一読の価値アリ。ギャンブル小説・凛 七星『競艇放浪記』

2015/07/10

競艇放浪記

最近知り合いになった凛 七星氏作のギャンブル小説『競艇放浪記』が、現在ネットで公開されている。競艇・ギャンブルファンにはもちろん、ギャンブルに縁がない人にとっても、これは一読の価値がある佳作だ。

 

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新しい世界へ飛び込めば、新たな出会いがあるのは知れた話だ。特にヘイトスピーチへのカウンターは、「ありとあらゆる」と言いたくなるほど様々な人が関わっていて、そこでおれは、これまであまり会ったことがない種類の人々との出会いを得ることとなっている。

そういう人の一人が、凛 七星氏。

凛 七星氏

在日コリアン3世で、年はおれより、1つか2つ、上だったと思う。

長身痩躯、茶髪長髪、ヒョウ柄のジャンパーや赤いジーンズなどを着込んだいかにも「業界風」の凛氏が、カウンターの現場ですっくと立っている姿は、以前から時々目にしていた。

 

そのうちそれが、ツイッターで時折目にする凛氏だと分かり、カウンターが終わった後、初めて話しかけてみた。

「こんにちは、初めまして。凛さんですよね?高野と申します。最近カウンターを始めたばかりですが、どうぞよろしくお願いします」

頭を下げるおれに対し、凛氏、

「初めてじゃないよ。何度もカウンターへ来ているのを見ているよ。こちらこそよろしく」

と来た。

 

おれは、すぐに分かった。この人は、「人たらし」の才があるのである。そしておれは、そういう人が、好きなのだ。

それからおれは、カウンターが終わった後の慰労会などで、凛氏にしばしば同行させてもらうようになった。少しずつ、色々な話もするようになったのである。

 

凛氏を一言で評するとするならば、「無頼」である。お父上は大学の教授でもあった高名なドイツ哲学の学者で、凛氏もその影響なのだろう、立命館大学で西洋哲学を学んだ後、広告代理店へ就職、コピーライターとして数度の賞を受賞した後、フリーランスのクリエーターとして独立したそうだ。

現在は、小説・エッセイ・評論などの執筆を中心に活動しているとのことだが、飲みながら話を聞くと、ずいぶんと色々な経験をしている。ケンカもかなりの腕っぷしのようだ。

 

酒を飲むと、食べ物はまったく口にせず、鶴のように細い体をしている。といって、飲み方はきれいで、乱れることはない。

いつも「カネがない」と言っているが、それなりに生活できてはいるようだ。おれなども、普通の会社員に比べればずいぶん自由な生活はしているが、それでも凛氏と比べると、大人と子供のような気がする。

 

その凛氏から、しばらく中断はしているが、『競艇放浪記』を書いていると聞いたのはつい最近のことである。競艇そのもののことも書くが、むしろそれより、競艇場での悲喜こもごもの人間模様を描いたものなのだとか。

 

それを聞き、おれは直感的に、「これは面白そうだ」と思った。一度ツイッターで、凛氏が短いものを書いたのを読んだことがあったのだが、さすが小説まで書くだけあり、文章がじつに風情があるのである。

おれも執筆業だから、文章は朝から晩まで書いている。しかし凛氏の文章は、おれなどより数段上ではないかと思う。

 

それで閉鎖していたブログを一部分だけオープンしてもらい、早速読ませてもらったのである。期待に違わず、実に面白かったから、このブログでも紹介することを凛氏に承諾してもらった。

⇒ 凛七星『競艇放浪記』

ギャンブルは全くやらないおれなのだが、これは十分楽しめる。競艇場の風俗や、競艇を終えて向かった酒場での話も書かれている。

競艇放浪記

読むうちに、軽妙な凛氏の世界に、一気に引きずり込まれることと思う。

 

それから凛氏は、短編小説も一つ公開してくれた。

⇒ 短編小説『追憶~メモワール』

自身の体験も込めたものなのだろう。在日ベトナム人の少女と在日コリアン青年との、悲しく切ない、恋の物語である。

 

しばらく執筆は中断していたそうなのだが、ぜひ凛氏には、それを再開してほしいと思う。

そしておれは、真っ先に、凛氏の書いたものを読んでいきたいと思っている。

 

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