本店よりむしろウマイくらい。【たかばしラーメンBiVi二条店】

たかばしラーメン 京都・大阪の飲食店

BiVi二条内フードコートにあるラーメン店。内装もメニュー構成もイマ風だが、京都の名店・第一旭の直営店で、味はまちがいなくウマイ。

京都のラーメンは、府外の一般の人にはほとんど知られていないと思うのだが、大変うまいのだ。

都に集まった一流の料理人が腕を競って発展させた「京料理」が、和食の原点であることは言うまでもないにせよ、京都の料理文化は料亭などだけにあるのではないと、京都に住んでみて僕は感じる。

一般の主婦でも、料理にたいする意識が高く、ていねいで繊細な料理を作る人がたくさんいるし、さらにはラーメンやお好み焼きなどB級グルメも、京都は非常に充実している。

その京都ラーメンの代表的存在が、まずは戦前に創業した新福菜館、そして次に、昭和22年という戦後すぐに開業した「第一旭」だ。

 

「たかばしラーメン」は、その第一旭の直営店。現在京都近辺に7店舗を運営している。

第一旭はわりと気軽に暖簾分けをしてきたようで、神戸や名古屋などにもあるし、東京には「第二旭」という店もあった。京都にも第一旭はいくつかあるが、本来の味を保っているのは京都駅近く・たかばしにある本店のみ、あとは経営的には無関係の別組織なのだそうで、味も全くちがっている。

 

なので新たに直営店を開くにあたり、「第一旭」の名前を使わず「たかばしラーメン」としたのは、組織的に無関係な他の第一旭と区別するためではなかったか。

たかばしラーメンBiVi二条店の厨房には、いかにもあの男臭いたかばし本店で修行してきた、という感じのイカツイ男性が麺をゆでていたりする。

 

といってもたかばしラーメンBiVi二条店は、「いかにも昔ながらのラーメン屋」という雰囲気漂うたかばし本店とはちがい、全体の打ち出しはいまの時代に合うように大きくリニューアルされている。

店舗の造りも、映画館などがある複合施設にお似合いの、オシャレな風情。

たかばしラーメンBiVi二条店

 

メニュー構成も、本店とは全くちがう。本店は、あるのはラーメンの大・中・小と餃子、あとはキムチや付き出し肉などのツマミが少しというところなのに対し、まずラーメンに新しい味が3種類くわわっている。

たかばしラーメンBiVi二条店 メニュー

 

本店には存在しない、どんぶり物も各種ある。

たかばしラーメンBiVi二条店 メニュー

 

サイドメニューやセットメニューなども充実しているし・・・、

たかばしラーメンBiVi二条店 メニュー

 

さらにデザートまである。

たかばしラーメンBiVi二条店 メニュー

 

これならば、映画を観にきた若い人も満足できることだろう。実際、ちょっと前にフロア内で引っ越しをし、大きなスペースに移っているから、経営的にも悪くないみたいである。

 

きのうはとりあえず、「ほろ酔いセット」をまず注文。

たかばしラーメンBiVi二条店 ほろ酔いセット

 

生ビールにでっかい唐揚げが3個とキムチがついて、700円。

たかばしラーメンBiVi二条店 ほろ酔いセット

 

それから餃子。

たかばしラーメンBiVi二条店 餃子

なめらかなアンはニンニクがガツンと利き、皮はわりと厚めで食べ応えがあるタイプ。

 

もちろん、チューハイをさらに2杯。

たかばしラーメンBiVi二条店 チューハイ

この店は、酒もしっかり飲めるようになっている。

 

酒をひと通り飲み終わったところで、いよいよラーメン。

たかばしラーメンBiVi二条店 ラーメン

「たかばしラーメン」という標準タイプで、並で650円。

 

これが、バッチリうまかった。本店の味を完全に踏襲しているばかりでなく、むしろ「本店よりウマイ」とすら思ったくらい。

 

第一旭は、九州の豚骨ラーメンが「白湯(パイタン)」と呼ばれる、グラグラに煮出して白濁したスープであるのに対し、白く濁る直前の「清湯(チンタン)」と呼ばれる澄み切ったスープが特徴。

ニンニクや野菜などは一切使わないにもかかわらず臭みはなく、そこに醤油でキリリと味がつけられ、男性的でありながら品があるラーメンで、僕のこのラーメンに対するイメージは、「高倉健」だ。

 

ただし第一旭本店は、「朝5時の開店時のラーメンが一番うまい」と言われている。1日じゅう常に満員、その上ズラリと行列ができる超繁盛店だから、大釜3つを使っていても、スープを作るのが追いつかないのではないか。

 

たかばしラーメンBiVi二条店は、文句なく第一旭の味がする。実際に第一旭で修行した人が作っているのは、まちがいないところだと思う。

しかもスープが、おそらく本店ほどはお客が来ないからだろう、早朝の第一旭本店の味で、とても濃い。これならば、もうわざわざ本店まで行かなくても、ここで十分だと思ったくらい。

 

中細の麺も、たぶん今の人の好みに合わせているのだろう、本店よりも少し固めにゆでられている。

たかばしラーメンBiVi二条店 ラーメン

これも僕などにとっては、こちらの方が合うと思える。

 

チャーシューは、奥ゆかしく下の方に、大量に入っている。

たかばしラーメンBiVi二条店 ラーメン

これで650円なのだから、まったく信じられないような話である。

 

加えてチャーハン小・350円。

たかばしラーメンBiVi二条店 ラーメン

たぶん味付けにラーメンダレが使われていると思う、「ラーメンに最高に合う」というやつだ。

 

店の内装だけについては、ちょっとキラキラし過ぎていて、僕のようなおっさんには、ちょっと居心地悪いところもある。

でも酒もしっかり飲めるし、ラーメンは最高においしいし、これからは心を入れ替え、ちょくちょくここへ来ようと決めた。

 

京都へ来て、第一旭本店があまりに行列しているから、食べるのを諦める人もいるのではないかと思う。

そういう場合、こちらへ来るのはとてもとてもオススメだ。

 

たかばしラーメンBiVi二条店
  • 住所 京都市中京区西ノ京栂尾町1-6BiVi二条1F(JR山陰線二条駅西側)
  • 電話 075-823-0114
  • 営業時間 AM11:00~AM0:00(L.O.PM23:30)
  • 定休日 無休

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