一夜干しだったのだが、一夜干しなら値段は非常に手頃になるので、手頃な居酒屋だったらその方がいいともいえる。

 

あとはシメに、カレーライス。

こづち

 

ここで酒を飲みながら、ふさえもんと「その土地の食べ物」の話になり、それがとても面白かった。

 

ふさえもんも、色々な土地へ出かけることが多いそうだ。そこで、その土地の「食」を知るのに、居酒屋よりももっと適したところがあるという。

それが、「スーパー」なのだそうだ。

「変わった食材が置いてあるとかいうこと?」と聞くと、一つにはそれもあるとのことだ。たとえば福井などだと「厚揚げ」が名物で、いくつもの業者が作る、何種類もの厚揚げがあるそうだ。

 

でもスーパーでほんとうに見るべきなのは惣菜売り場で、そこに何だかわからない、「お惣菜」としか書いていないものがあったら、それこそが、その土地の人たちがよく食べるものだという。

僕は、これには唸った。たしかにその通りだ。

家庭料理は、名前がつかないものが多い。

 

僕も家でつくる料理は、いわゆる名前がつく、例えばマーボー豆腐とか、肉じゃがとかいうものもあるけれど、ほとんどはそういうものではなく、適当な材料をたたき込み、適当に味付けしたものだ。

ブログに掲載する都合上、無理やり名前をつけているが、たとえば料理屋にあるような、決まった形のものではない。

家庭料理は、おいしければいいのだから、べつに名前など必要ない。それに対して飲食店では、名前がなければメニューに書くことができないし、しかもそれも、みんなが知っているものでないと、注文されることもない。

 

家庭料理と料理屋の料理は、そういう意味では全くちがうものなのだ。料理屋の料理も、もちろんある程度はその土地柄を反映はしていても、料理屋の料理が家で食べるものとおなじなら、わざわざ料理屋へ行くまでもないわけだから、料理屋では、その土地の人が家でうつうに食べる料理は、決して食べられないことになる。

 

しかし、それで「よそ者には土地の食べ物はわからない」と、あきらめてしまわないのが、ふさえもんのスゴイところだ。

「スーパーの惣菜売り場を見ればわかる」とは、誰でもなかなか思い付くことではない。

 

ふさえもんのことはこれまでも存じ上げ、「すごい人だ」とは思っていた。

でも今回この話を聞いて、あまりにも卓見で、僕はふさえもんにひれ伏した次第である。





 




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